大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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週末・その他
小学1年生 2018年9月14日の記事
一緒に歌ってストレス解消! ママ向けミュージカル映画3選
親子の会話がはずむ、年長児とママのための映画ガイド【第14回】
長い夏休みが終わり、ホッとひと息ついたのもつかの間、秋は運動会や遠足、学習発表会など学校行事もめじろ押しで、何より日々の家事育児はエンドレス。ママの忙しい日々は続きます。今回は、そんな毎日を頑張っているママたちが、心身ともに元気になれそうな楽しいミュージカル映画を3本ご紹介します。歌って踊ってストレスも解消! ママが笑顔になれば家族もハッピーになれるはず!
●シスターと一緒に歌って踊ろう「天使にラブソングを」
殺人現場を目撃して追われる身となったクラブ歌手が、潜伏先の修道院で巻き起こす騒動を描くコメディ。ノリノリで歌うシスターたちの美しいコーラスと、ポップにアレンジされたゴスペルが楽しい、1993年の大ヒット映画です。
ネバダ州リノのナイトクラブで歌手をしているデロリスは、クラブのオーナーでマフィアのボス、ヴィンスの愛人。ある日偶然、ヴィンスが裏切り者を始末する現場を見てしまい、愛人の身から一転、ヴィンスから命を狙われる身になってしまいます。警察に駆け込んだ後、修道院にかくまわれることになったデロリスですが、厳格すぎる暮らしにウンザリ。そんなデロリスが自分の歌手としての経験を活かして、ヘタな聖歌隊を大特訓! パワフルでポップに生まれ変わったゴスペル聖歌隊は評判を呼びますが、そのせいでヴィンスに居場所が知られ、デロリスはヴィンスの手下たちにさらわれてしまいます。シスターたちは一致団結してデロリスを助けに向かいますが……。
「劇場やカジノは面白いから人が集まるの。だったら教会も面白くしたらいいんじゃない?」というデロリスのアイデアで、閉鎖的な修道院が開放的な場所になっていく。歌う喜びと楽しさ、仲間と一緒に何かを成し遂げる充実感など、人生の楽しさに目覚め、イキイキと輝いていくシスターたちを見ているだけで幸せな気分になります。そう、楽しい場所には楽しいことや人が集まる! ママが楽しければ子どもも家族も楽しくなる! そんな風に思える、元気をもらえる映画です。
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■天使にラブソングを
1992年/1時間40分/アメリカ/監督:エミール・アドリーノ/出演:ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、ハーヴェイ・カイテル
●ペンギンたちのキレッキレの歌とダンス「ハッピー・フィート」
皇帝ペンギンたちがまるでブロードウェイのミュージカルスターのようにポップやロックの名曲に合わせて歌い踊る、ユニークなCGアニメーションです。氷の世界、南極大陸を舞台に、落ちこぼれペンギンの男の子マンブルの熱く壮大な冒険を描きます。
同じ相手と一生を添い遂げる皇帝ペンギンの使命は、“心の歌”を歌って運命の相手を見つけること。けれどマンブルは音痴過ぎて学校ではいつも落ちこぼれ。真面目なパパをガッカリさせてばかりいます。音痴だけど、タップダンスが誰よりも上手なマンブルは、歌の代わりにダンスで気持ちを表現しようとしますが、頭の固い長老たちはそんなマンブルを認めません。魚不足などの南極の災難はすべてマンブルのせいだと言い、マンブルを国外追放してしまいます。かくして自分の無実を証明するため、マンブルは仲間たちと果てしない冒険の旅に出ます。
笑っちゃうほど上手なマンブルのタップダンスはもちろん、短い手足で魅せるペンギンたちのキレキレのダンスと美しく揃ったパフォーマンスが最大の見どころです。CGアニメとはいえ、フワッフワの毛並みがリアルで、特に子ペンギンの愛らしさはたまりません! そんなペンギンたちが、プリンス、クイーン、スティービーワンダーやビートルズなどの往年のロックやポップスのヒット曲を熱唱し歌い踊る姿がキュートで楽しくて、タイトル通りハッピーになれる作品です。誰に何を言われても自分らしくいようとするマンブルから、自分を信じること、そして子どものありのままを認める親の姿勢の大切さにも気づかされます。
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■ハッピー・フィート
2006年/1時間48分/アメリカ/監督:ジョージ・ミラー/声の出演:イライジャ・ウッド、ロビン・ウィリアムズ、ブリタニー・マーフィー、ヒュー・ジャックマン、ニコール・キッドマン
●歌とダンスで偏見なんて吹き飛ばせ!「ヘアスプレー」
黒人への人種差別が残る60年代のアメリカ、ボルティモア。歌とダンスが大好きなぽっちゃり女子、トレーシーが憧れのダンスショーに合格し、その天真爛漫さで周囲を変えていくというお話です。1998年のオリジナル同名映画を元にしたミュージカルを再映画化した2007年の作品です。
高校生のトレーシーの夢は人気のダンス番組「コーニー・コリンズ・ショー」に出演すること。母の反対を振り切ってオーディションに参加するも、太っていることが理由で不合格になってしまいます。その後、ひょんなことから番組に出演できることになったトレーシーは一躍人気者に! そんなトレーシーのことが気に入らないのが出演者のアンバーと、その母親であるプロデューサー、ベルマ。母娘は、さまざまな手を使ってトレーシーを番組から降ろそうとするのですが……。
オープニングの「グッド・モーニング・ボルチモア」を筆頭に、思わず口ずさみたくなる60年代オールディーズ風のナンバーが満載。体系なんて気にしない、いつも明るく前向きな主人公トレーシーが本当に魅力的で、ダンスが好き!という気持ちが画面いっぱいに弾けているのが何より気持ちいい作品です。カラフルな60年代ファッションもママの乙女心をくすぐります。『サタデー・ナイト・フィーバー』など、70年代に大ヒットしたダンスムービーの主演であるジョン・トラボルタが、ダイナマイトバディの母親役で踊りまくる、という遊び心も。底抜けに明るいミュージカル映画ですが、“差別の愚かさ”もテーマのひとつで、差別する側の傲慢さ、見た目や肌の色で差別される側が感じる理不尽さも描いています。見た目なんて関係なく“好き”でつながる幸せを、ポップな演出の中に表現していて、ちょっと気分を上げたいとき、元気になりたいときに観たくなる1本です。
<データ>
■ヘアスプレー
2007年/1時間57分/アメリカ/監督:アダム・シャンクマン/出演:ニッキー・ブロンスキー、ジョン・トラボルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、ザック・エフロン
イライラが収まらなかったり、ちょっと落ち込んだりしたときにパワーをくれるミュージカル映画。もちろん、出てくる挿入歌も本格的なものばかりなので、ママが一人ゆっくり観るも良し、芸術の秋、スポーツの秋、お子さんと一緒に歌って踊って楽しむのも良いかもしれませんね。
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