保護者と学童保育の職員(指導員)が1967年に結成した民間の学童保育専門団体。
月刊『日本の学童ほいく』の編集発行、全国学童保育研究集会、全国学童保育指導員学校の開催、学童保育に関する調査研究など、学童保育の内容充実のための活動を行う。
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生活・しつけ
年長 2018年10月11日の記事
近年、習い事を兼ねた「学童保育」とうたう民間サービスや、地域住民の協力を得るなどして学校等で行われる「放課後子供教室」といった従来の学童保育とは違う事業やサービスが増え、その違いがわかりにくくなっています。安心して子どもを預けられる場所を選ぶためには、それぞれの違い、役割を知っておきたいですよね。全国学童保育連絡協議会・事務局次長の佐藤愛子さんに教えていただきました。
学習塾などが「学童保育」と称して運営しているサービスも増えているようですが、公的な学童保育と、どのような違いがあるのでしょうか。
「公的な学童保育(放課後児童クラブ)は、厚生労働省の所管です。児童福祉法にのっとった放課後児童健全育成事業の届け出をし、厚生労働省が定めた省令基準に基づいて、市町村が定めた基準のもと、運営されています。
運営は、公営が約33.2%。この他に、行政から委託されて、団体(社会福祉協議会、父母会、NPO法人、私立保育園、社会福祉法人、私立幼稚園や学校法人など)や企業などが運営主体となって運営する民営があります(2018年・全国学童保育連絡協議会調査)。
一方、最近では塾や習い事教室などを運営する企業が、放課後などに小学生を預かる施設を開設するケースも増えています。そのような場合、指導員の人数や施設設備などには国や市町村の基準は適応されません」(佐藤さん)
一方、民間企業が経営する学童の場合、夕食の提供、延長保育、送迎など様々なサービスが充実しているのも特徴。また、習い事をさせたくても、平日の放課後に送り迎えができない共働き家庭では、習い事や塾と併設されているほうが便利という声もあるそう。その分、費用は、数万円~10万円ほどかかるそうです。
2014年、政府によって「放課後子ども総合プラン」が策定され、学童保育(放課後児童クラブ)の受け入れ児童数を5年間で30万人増やす目標が立てられました。この目標はほぼ実現していて、2019年からの5年間でさらに30万人を増やす目標が定められています。このプランにより、学童保育との連携が進められているのが「放課後子供教室」です。
学童保育と放課後子供教室は、何が違うのでしょう。
「学童保育と放課後子供教室は、次のように目的、関わる大人などが異なります。
■学童保育(放課後児童クラブ)
所管:厚生労働省
対象:保護者が就労などで昼間家庭にいない小学生
目的:適切な遊び、および生活の場を提供すること
子どもに関わる大人:放課後児童支援員の有資格者、補助員
学童保育は、保護者が仕事などで昼間家庭にいない小学生のための『生活の場』。放課後児童支援員という資格を持った指導員が子どもに関わります。
■放課後子供教室
所管:文部科学省
対象:保護者の就労の有無にかかわらず、全ての子どもが対象。学童保育の子も希望すれば参加できる場合も
目的:地域の人の協力を得て、学習や様々な体験・交流活動、スポーツなどの機会を提供すること
子どもに関わる大人:市区町村が雇用した放課後子供教室主任(コーディネーター)が管理・運営。体験教室の講師は、地域のボランティアが関わる
放課後子供教室は、全ての児童が参加できる『活動の場』。活動の内容や日によって関わる大人が変わることも多いです」(同)
学童保育と放課後子供教室がそれぞれ『単独型』ではなく、『一体型』で行われている場合もあると聞きます。この一体型とは何なのでしょうか?
「国は、『全ての児童の安全・安心な居場所を確保するため、同一の小学校内等で両事業を実施し、共働き家庭等の児童を含めた全ての児童が放課後子供教室の活動プログラムに参加できるもの』が『一体型』であるとしています」(同)
放課後子供教室は、全児童が対象。中には100人、200人と登録人数が多いところもあり、利用する子どもは毎日顔ぶれが変わります。一体型でも子どもが落ち着いて過ごせる生活の場としての機能があるかどうかは、どこをチェックすればいいのでしょうか?
「一体型となっていても、学童保育は市区町村が条例で定める基準に基づき生活の場として実施されます。しかし、市区町村のなかには、役割の異なるふたつの事業をひとつにした運営(同じ場所、同じ職員が対応する)にしてしまっている場合があるようです。学童保育専任の指導員配置になっているか、専用室があるかなどを確認してみてください」(同)
「学童保育は、子どもたちに安全で安心できる生活を保障するために、家庭と同じような雰囲気のなかで過ごせる居場所。継続的に同じメンバーで生活できること、学童保育の専用の施設・区画が設けられていること、子どもの保育に責任をもつ指導員が継続的に配置されることが必要となります」と、佐藤さんは話します。
選択肢が増えてきた放課後の子どもの居場所。子どもの体と心が大きく成長する小学校時代、子どもに合った環境を選んであげたいですね。
(取材・執筆:掛川ゆり)
保護者と学童保育の職員(指導員)が1967年に結成した民間の学童保育専門団体。
月刊『日本の学童ほいく』の編集発行、全国学童保育研究集会、全国学童保育指導員学校の開催、学童保育に関する調査研究など、学童保育の内容充実のための活動を行う。
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