【親は横柄になりがち】子どもへの態度でその人の本性がわかる

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【親は横柄になりがち】子どもへの態度でその人の本性がわかる

子どもへの態度と大人への態度に違いはありませんか? 子どもを一人の立派な人間としてリスペクトし、親として恥ずかしくない態度で接することが大事だそうです。
教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

そのときのお父さんのひと言

これは、ただ今子育て真っ最中のEさんというママさんから聞いたお話です。
Eさんが小学1年生のときのできごとです。

ある日、Eさんはリビングで遊んでいたのですが、突然グシャッと何かを踏みつけてしまいました。

びっくりしてよく見ると、それはお父さんの眼鏡かサングラスで、片方のレンズが割れていました。

「しまった。どうしよう」と思っているうちに、すぐにお父さんが近寄ってきました。
当然、彼女は「ああ、怒られる」と思いました。

ところが、お父さんは「大丈夫か? ごめん、ごめん、お父さんがこんな所に置いたから」と言いました。

そして、続けて「足、大丈夫? 切れてない? どれ見せてごらん。だいじょうぶだね。ああ、よかった」と言いました。

Eさんをとがめるようなことはひと言も言わなかったそうです。

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人もうらやむ仲良し親子に

実は、Eさんのお父さんはそれまで5年間ほど単身赴任で海外に行っていて、一年に2,3回しか帰宅しないという生活が続いていました。

Eさんが小学校に入学した年に、その海外赴任も終わって、やっと一緒に生活できるようになったのです。

ですから、Eさんとしては、何となくお父さんに馴染めない気持ちを持っていました。
でも、このできごとをきっかけにお父さんのことが大好きになりました。

そして、人もうらやむ仲良しの親子になれたそうで、もちろん今もお父さんのことが大好きだそうです。

親は横柄な態度になりがち

とてもいい話ですね!

子どもに眼鏡を踏まれて割れてしまったという場合、親の多くは「何やってるんだ! 気をつけなきゃダメだろ」などと言ってしまいがちだと思います。

たとえ自分の置いたところが悪かったとしても、横柄な態度になってしまいがちです。

怒りに飲み込まれてしまって、「足、大丈夫?」という言葉は出ないかも知れません。
たとえ言えたとしても、ひとしきり怒った後になるのではないでしょうか?

まず最初に「足、大丈夫?」という言葉が出たお父さん、本当に素敵です。

大人同士ならまったく違ってくる

でも、もしこれが職場などで大人相手だったら、まず「足、大丈夫?」が出る人が多いのではないかと思います。

次のような会話が想像されます。

自分 「足、大丈夫?」
相手 「大丈夫です。それより、すみません、眼鏡を壊してしまって」
自分 「いや、いや、こっちこそ、ごめん。私がへんな所に置いたから。本当に足は大丈夫?」
相手 「眼鏡、弁償させてください」
自分 「いいよ、いいよ、こっちが悪いんだから。かえってごめん。心配しないで」

弱い相手への態度でその人の本性がわかる

大人相手と子ども相手で態度が違うのは、恥ずかしいことですね。
それは、弱い相手には強く出て強い相手にはへつらう、ということです。

子どもを一人の人間としてリスペクトしていれば、子どもにも横柄にならず人間的な対応ができるはずです。

子どもは大人の本性を映し出す鏡です。
自分でも気づいていない本性を映し出してくれます。
弱い相手への態度でその人の本性がわかるのです。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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