末永 蒼生(すえなが たみお)
色彩心理研究家。『子どものアトリエ・アートランド』、『色彩学校』主宰。
アート&セラピー色彩心理協会会長。
美術活動のかたわら日本児童画研究会で子どもの絵の心理を研究し、1966年に『子どものアトリエ・アートランド』を開設。子どもの心を育てる自由表現の場を提供し、親に対しては絵を通しての子育てカウンセリングを行なっている。
著書:『答えは子どもの絵の中に』、『絵が伝える子どもの心とSOS』(講談社)など。
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生活・しつけ
年長 2014年11月11日の記事
前回は、子どもの絵の色彩やモチーフなどからわかる心の状態について教えていただきました。
今回は、絵を描くことのメリットについて、色彩心理研究家、『子どものアトリエ・アートランド』主宰の末永蒼生さんにお話を伺います。
●描いた絵から今興味のあるものがわかる
末永 「子どもの描く絵からは、うれしい成長を見ることもできるんですよ。
2~3歳の頃には点を描き、やがて点がつながって線を描くようになります。そして、丸い形を描くようになり、その中に点を描いて顔になり、4歳ごろからは、体を描くようになります。子どもが描く人物は、自分自身を描いているようなものです。
最初は自分だけを描いていたのが、お母さん、お父さん、兄弟、友だちなど、だんだん増えていきます。つまり、自分の周りに何を描くかで今どんなことに興味があるのかもわかるのです」
●絵を描くことでストレスが解消できる
末永 「子どもは幼稚園や小学校の集団生活でさまざまなことを経験し、大人が思う以上に疲れているものです。
絵を自由に描くことは、最高の心のケアです。絵で自由に感情表現ができるようになると精神的に安定するので集中力が増し、成績アップにもつながります。
私たちの『色彩学校』には保育士や小学校の養護教諭の方も子どもの絵の見方を学びにいらっしゃるのですが、『イライラしている子に絵を描いてもらったら落ち着いた』という声も聞きます。
お母さんが食事の準備をしているときなど、お子さんはどんなことをして遊んでいますか?
テレビやDVDを観たり、ゲームをしたりするのは手軽ですが、これはインプットする行為。絵を描いて感情をアウトプットすれば、心が晴れ晴れとしてスッキリします」
●表現する気持ちよさを知り、自信をつける
末永 「小学校に入ると、図工の授業で成績がつけられてしまい、小学2年生頃には『自分は絵が上手い、下手』と子ども自身が認識するようになってしまいます。
絵は、算数の問題ように正解・不正解がありません。本来、子どもの描いた絵に点数などつけようがないのです。だから、お子さんの図工や美術の成績を親御さんが気にしないようにしていただきたいのです。
そして、いいところを見つけて認めてあげれば、お子さんの自信にもつながります」
●自宅にホームアトリエを作ろう!
末永 「お子さんが自由に絵を描ける環境作りのために、子ども部屋や子どものおもちゃスペースに、アトリエコーナーを作ってはいかがでしょうか。
アトリエといっても、1畳ぐらいのスペースで充分です。ビニールシートを床や壁に貼れば、汚しても安心ですよ。
そこに、画用紙やクレヨン、色えんぴつなどの画材を置き、好きなときに思い切り創作できるようにします。お子さんがそのときどきで求める色を選べるように、クレヨンや色えんぴつは、20色以上あるといいですね。
また、『粘土遊び』もとてもおすすめです。粘土のやわらかな触感から、お母さんとスキンシップをとっているような満足感が得られるといわれています。
絵を描いたり、粘土遊びをしたりして自由に創作すると、不思議なもので子どもの心が安定して育児が楽になります。
私たちのアトリエでも、緊張した表情だった子が、絵を思い切り描いたあとはニコニコしています。時にはお母さんもお子さんと一緒に絵を描いて遊べば、ストレス解消と親子コミュニケーションの一石二鳥ですね」
絵を自由に描くことは、子どもだけではなく親にとってもストレス解消効果をもたらしてくれそうですね。末永さん、ありがとうございました。
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末永 蒼生(すえなが たみお)
色彩心理研究家。『子どものアトリエ・アートランド』、『色彩学校』主宰。
アート&セラピー色彩心理協会会長。
美術活動のかたわら日本児童画研究会で子どもの絵の心理を研究し、1966年に『子どものアトリエ・アートランド』を開設。子どもの心を育てる自由表現の場を提供し、親に対しては絵を通しての子育てカウンセリングを行なっている。
著書:『答えは子どもの絵の中に』、『絵が伝える子どもの心とSOS』(講談社)など。
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