スミセイアフタースクールプログラムとは
全国の学童保育や放課後クラブなどを対象に、「心臓外科医のシゴト」「足が速くなる方法」「宇宙の未来」といった楽しく学べる出張授業(各60~90分)を無料でお届けするプロジェクト。住友生命のCSR活動のひとつとして2014年からはじまり、これまで160か所、6000人以上の子どもたちにプログラムを届けている。
運営主体:放課後NPOアフタースクール/助成:住友生命
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小学1年生 2017年11月29日の記事
「第2の待機児童問題」があるとされる小学生の学童保育は、多くの働くママにとって「入れるだけでも有り難い」存在なのではないでしょうか。仕事が終わるまでの数時間、子どもたちが安全に過ごせる“居場所の確保”は、共働き世帯には死活問題ですよね。
一方、需要が増えているからこそ、徐々にその中身にも注目が集まってきています。小学生になり、子どもたちもより個性や主体性が強くなってきたからこそ、学校でも家でもない場所で、我が子が、誰と、どんなふうに過ごしているのかは気になるのが本音ではないでしょうか。
そこで今回は、学童の質を上げる活動をしている「スミセイアフタースクールプログラム」について取材しました。これからの学童保育について考えるきっかけとして、プログラムに参加した子どもたちの様子や、取り組みを支える大人たちの思いをお伝えしたいと思います。
全国の学童保育や放課後子ども教室が、無料で応募することができるスミセイアフタースクールプログラム。当選すると、様々なジャンルで活躍するプロフェッショナルの方々が学童へやってきて、出張授業を受けることができます。現在は年間50箇所で開催されているのだとか。
今回取材でお邪魔した埼玉県鳩ヶ谷小学校の放課後学童クラブは、木が生い茂る小学校の敷地内にある、どこか伸び伸びとした雰囲気が漂う学童クラブ。この学童の子どもたちが今回受けるのは「いのちかがやくサイエンス」(全90分)のプログラムです。この日の講師である、テレビでもおなじみの松延康先生が登場すると、子どもたちから歓声が上がります。
プログラムは、まず最初に、子どもが科学に興味を持ってくれるような面白い実験を見せるところから始まります。
先生「みんなこの水は何色に見える?」
子どもたち「透明~~!!」
先生「え、赤でしょ! この水は心のキレイな人には赤に見えるんだよ!」
子どもたち「え~!ウソだぁ~!」
先生「じゃあ、大人たちの汚れた心を、この“ヨーコさん”に吸い取ってもらうと……。今度は何色に見える?」
子どもたち「え~っ!? 赤くなった!?」
クラブの先生たちも巻き込んだ演出に、1年生から6年生まで大盛り上がり。その後も、子どもたちの興味を刺激するような実験とお話しが続きます。
先生の実験で科学への興味が刺激されたところで、次は 子どもたち自身が科学の力を自ら体験するパートへ。
今回は、スノードーム作りにチャレンジします。2人1組でペアになってスノードーム作りに挑戦です。まずはペットボトルに入れた水とアルギン酸ナトリウムをよく混ぜるところから。
全身を使って、みんなでシェイク、シェイク、シェイク!!
よーく混ざったら、絵の具で好きな色を付けて、スノードームの“雪のもと”の出来上がり。この“雪のもと”を、塩化カルシウム水溶液の中に一滴ずつ落として、雪の粒を作ります。
一粒ずつ慎重に……。みんなすごい集中力です。
マスコットを浮かべてフタをしたら、カラフルなスノードームの完成!
同じ仕組みで作ったお土産のペンダントまでもらって、みんなニコニコです。
楽しい実験でワクワクが最高潮に達したところで、先生から科学のお話し。「ゴーヤのツルは引っ張られても切れにくいように秘密の工夫がしてある」、「サンマの背中が青くてお腹が銀色なのは、オシャレじゃなくてちゃんとした理由がある」など、普段気にも留めないような身近なものにも、たくさんの不思議が潜んでいるということを教えてくださいました。
プログラムが終わる頃には、キラキラした眼差しですっかり科学の世界に魅了された様子の子どもたち。先生のお話しも、誰一人ふざけることなく真剣に聞いていました。
普段の授業の倍の長さにもかかわらず、一年生から六年生までがフルで楽しんでいた今回のプログラム。はじめは何が始まるのか不思議そうにしていた低学年の子や、お疲れ気味だった高学年のお兄さんお姉さんも、最後にとてもいい笑顔になっていたのが印象的でした。
今回、子どもたちに実験を通じて科学の楽しさを教えてくれたのは、多くの幼稚園や小中学校で実験授業を行ったり、テレビでもおなじみの松延康先生。子どもたちに、実験を通じて好奇心を育てて欲しいと語ります。
「実は最近、小学校の理科で実際に実験をやる授業が減っているようなんです。それって、子どもが好奇心を育てるチャンスが減っているとも言えるんですよね。だから私は一人でも多くの子どもたちに実験を届けたいという思いで、このプログラムに協力しています」(松延先生)
実験を通じて「子どもの“sense of wonder”(不思議さに驚き!なぜ?と思う感性)」のきっかけを作りたいと言う松延先生。そのために、実験で不思議を楽しむ気持ちを盛り上げたあと、必ず身近な不思議のお話しをするようにしているのだそうです。
普段はなかなか出会うことができない、様々な分野の第一線で活躍する先生から、授業を受けたり話を聞くことができるスミセイアフタースクールプログラム。他にも現役の医師による「心臓外科医のシゴト」、昆布や煮干など様々なものからダシをひいて和食の奥深さに触れる「にほんのおだし」、元プロ野球選手から直接キャッチボール指導を受けられる「夢へのキャッチボール」など、16種類のプログラムが用意されています。今回も子どもたちにとって、思い出深い、良い体験になったのではないかと感じました。
今回、このプログラムに応募した鳩ヶ谷小学校放課後児童クラブの木村美紀子先生によると、外部の先生を招いてのプログラムは、子どもたちにとって良い刺激となるので、今後も続けていきたいとのこと。
また、スミセイアフタースクールプログラムでは、子どもたちへの出張授業のほか、学童を支えるスタッフや地域の方と、このプログラムを運営している「放課後NPOアフタースクール」のメンバーで学童のあり方について話し合う勉強会が行われるのも特徴の1つ。この勉強会が、学童での取り組みを見直す良いきっかけになるようです。
「学童は学校、保護者、地域の方など様々な方にお世話になってようやく良い運営ができるということに、改めて気付かされました」と語ってくれました。
次回は、プロジェクトを通じて全国160か所を超える学童を見てきたからこそ分かる、子どもたちの放課後の現状とこれからの展望について、住友生命保険相互会社・ブランドコミュニケーション部・ソーシャルコミュニケーション室の須之内たか美さんと、放課後NPOアフタースクール・マネジャーの押塚岳大さんに伺いたいと思います。
(取材・執筆:八巻奈緒)
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