山崎浩一 やまざき こういち
臨床発達心理士。教育相談オフィス「オフィス紫陽花」スタッフ。「新しい学校適応支援相談員」を経て、現在、東京都スクールカウンセラーとして勤務中。
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生活・しつけ
年長 2017年2月28日の記事
入学に際して、文字が読めたり、数が数えられるようになること以上に大切なのが、自分がどうしたいのか、意思表示がはっきりできることなのだとか。引っ込み思案の子やおとなしい子はどうすればよいのでしょう。臨床発達心理士・スクールカウンセラーの山崎浩一さんにうかがいました。
入学準備のひとつとして、ママノートの過去記事では「やりたいことを相手に伝えられるようにすることが大切」ということを伝えてきました。「うちの子はおとなしいから大丈夫かな」と心配な親御さんもいるかもしれません。
山崎 「幼稚園や保育園では、自己主張が苦手な子でも、先生が代弁してくれたり、気持ちを聞いてくれることが多かったと思います。でも小学校ではそういうわけにはいきません。自分から自分のことを言えるようになれないと、何かと大変です。
まず入学当初は『トイレに行きたい』など、『やりたいこと』を伝えるようにすることを目標にするといいでしょう。
入学後は、自分の意思表示をさらに明確にして、イヤなことはイヤと言えるようにすることが大切になってきます。例えば小学校に入ると、いじめというほどではないにせよ、友だちから意地悪なことを言われたり、されたりといった問題も出てきます。
『イヤ』とか『やめて』と言えない子は、ターゲットになりやすい傾向があります。意思表示をはっきりする子には、意地悪なことをしにくいという心理もあるので、おとなしい子でも、イヤなことはイヤ、『何でそんなことするの?』と言えるようにしておきたいですね。さらに、やってほしいことをお願いできるようになればベターです。
そのためには、自分の気持ちをしっかりと家で言えるように、今のうちからトレーニングしておきたいですね」
おとなしい子でも、すぐに自分の気持ちを言葉で言えるようになるでしょうか。
山崎 「子どもの発達の程度や性格によっても違いますが、気持ちを言葉にするのは、入学してすぐの子には難しい部分もあるでしょう。初めは学校で悔しい思いもいっぱいしてくると思うので、その気持ちを親が汲んであげることが大切だと思います。
特に1年生のうちは、まだまだ気持ちを言い表すことができなくて、手が先に出てしまうこともあります。このとき『いくら自分が正しくても、手を出したら悪くなっちゃうんだよ』と言うと、ほとんどの子はわかっていて、でも止められなかったと言います。
ただ、多くの場合、9、10歳あたりで急に落ち着いてきて、言葉がスムーズに出てくるようになってきます。
親があまり焦ると、『何で小学生なのに言葉で言えないの』と、子どもに対してイライラしてしまうことになるので、そこは気長に待つという気持ちでいてほしいと思います。
また、手を出すこともできないで我慢してしまう子もいます。こういう子は、先生に言いたいことがあっても飲み込んでしまうので、学校や教室で孤立してしまうことがあります。おとなしい子ほど気をつけてあげましょう。
ただ、こう言うと言葉が達者な子だけが評価されてしまいそうなので、そこは注意したいですね。いつでも、何でも口に出して言えなきゃダメ、ということではなく、ここぞというときに意思表示できればいいわけです。言葉が達者でないということも認めてあげたいですね」
口ベタな子でも認めてもらえれば、自信がついて、意思表示ができるようになるのでしょうね。
山崎さん、ありがとうございました。
次回は、自分の気持ちを言えるようにするにはどうすればよいかうかがいます。
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