中垣俊子(なかがき としこ)
認定心理士。保育士。アドラー心理学・アートセラピー・夢分析・色彩心理学を学び、個性を活かした女性のあり方を研究。女性が抱える心の問題を取り上げ、共に考え、歩むカウンセリングリーム「コルネット」を創設。人と社会の幸せを実現しようとするアドラー心理学に基づく民間学童施設「アドラーこども学校」の校長も務める。著書に『7歳からは、見つめて、待って、ちょっと話す』(PHP研究所刊)などがある。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年11月17日の記事
子どもの心の「折れ方」にもいろいろなタイプがあります。
前回までの、心が折れた子への接し方のポイントをふまえたうえで、心理学士であり、学童施設「アドラーこども学校」校長の中垣俊子さんに、具体的にどのように接していけばよいか、3つのパターンを例にうかがいます。
●失敗を引きずって、同じことをしたがらない
例1)一度失敗したと感じたら、次に同じことに兆戦したがりません。無理にさせると泣いて嫌がることも。
中垣 「子どもの気持ちが折れたとき、どのような場合でも、次にまたチャレンジできるようにするための共通の対応があります。
それは、絶対にできることから誘うことです。心が折れている子は、自信を失って、何をやってもできないと思い込んでいます。そういう子の意識を変えるには、成功体験を多く味わうことが第一。
例えば、鉄棒がうまくできないとか、それで友だちにからかわれて傷ついてやりたくないという子は、まず鉄棒にぶらさがってみるなど、ごくごく簡単なレベルのことから始めて、小さなステップを積み重ねていけるようにしていきましょう。
そのためには、子どもが苦手と思っていることで、どんなことなら確実にできるのかを見極めることも大切です。
その上で、もし皆の前でやらなければならないことなら、親御さんと一緒に「秘密の練習」をしましょう。一度の失敗を引きずりやすい子というのは、できないことが格好悪いこと、恥ずかしいことだと思っています。だから、2人だけで練習して、できるようにするのです。
そのとき必ず、子どもに「練習すれば、できるようになるよ」と伝えましょう。希望を持たせることで、練習する意欲もわいてくるはずです」
●周囲のちょっとした言葉にすぐ傷ついてくじける
例2)絵を描いていたとき、友だちが何気なく「変な絵」と言った言葉に傷つき、それ以来、絵を描くのが嫌になってしまいました。
中垣 「大人から見ると『気にしなくてもいいんじゃない』と思うようなことかもしれませんが、まずは『そうなんだ、傷ついたんだ。』と、気にしていることを受けとめましょう。そのうえで『でも、お母さんはそう思わないけどね』などと加えて、いろいろな見方があるということを伝えます。
そしてできれば、子どもと一緒に絵を描きながら、お母さん自身も楽しんでいる姿を見せられるといいですね。そうしているうちに『絵を描くのは楽しいな』『自分は、そんなに下手じゃないかも』と、少しずつ自分なりに考えられるようになっていきます。
大人はどうしても、傷ついた気持ちを立て直そうと急ぎすぎてしまうきらいがありますが、子どものペースを尊重して見守っていくのがポイントです」
●弱気な子、何事にも自信がない子
例3)何に対しても自信がなく、いろいろなことに挑戦してみようという意欲が足りません。
中垣 「弱気な子に対しては、子どもの自信のない発言に、過剰に反応しないこと。『○○できないんだもん』とくよくよしていても『そうなんだ』とか『できない気がしてるんだね』などと、冷静なトーンで、なおかつちょっとだけ不思議そうにして答えましょう。
それからごく簡単なレベルから『やってみない?』と誘っていきます。自信がないという子ほど、簡単なことでも成功体験を味わうことで、やる気が出てくることが多いものです」
あせらず、子どもの気持ちを認めながら見守っていきたいですね。
中垣さん、ありがとうございました。
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中垣俊子(なかがき としこ)
認定心理士。保育士。アドラー心理学・アートセラピー・夢分析・色彩心理学を学び、個性を活かした女性のあり方を研究。女性が抱える心の問題を取り上げ、共に考え、歩むカウンセリングリーム「コルネット」を創設。人と社会の幸せを実現しようとするアドラー心理学に基づく民間学童施設「アドラーこども学校」の校長も務める。著書に『7歳からは、見つめて、待って、ちょっと話す』(PHP研究所刊)などがある。
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