野田友子 のだ ともこ
元杉並区立保育園園長。東京都の福祉サービス第三者評価の評価者として約500件以上もの保育園の評価を実施。子育てアドバイザーとして、子育て支援のシンポジウム・講演会なども行なっている。
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生活・しつけ
小学1年生 2015年3月25日の記事
前回は素直に言うことをきかない子どもの口答えには、子どもがそうしたくなる理由を探ることが大切だとうかがいました。
でも、子どもはときとして、こちらが不快になるような言葉遣いで口答えをしてくることもあります。こんなとき、どのように対応していけばいいのでしょう。
前回に引き続き、子育てアドバイザーの野田友子先生に教えていただきました。
口答えをするにしても、「うるせえんだよ」なんて、乱暴な言葉や汚い言葉を使ったりすると、ついカーッとなってしまうこともあります。
野田 「た しかに子どもといえど、ときに大人が傷つくような言葉を使って口答えすることもありますよね。だから親御さんがイラッとしたり、傷ついたりするのもよくわ かります。言葉遣いについては、放っておけば、ほかの人に対しても同じような言葉を使うようになっていくでしょう。何より、お母さんが子どもに対してネガ ティブな感情を抱くようになってしまうかもしれません。
ですから悪い言葉や汚い言葉を使って口答えするときは、そのような言葉を使わないよう、子どもに働きかけていくことが重要だと思います。
ただし、子どもが悪い言葉を使うのは親の反応を試しているという場合もあるんです。だから『ダメダメ!』なんて感情的に反応してしまうと、こういう言葉を使うと反応するんだとわかり、かえって親の気をひくために悪い言葉を使うことが習慣化してしまうことがあるんです。
それから、こどもに対抗して、同じような乱暴な言葉で応戦してしまうのも避けたいですね。結局子どもに悪い言葉を使うお手本を見せてしまっているだけになります」
●伝えるときのポイントは、短時間で切り上げること
では、どんなふうに対応すればいいんですか?
野田 「まずは冷静に、どうしてそんな言葉を使ったのかを聞きましょう。『どうしてそんな言葉使うの? ママ、すごく嫌な気持ちがしたよ』と、子どもの言った言葉で傷ついたことははっきり伝えます。このとき、子どもの全人格を否定するような口調で責めないように注意してください。
そ して例えば、子どもが『だって、荷物がいっぱいで重くって疲れちゃったからすぐにできないもん』などと理由を言ったら、子どもの言葉を反復しながら受け止 めることも大切ですね。もし、お母さん側に原因があるのであれば、そのことはきちんと子どもに謝りましょう。『そうか、疲れてたんだね。ママも、帰ってき てすぐにうるさく言ってごめんね』というように。
その後、不快な言葉を使ってほしくないということをはっきり伝えて、子どもが納得したら、もうその言葉を使わないことを約束しましょう。
それから、もし今後、言ってほしくない言葉を使ってしまったときにどうするか、人に使ってしまったときはどうすればいいかを、子ども自身に予測させ、考えさせてもいいですね。こうすることで、子ども自身が自分の行動や気持ちをコントロールできるようになってきます。
このようなやりとりは、端的にすませるのがポイント。だらだらと続けていると、お説教みたいになってしまいます。それから、親の機嫌で対応を変えないようにしましょう。同じような言葉を使ったら、ダメなものはダメと終始一貫して伝えることも大切です。
お母さんとのこうしたやりとりを通して、子ども自身が納得すれば、もしこの後も同じ言葉を使ってしまったときでも、『この間お約束したよね』と指摘するだけで大丈夫。
すぐには無理ですが、何度か繰り返していけば、そのうちきっと乱暴な言葉は使わなくなりますよ」
親の言うことを多少は素直に聞いてくれるようになるとうれしいのですが……。
野田 「でも基本的には、親の言うことに何にでも「はい」なんて、素直に従う子どもはいませんし、それが当然の姿なんですよね。
そ れでも、たまに子どもが『うん、わかった』って、素直に従ったら、そのときに『わかったの? お母さん、うれしいな』と、子どもの行動を喜べばいいのでは ないでしょうか。子どもから、よい返事が欲しければ、まずお母さん自身がよいストロークを打ってあげることが一番ですから」
子どもは親の思い通りにならないというのは、わかっていても、つい忘れてしまいがちです。しっかり心に留めておきたいですね。
野田先生、ありがとうございました。
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元杉並区立保育園園長。東京都の福祉サービス第三者評価の評価者として約500件以上もの保育園の評価を実施。子育てアドバイザーとして、子育て支援のシンポジウム・講演会なども行なっている。
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