小宮雅子
幼育読書ネットワーク『友・斗ぴあ』(http://www.you-topia.net/)主宰。
読書・育児アドバイザー。
教材会社に勤務後、“心を育てる読み聞かせ”に関心を抱き、平成4年より読書推進運動を始める。平成7年、幼児と文学研究所横浜支部を結成。さらに、その裾野を広げるため、平成12年幼育読書ネットワーク『友・斗ぴあ』を結成。
絵本講座や講演を積極的に行い、子どもの成長に合わせた絵本選び、読み聞かせについてのアドバイスをしている。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
生活・しつけ
小学1年生 2014年7月30日の記事
こんにちは。『ママノート』編集部です。皆さんは、お子さんのために、どんな基準で絵本を選んであげていますか?
「字の少ない絵本より、字の多い絵本が良い」
「子どもが読みたい絵本だけ選べばいい」
それは、偏った選び方といえるかもしれません。
幼育読書ネットワーク『友・斗ぴあ』主宰・小宮雅子さんにお話を伺います。
●「字が多い絵本のほうが良い」は誤解!
小宮 「ある日、書店の絵本コーナーで見かけた親子のやりとりです。
小学校低学年ぐらいのお子さんが、絵本を手に取って、『ママ、この本おもしろいんだよ!』と言い、目を輝かせていました。すると、その子のお母さんは、『なにこれ。こんな字の少ない本、やめなさい』そう言い放ち、行ってしまったのです。
お子さんがせっかく興味を持っていたのに、もったいないな……と、私は心から思いました。小学生になったのだから、『字の多い絵本のほうが良い』と思われている方は、多いのではないでしょうか。でも、それは間違い。絵本選びで大切なのは、字の多い・少ないではなく、話の内容です。
例えば、私が読み聞かせ講座で20年以上使っている絵本に『じめんのうえとじめんのした』(作・絵:アーマE・ウェバー)があります。この絵本は、地面の上と地面の下の世界で生きる植物、動物の姿が描かれた、シンプルで文字の少ない内容です。でも、太陽や水や土が植物を育て、その植物を動物が食べ、そして動物を人間が食べ……という自然のしくみがわかります。
このように、文字の少ない絵本でも、小学生のお子さんに読んで欲しい良質な作品があるんですよ」
●お気に入りの絵本は近くに置いてあげて
小宮 「以前、『子どもに図書館で借りた絵本を1000冊、読み聞かせしてあげました』というお母さんがいました。でも、その子に『どの本が好きだった?』と聞いたら、あまり記憶にないと言うのです。
図書館を利用するのはもちろん良いことです。でも、図書館の絵本は、あくまでもみんなのもので、自分だけの絵本とは違います。子どもにとってお気に入りの絵本は、一緒にいると心が落ち着く“親友”のような存在。読みたいときに、すぐ読めるようにしてあげたいですね。
お子さんが繰り返し読みたがる絵本は、ぜひ購入して近くに置いてあげてください。
また、だからといって子どものお気に入りの絵本だけ選ぶと、乗り物のお話、動物のお話ばかり……など、ジャンルが偏ってしまいがちです。お母さんが何冊か絵本を読んでみて、“お子さんに今読ませたい絵本”を選んでください。
ご自身が子どもの頃に読んだ絵本もいいですね。『お母さんが小さいときに読んだ本なのよ』と言えば、きっとお子さんが興味を持つはずですよ」
●選ぶ絵本は子どもの気持ちをあらわします
小宮 「お気に入りの絵本、お子さんに読ませたい絵本は、リビングや子どもスペースなど、すぐ取り出せる場所に置くのがおすすめです。
不思議なもので、いろいろなジャンルの絵本を身近に置いておくと、子どもは今の気持ちに合った本をさっと取ります。それは、『疲れているから甘いものが食べたい』というような、食べたいものを選ぶときに似ています。
例えば、小学1年生の1学期には、赤ちゃんの頃によく読んでいた絵本を選ぶことが多いようです。もしかして、慣れない学校生活で疲れているのかもしれませんね。
また、悩んでいる子、泣いている子の絵本ばかり読んでいたら、何か悩み事を抱えているのかもしれません。
子どもにとって、家にある絵本は親友です。つらいことがあったら、なつかしい本、読んでいると心の落ち着く絵本のところに行きます。絵本を身近に置き、お子さんが今どんな絵本を自ら選んで読んでいるかも見てあげてください」
小宮さん、ありがとうございました。
子どもは、あっという間に大きくなってしまうもの。
親子一緒に絵本を読む、ぬくもりの時間を大切にしたいですね。
関連記事はこちら
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
小宮雅子
幼育読書ネットワーク『友・斗ぴあ』(http://www.you-topia.net/)主宰。
読書・育児アドバイザー。
教材会社に勤務後、“心を育てる読み聞かせ”に関心を抱き、平成4年より読書推進運動を始める。平成7年、幼児と文学研究所横浜支部を結成。さらに、その裾野を広げるため、平成12年幼育読書ネットワーク『友・斗ぴあ』を結成。
絵本講座や講演を積極的に行い、子どもの成長に合わせた絵本選び、読み聞かせについてのアドバイスをしている。
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。