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生活・しつけ
小学1年生 2014年11月19日の記事
イライラすると子どもをたたいてしまいます……[11/19]
《子育てのお悩み相談・後編》怒りの感情を無理に抑えず、体を動かしてイライラを鎮めましょう。
「子どもをたたいてはいけない」と頭では分かっているのに、イライラすると感情のコントロールがきかなくなってしまう……。そのような場合は、どうすればいいのでしょうか?「シャローム共育相談室」の“ぴっかりさん”こと萩原光さんにお話を伺います。
Q:怒りが抑えられず、子どもをたたいてしまうことがあります
疲れてイライラしていると、子どもをたたいてしまいます。
例えば「おもちゃの片付けをしなさい!」と言っても子どもが全く動こうとしなかったときなどです。
「たたくほどのことではない」と頭では分かっています。
子どもをたたいた後はすぐに自己嫌悪に陥るのですが、自分の感情をコントロールできません……。どうすればいいでしょうか?
A:怒りの感情のコントロールは難しい
ぴっかり 「子育ては、子どもの気持ちをどう受け止めるかよりも、お母さん自身の気持ちのコントロールのほうが難しいものです。
いつでも気持ちが落ち着いてゆったりしていれば、子育てで深く悩むことはないですよね。実際に多くのお母さんたちがストレスを抱え、怒りの感情のコントロールができないことに悩んでいます。
怒りの自己コントロールが難しいわけは、怒りを我慢しようとすると、第2、第3の怒りが生まれるからです。『片付けをしろ!』という第1の怒りを抑えようとすると、『ヤバイ! 私は怒ってしまっている!』という、怒っている自分に対する怒りが生まれます。また、『ママは笑顔でいたいのに、なんで私を怒らせるの!』という、お子さんに対する新たな第3の怒りも生まれてしまうのです」
●体感によって、怒りを鎮める
ぴっかり 「『怒りを抑えよう』と考えると、余計にイライラしてしまいます。ところが、怒りはそのままにして、体感を味わってみると、怒りが自然に鎮まりやすいのです。もしもイライラして子どもをたたきそうになったら、次の3つのうちどれかを試してみてください。
●ゆっくりと10回深呼吸をする
●シャワーを浴びて気分転換する
●子どもを抱きしめて10数える
これらは、呼吸を胸で感じる、シャワーの湯を肌で感じる、抱きしめて子どもの体の感触を感じる……というように、体を使うことで怒りの気持ちを逸らすことができる方法です」
●怒りの裏に悲しみ、寂しさが隠れているのかも
ぴっかり 「それでも怒りが収まらなかったら、『なぜ自分はイライラしているのか?』を、自分自身に問いかけてみてください。
静かなところに行って目を閉じ、思いを巡らせてみます。子どもをたたいて叱った後に自己嫌悪に陥るということは、“八つ当たり”だったということ。もしかして、子どもではなくご主人や親に対してぶつけたい怒りなのかもしれません。
怒りの感情の根っこには、『悲しみ』『寂しさ』が見つかることがあります。
以前、私の子育て相談にいらしたお母さんがこんなことを言っていました。
『主人はグチを聞いてくれるのですが、グチを言うと止まらなくなるんです。気持ちがスッキリしなくて……』。
私はそれを聞いて、きっと心の奥で『寂しさ』を抱えられているのではないかと考え、『本当は寂しい』とご主人に本音を伝えてみるようにアドバイスしました。この方は、ご主人に抱きしめてもらい『よくやっているね』と認めてもらうことで、イライラする気持ちがスッキリしたそうです。
このようにイライラして子どもに当たってしまうことの根っこには、悲しみ、寂しさがあるのかもしれません。その根っこの原因を突き止めて心を癒せば、感情的になって子どもをたたいてしまうこともなくなるはずです」
大人になると、自分の悲しみの感情をさらけ出せなくなるもの。その『悲しみ』を『怒り』に変えてしまうこともあるのですね。
ぴっかりさん、ありがとうございました。
プロフィール
1956年生まれ。早稲田大学卒。公立小学校で13年間教師を務めた後、「シャローム共育相談室」を立ち上げ、多くの親子の立ち直りを援助している。
また、著作や講演活動なども精力的に行なっている。主な著書に『心を抱きしめると子育てが変わる』(主婦の友社)など。
サイト紹介:
『ぴっかりさんの子育て相談室』
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