山崎浩一 やまざき こういち
臨床発達心理士。教育相談オフィス「オフィス紫陽花」スタッフ。「新しい学校適応支援相談員」を経て、現在、東京都スクールカウンセラーとして勤務中。
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生活・しつけ
年長 2017年3月1日の記事
前回は、小学校で自分の気持ちを伝えることの大切さなどについてうかがいました。では、口ベタな子やおとなしい子が自分の気持ちを言えるようにするには、どうすればいいのか。臨床発達心理士・スクールカウンセラーの山崎浩一さんにうかがいます。
●家庭を「子どもがどんな気持ちも出せる場」にする
自分の気持ちを言えるようになるために、親ができることは何でしょう?
山崎 「まずは、子どもの気持ちを聞いてあげる場を作ることだと思います。
家庭は、子どもが自分の気持ちを一番出せるところです。もし、学校から家に帰ってきて急に泣き出したりしても、それはある意味、いいことだと思うんです。学校では我慢してきているけれど、家に帰ってくると、自分の気持ちを出せるということですし、親も『どうしたの?』と聞くことができますから。
何があったかはともかくとして、自分の感情をきっちりと、親に伝えることができる場として、家庭があるというのはとても大切なことです。
例えば、子どもが学校から帰ってきて、落ち込んだ表情をしていたら、『どうしたの?』と聞いてあげましょう。
最初ははっきりとは言ってくれないかもしれませんが、もし『こんなこと言われてイヤだった』などと話してくれたら、『イヤって言えた?』と聞きます。もしそこで、子どもが『言えなかった』と答えたら、『じゃあ、この次何かイヤなことを言われたらイヤって言おうね』などと、少しずつ気持ちを言葉にすることを伝えていきます。
言葉に出せずに、つい手が出てしまったという場合でも、手を出したことを叱るのではなく、『じゃあ、次はやだとか、やめてよって言ってみようよ』と、手を出す前に口で言うことを教えていきましょう。もちろん、なかなかすぐにはできませんが、少しずつでも変わっていけるように促していきましょう」
●スキンシップで気持ちをほぐす
ほかにも、ふだんからやっておくといいことはありますか?
山崎 「意外かもしれませんが、スキンシップがおすすめです。お互いの体温を感じるぐらいに体を近づけて、『どうしたの? 今日は何かイヤなことがあったの?』などと話しかけると、子どもは安心して話すことができます。
小学生になると体も大きくなって、あまりスキンシップしなくなると思いますが、子どもは多少照れたとしても、意外にイヤがらないと思います。6年生くらいになってもスキンシップをしながら、言葉にならない言葉を伝え合ったりすると、気持ちが落ち着きます。ましてや低学年はまだ赤ちゃんのようなものですから、スキンシップは有効です。
もし子どものほうからスキンシップを望んできたら、受け入れてあげてください。何かベタベタしてきたら、ちょっと不安定なのかなと考えて、言葉よりもまずギューッと抱きしめる。そして、『落ち着いた?』と、聞いてあげましょう。なかなか言葉にできない子には、『悲しかったんだね』などと代弁してあげたり。言いにくそうにしていたら無理に聞き出さず『じゃあ、今度もっと言えるときに言おうね』と、言ってあげるといいと思います。
心がほぐれたら、きっと言葉にできるでしょう。その積み重ねで、徐々に『気持ちを伝える』ことがスムーズにできるようになってくるはずです」
親はつい焦ってしまいがちですが、まず気持ちが安らぐ場を作ってあげたいですね。
山崎さん、ありがとうございました。
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