現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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小学1年生 2018年9月18日の記事
急に引っ越しが決まると、さまざまな環境が一気に変わるので、子どもの心も不安定になりがち。前回は、引っ越し前にできる子どもとの接し方についてご紹介しました。今回は、引っ越し後に注意すべき点や子どもの心のケア方法について、引き続き、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきました。
引っ越しで転園・転校するとなると、親としてまず気になるのは子どものメンタル面ですよね。でも実は、健康面や安全面でも配慮したいポイントがあると塩谷先生。そこで、まずは引っ越し後の生活で気を付けたいこれらのポイントについて、教えてもらいました。
1.アレルギーに気をつける
「引っ越しなどで環境が変わると起こりやすいもののひとつに、アレルギーがあります。新しい家の建材や近所に生えている草木、そのほかさまざまな要因で、アレルギーが出やすいと言われているのです。
今まで何かしらのアレルギーがあった子はもちろん、たとえアレルギーとは無縁だった子でも、引っ越し後のしばらくは特に、子どもの様子をよく観察しておいてください」(同)
引っ越し前後はホコリがたくさん出るのでくしゃみや鼻水が増えたり、環境の変化や体調不良から思わぬ食べ物で湿疹が出たり…と、何かしらのアレルギー症状があらわれてくるケースもありそうです。子どもの体調はしっかりチェックしておきましょう。
2.近所の病院情報を集めておく
「アレルギーにも関わってきますが、子どもは急に体調を崩します。そこで、できるだけ早く近所の病院情報を集めて、把握しておきましょう。急に必要になることがほとんどなので、できれば引っ越し前、または引っ越してすぐに周辺の病院情報をリサーチしておくと安心です」(同)
実は我が家も、引っ越し直後に家族全員で胃腸炎にかかり、大変な思いをしたことがあります。引っ越してまだ数日で病院がどこにあるのかもまったくわからず、とっさに保育園の入園案内に書かれていたかかりつけ医を思いついて駆け込みました。
そのときのお医者さんによると、普段なら平気な菌でも、疲れていたり寝不足が続いていたりして免疫力が下がっていると、大きな病状として出てくるのだとか。まさに引っ越し前後は体調を崩しやすい環境だと言えるのかもしれません。
我が家が引っ越しをしたときには、同じマンションに住んでいるママに早めに声をかけ、「小児科はどこに行っていますか?」と尋ねて教えてもらった経験があります。新しい土地では、積極的に近所のママに話しかけたり、ネットなども駆使して、早めにかかりつけ医を見つけておきたいですね。
3.近所を子どもと一緒に歩いて危険エリアを見つけておく
「引っ越したばかりの土地は、土地勘もなく、わからないことだらけです。前の学校では一人で登下校していたお子さんでも、はじめのうちは、親も必ず一緒に行動しましょう。車通りが多い道、死角が多い交差点、夕方になると人通りが少ない場所など、親子で歩いてしっかり確認しておくと安心です」(同)
我が家でも、引っ越した後は必ず「探検に行こう!」と親子で散歩がてら近所を歩き回っています。思わぬ遊び場を発見することもありますし、とても危険な坂や小道を見つけることも。今後、子どもだけで遊びに出かけることが増える前に、ママも一緒になってしっかりと確認しておくと安心です。
引っ越しで親が一番気になるのが、子どものメンタル面。仲の良かった友達と遊べなくなってしまうので、悲しい思いをさせてしまうのでは?と心配になるママも多いと思います。
「子どもは、過去にはあまりとらわれません。『今』が楽しければ、柔軟に対応していくので安心してください。『思い出すと悲しくなるかな…』と気遣って、前の学校の話やお友達の話を不自然に避ける必要もありません。それはそれとして、今の楽しいことにフォーカスしていけるといいでしょう。
例えば交友関係も、子どもは『友達になろう』と言って仲良くなるのではなく、同じ遊びをしていて自然に友達になるもの。特に年長や一年生の頃は、遊びを通じて仲良くなるので、学校の休み時間はもちろん、家に帰ってきてから公園などに行き、近所の子と遊ぶことを促してあげるといいですね」(同)
無理に友達を作るように親が仕向ける必要はなく、あくまでも遊びを通じて、子どもは自然にコミュニケーションがとれるということがわかり、少しホッとしました。親はあくまでも、新しいお友達ができるきっかけづくりをサポートすればいいのですね。
引っ越しは、親も子どもも負担が大きくなりがちです。だからこそ、事前にチェックしておくべきポイントはおさえて、時には前の園や学校のお友達の話もしながら、子どもが「今」を楽しめるようにさりげなくサポートしていきましょう。新生活、親子ともに楽しい毎日になりますように!
(取材・執筆:水谷映美)
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現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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