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小学1年生 2018年11月22日の記事

小4の「保健」で何を習う? 家庭でやるべき「性教育」とは

 

 

4年生になると始まる「保健」の授業。少し先の話ですが、今どきの小学校ではどのような内容を学ぶのか、気になりますよね。また、家庭ではどんなフォローをすればいいのでしょうか。前編に引き続き、新宿区立花園小学校の養護教諭である玉置玲奈先生にお聞きしました。

 

 

●保健の授業では、体の内外の変化を学ぶ

 

前編では、4年生になると保健の授業が始まるというお話がありました。その授業ではいったいどんなことを学ぶのかが気になります。

 

「小4の保健の授業では、『この年頃になると脳から大人になりなさいという指令が出て、体が大人になる準備をし始める』という話をします。1つ目は体つきの変化。個人差はあるものの、身長が伸びたり、体毛が生えてきたり、女子は丸みを帯びた体つき、男子はがっしりとした体つきに変化していくことを学びます」(玉置先生)

 

2つ目は、体の内側の変化について。いわゆる初潮や精通についての解説です。

 

「体つきの変化にともない、体の中の見えない部分にも変化が訪れると説明します。女子は生理が始まると、月に一度、性器から血が出る仕組みになっていること。男子は精通があり、眠っているあいだに性器から白い液が出るという経験で迎える場合もあること。そしてどちらも個人差があるものの、怖いことではなく、だれにでも起こることなのだと伝えます」(同)

 

さらに3つ目として、異性への関心が芽生えるといった心の変化についても教えるそう。これらが小4前後にすべて起きると考えると、この頃の子どもの戸惑いは想像に難くありません。どうすればうまくフォローできるのでしょうか。

 

 

●子どもの性の目覚めに保護者はどう対応する?

 

保護者は、この時期の子どもの変化にどう寄り添えばいいのでしょう。特に女子は、学校や外出時など、いつどこで初潮を迎えるかわからないですよね。

 

「そうですね。保健の授業や、発育が早い子なら背が伸びて体が丸みを帯びてきたことをきっかけに、折を見て生理について説明してあげてください。初潮の前には、こういった前兆があるからです。女の子が大人になるための体の変化であること、性器から血が出てくるからショーツにナプキンをつけて受け止めること、怖がらなくていいし、困ったら相談してほしいことなどを伝えるといいと思います。

 

男子の場合、夢精というかたちで精通を迎える子もいます。保護者の方は洗濯物で気づくかもしれませんね」(同)

 

自慰行為を始めるのはいつ頃なのでしょう? 目撃してしまったらどう反応すべきですか?

 

「男女ともに、自慰行為自体は幼児期にもあります。ただ、生殖機能が未成熟なうちは成人のそれとは異なり、安心を求めたり、なんとなく気持ちよくなったりするための行為。他の遊びに誘って気をそらしたり、『悪いことではないけれど、人前では大事なところを触らないんだよ』『汚れた手で触ると赤くなったり痛くなったりしてよくないよ』と冷静に説明してください。

 

いわゆるマスターベーションに変化するのは、小学校高学年から中学生のころ。保護者の方がもし目撃してしまったら、過剰反応せずにスルーが一番。健全なことですから、責めたり恥ずかしがったりしないようにしてくださいね」(同)

 

なお、保健の授業ではマスターベーションについては取り上げることはないそう。学校での説明がないだけに、悪いことではないと伝えられるよう、保護者はより配慮したいものですね。

 

 

●保護者は子どもの態度に応じた寄り添い方を

 

最後に、思春期以降の子どもと性について話す際のコツを教えてください。

 

「女の子には生理について話す必要がありますが、それ以外は男女ともに子どもの態度に応じて考えればいいと思います。例えば、子どもが大っぴらに聞いてきたならば、保護者も大っぴらに話せばいい。子どもがなんとなく困っている様子だったり、聞きにくそうにしていたりするならば、絵本や本などをそっと本棚に置いてあげる方法もあります。

 

性について書かれた絵本や本は何冊もありますから、まずは保護者の方が読んでみて、教えたいなと思える内容のものを使ってください。女子の生理については女親のほうが話しやすいように、男子の精通については男親のほうが話しやすいかもしれません」(同)

 

話をする際、保護者自身の参考になる書籍としては、『子どもの性教育 Q&A』(北沢杏子著、今井弓子絵/アーニ出版)を教えてくださいました。玉置先生も授業の参考にしている書籍だそう。

 

「どちらにしても、この頃の子どもは体の変化について『怖い』という不安を抱いているもの。くれぐれも恥ずかしがったり、冷やかしたり、怒ったりせず、子どもの気持ちを受け止めてあげてくださいね」(同)

 

前編でも、保護者が恥ずかしがったりすると、子どもが『恥ずかしいものなんだ』と記憶してしまうという話がありました。自分自身の体に起きたことが恥ずべきだと子どもに思わせるなんて、悲しいこと。保護者は前もって知識をつけ、子どもが自身の成長を受け止めるサポートをしたいものです。

 

(取材・執筆:有馬ゆえ)

 

 


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