山崎浩一 やまざき こういち
臨床発達心理士。教育相談オフィス「オフィス紫陽花」スタッフ。「新しい学校適応支援相談員」を経て、現在、東京都スクールカウンセラーとして勤務中。
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生活・しつけ
年長 2017年2月14日の記事
小学生になると、だんだんと友だち関係が複雑になるうえに、学校で毎日、友だちとどう過ごしているか把握するのが難しくなります。いざ心配なことがあったとき、どうすればよいか、ちょっと不安な方もいるのでは? 臨床発達心理士・スクールカウンセラーの山崎浩一さんに、入学後、どこまで子どもの友だち関係に関わればよいか、いざというときにどう対処すればよいかについてお聞きします。
●子どもと話をしながら、友だち関係を把握しておく
小学校は幼稚園や保育園と違って、友だちについての情報が入ってきにくくなります。あまり気にしすぎても……とは思いますが、無関心でもいられません。親はどんなスタンスでいればいいのでしょう?
山崎 「お子さんの友だち関係について、入学当初は不安な親御さんも多いと思います。
だからといって、いちいち介入する必要はありませんが、ある程度、友だち関係を把握しておくことは大切です。それには、やはり子どもから話を聞くこと。まずは『今日、学校どうだった?』という話ができる雰囲気を作りながら、友だちのことを聞くようにするとよいでしょう。
ただし、毎日『誰と遊んでいるの?』などと根掘り葉掘り聞き出すと、子どももいやになってしまいます。
友だちの話がなかなかできないという子は、先生の話題のほうが話しやすいので『今日、先生はどうだった?』などと聞きながら、自然な流れで学校の話をする習慣をつけていきましょう。
そうするうちに『今日、○○ちゃんと遊んだ』と、ぽっと友だちの名前が出てくることもあります。そのときは、その子の名前をあとで控えておくなどして、こういう友だちができたんだと覚えておくとよいでしょう。
後日、会話の中に『○○ちゃんと遊んだの?』などと、友だちの名前を出したりすると、子どもは『お母さんは、自分のことをよく見ていて、友だちのことも覚えてくれている』と安心感をもつことができます」
●保護者を知るには、学校公開や保護者会に参加して
山崎 「これまでは園が同じ子や近所の子、親が仲良しということで友だちになっていましたが、小学校に入ると、自分と相性のいい子と仲良くなり、さらにお互いを認め合えるような友だち関係へと変化していきます。親もそうした変化を、子どもの成長の表れとして、楽しみながら見守れるといいですね。
それ以外の方法で友だち関係を把握するには、学校公開に参加するとよいと思います。クラスの雰囲気がわかりますし、友だちの保護者についても知ることができます。
直接やり取りはなくても、まったく知らないときよりも、『学校公開のときにいたあの人だな』と見当がつくほうが、安心できるものです。友だちの保護者について、さらに知るには、保護者会にも参加するとよいと思います。
万が一けんかなどのトラブルなどがあって、その子の家に電話などをしなくていけないという場合でも、顔を知っていると心理的な負担がだいぶ違ってきます」
●気になることが起きたら、すぐに学校に相談を
小学校に入ると、理由もなく「絶交」と言われたり、仲間はずれにされたりと、友だち関係も複雑になってくるようです。気になることがあったときは、どうすればいいでしょう。
山崎 「子どもに話を聞くだけだと、どうしても正確さに欠けたり、わからない部分も出てきます。そういう場合は、きちんと事実を把握するためにも、学校に相談しましょう。
そのとき連絡帳を使うと、子どもが見てしまう可能性もあるので、大事な話は担任の先生に直接聞くことをおすすめします。
先ほども言ったように学校公開や保護者会に参加していると、何か気になることがあったときでも、先生に話を聞きやすくなります。
もし忙しくて参加できないという方は、連絡帳を使って『行きたかったのですが、残念です』とひと言書いておくといいでしょう。参加する意志があるということが先生に伝わると思います。
また、気になることを先生に相談しにくいという場合は、スクールカウンセラーに相談するのもひとつの方法です。『子どもの話だと、最近こういう感じみたいなんですけど、教室ではどうなんでしょうね』などと相談すれば、先生に聞いたり、教室での様子を見て報告してくれたりします。
スクールカウンセラーは敷居が高いと思われがちですが、どんなに小さなことでも、気になることがあったら話してみましょう。
いずれにせよ、大切なのは日ごろから学校と連携していることです。そうすれば、トラブルがあっても解決することが可能です。また、多少深刻になっても、学校と保護者がすぐに連携をとることで、早めに対処することができるでしょう」
親が学校に出向いて、積極的に情報を得にいく姿勢が大切なのですね。
山崎さん、ありがとうございました。
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