1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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学校・まなび
小学1年生 2016年11月25日の記事
私が勤務していた小学校では、校内音楽会が毎年11月にありました。
1年生を受け持っていたとき、「大きなかぶ」のミュージカルと「きらきらぼし」の合奏をおこないました。
そのときのことを、懐かしさとちょっとした後悔とともに思い出します。
学年の先生たちと「大きなかぶ」の脚本を作るとき、まずはじめに観客の笑いを取ろうということになりました。それで、主人公がドジをする場面を入れました。
そして、本番のとき、主人公役のS君がとても上手にやってくれて大爆笑になりました。
それで、私たち大人は「よし、受けた」と思ったのですが、その後S君は急に元気がなくなってしまいました。
声も小さくなり動きもはっきりしません。
「あれ、S君どうしたんだろう?」
「おかしいね。いつもの元気がないね」
「もしかしたら、『笑わせた』じゃなく『笑われた』って思ったんじゃないの?」
「あ、そうかも…」
これには困りました。
本番の今ここで教師が出ていって励ますわけにもいきません。
「あ~、がんばって」と祈るような気持ちで見ているほかありませんでした。
S君はなんとか最後まで演じきってくれましたが、終わった後も元気がありませんでした。自分が失敗したと思ってしまったのです。
事前にS君に「ここはみんなを笑わせる場面だからね。みんなが笑ってくれたら大成功なんだよ」と伝えておくべきでした。
S君には申し訳ないことをしました。
これは私の失敗でした。
●音楽会の服装は、ちょっとオシャレに
さて、音楽会の服装のことでお伝えしたいことがあります。
音楽会はそれまで練習してきた成果を大勢の前で発表する日であり、子どもたちにとって晴れの舞台です。どの子も華やいだ誇らしい気持ちで臨みます。
ですから、いつもとまったく同じ服装ではさみしいですね。
やはり音楽会に相応しい服を着せてあげて欲しいと思います。
特に新しい服を買う必要はありませんが、家にあるものの中で晴れの舞台に相応しい服を選んであげてください。
その方が子どもの気持ちも盛り上がります。TPOを考えてその場にふさわしい服装で臨むことの大切さを教えることにもつながります。
もちろん、音楽会で特別な役があって大活躍する場合は、応援する気持ちを込めて買ってあげるというのもいいでしょう。
また、前々からよそ行きの服が欲しいと思っていたなら、これを機会に買ってあげるのもいいでしょう。
●緊張している子に掛ける言葉は…?
音楽会ではどの子もみんな緊張するのですが、特に1人で歌ったり演奏したりする場面がある子や台詞を言ったりする子たちはかなり緊張します。
登校前や出番前に、「あ~緊張する!」と言ってくるかも知れません。
言わないまでも、顔の表情に緊張が表れると思います。
そういうとき、大人は、
「だいじょうぶ。だいじょうぶ。がんばって」
「練習通りにやればいいんだよ」
「ぜったい上手にできるよ」
「お客さんはかぼちゃだと思えばいいんだよ」
「深呼吸すると落ち着くよ」
というように励ましたりアドバイスしたりすると思います。
もちろん、これはとても大切なことです。
でも、その前にぜひやって欲しいことがあります。
●「励ましやアドバイス」の前に、まず「共感」
それは、まず子どもの気持ちに共感してあげるということです。
例えば、次のように言ってあげるといいでしょう。
「緊張するよね~」
「こういうときって緊張するよね。ドキドキするよね」
「本番前って落ち着かないよね」
「緊張するよね。ママもピアノの発表会のときすごく緊張して、膝ががくがく震えたんだよ」
すると、子どもは「自分がどれだけ緊張しているかわかってもらえた」「自分の大変さがわかってもらえた」と感じることができます。
その後で励ましたりアドバイスしたりすると、子どもの心に届きやすくなります。
つまり、順番としては、まず「共感」、次に「励ましやアドバイス」ということになります。
「共感」がなくて、いきなり「励ましやアドバイス」だと、子どもは「自分はこんなに緊張して大変なのに、全然わかってもらえてない」と感じてしまいます。
すると、せっかくの励ましやアドバイスがイマイチ心に届かないこともあります。
これは音楽会だけでなく、運動会、受験、試合など、いろいろな場面で当てはまります。
もちろん、子どもだけでなく大人に対しても同じ順番で応じてあげましょう。
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