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生活・しつけ
小学1年生 2015年3月10日の記事
子どもが「親の話を聞かない」のは、なぜなの?[3/10]
《人の話を聞ける子になるために・前編》否定的な言葉で叱ってばかりいると、子どもは親の話を聞かなくなります。
お子さんに対して、「小学生になったら授業で先生の話をしっかり聞いて欲しい」と思っている親御さんは多いのではないでしょうか?
・注意しても、言うことを聞かない
・親の話を上の空で聞いている
家庭でお子さんがそんな様子だと、心配になってしまいますよね。
人の話をしっかり聞ける子になるためには、家庭でどんなことに気をつければいいのでしょうか? NPO法人ハートフルコミュニケーション 代表理事の菅原裕子さんにお話を伺いました。
●叱り過ぎると親の話を聞かなくなる
菅原 「お子さんが『親の話をしっかり聞かない』と感じたら、『何でママの話を聞かないの!』などと叱る前に、どうして聞かないのかを考えてみてください。
子どもは、親からいつも小言を言われ、叱られてばかりいると、『ママの話を聞きたくない』と、無意識に耳を塞いで話を聞かなくなります。
例えば、次のような言葉です。
・脅す言葉
『そんな子、ママ知らないよ』
『○○できないと、小学校に行けないよ』
・否定的な言葉
『あなたって本当にダメな子ね』
『バカ! 違うでしょ』
・誰かと比較する言葉
『○○ちゃん(子どもの友だち)はできていたよ』
『お兄ちゃんを見習いなさい!』
・人の悪口、グチ
『お父さんったら、全くしょうがないわね』
『○○さん(友人、知人など)って、本当に嫌な人ね』
人の話をしっかり聞ける子にしたいと思ったら、まずは子どもが嫌がることを親が言わないことです」
●親子の会話タイムを大切にして
菅原 「親自身が子どもの話を落ち着いて聞いていないために、人の話を聞くことを学べていない場合もあります。
例えば、夕食の支度をしているとき。
子どもが『あのね、今日幼稚園でね、先生がね~』と話しかけてきたとします。
ここでつい、『ごめん、忙しいから後にして』『それはいいから先に○○しなさい』などと言ってしまうことはありませんか?親に話を聞いてもらえなかったり、遮られたりすると、子どもは人の話を聞くことを学べません。
忙しいのはわかりますが、一生の中でお子さんと向き合える子育ての時間は限られています。反抗期を迎えると、自分から話をしてくれることも少なくなります。
だから、お子さんの話を聞く時間を大切にしてください。
『それで、○○ちゃんはどうしたの?』
『そのときあなたはどうしたの?』
『それはがんばったね』
そんなふうに、子どもの話を聞いて対話をする時間は、とても貴重なのです」
●子どもの話に親が結論を出さない
菅原 「子どもと会話をしているときに、つい別のことを指摘したくなるときがあるかもしれません。
『何を言っているの、あなただって○○したでしょ?』と話をすり替えたり、『そんなことは気にしなくていいいの』と結論を出したり。そうすると、子どもは否定されたと感じます。
親子の会話では、『それで、あなたはどう思ったの?』『あなたはどうしたいの?』などと、子どもに結論を出させるように、促してください。
親にじっくり話を聞いてもらえれば、子どもの心が満たされ、話を落ち着いて聞けるようになるはずです」
叱り過ぎないこと、子どもの話をじっくり聞くことが大切なのですね。
次回は、子どもが親の話をしっかり聞くようになる“伝え方”についてお話を伺います。
プロフィール
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。
有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。
企業を対象とした研修や企業文化変革のコンサルティングを行う。
企業の人育てと自分自身の子育てという2つの能力開発の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム『ハートフルコミュニケーション』を開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップを行っている。
著書:『子どもの「やる気」のコーチング “自分から学習する子”に変わる方法』(PHP文庫)、『自分と子どもがよくわかる本~エニアグラムで幸せ子育て~』(二見書房)など。
『NPO法人ハートフルコミュニケーション』