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学校・まなび
小学1年生 2018年10月16日の記事
2020年度から変わる小学校授業。家庭で必要な対応とは?【前編】
2020年度から施行される新しい学習指導要領では、3・4年生で英語の授業が必修になったり、タブレットやコンピュータを使った新しい授業の方法が導入されてくるそうです。新しい授業ではどのようなことが行われ、どういう力が重視されるのか、気になるところ。現役小学校教諭の舟山由美子先生に伺います。
●3・4年生で週に1時間、英語の授業が行われるように
2020年度から大きく変わる小学校の授業。なかでも3・4年生で「外国語活動(英語)」が始まるということは、トピックスとしてご存じの方も多いのではないでしょうか。
そもそも公立小学校での英語の授業については、すでに5・6年生で2008年度から「外国語活動」として始まっており、2011年度には「必修化」されて現在に至ります。移行期間として、すでに2018年度から5・6年生での「教科化」が導入されていたり、自治体によっては、3・4年生だけでなく1年生から週に1時間、英語の時間を取り入れていたりと、現時点では、様々な取り組みが行われているようです。
「2020年度からの新学習指導要領では、5・6年生は週に2時間、3・4年生は週に1時間の『外国語』の時間が取り入れられるようになります。特に5・6年生は、これまで必修ではあっても『教科』ではなかったので、成績はつきませんでしたが、新学習指導要領では教科になるため、国語や算数と同じように規定の教科書を使い、成績評価の対象になります」(舟山先生)
成績については、ほかの教科のように「できる」「できていない」とはっきり評価されるのではなく、どのような活動をして、その時どのような態度で取り組んでいたのかを表記することになるようです。
「早いうちから英語に親しむことで、将来的に、実際に英語を使ったコミュニケーションがスムーズにできるようになることが期待されています」(同)
●3・4年生は英語に「慣れ親しむ」活動が中心に
今の1年生が3年生になる年に、英語授業が完全必修化されるわけですが、具体的には、どういったことを学習するのでしょうか。
【3・4年生】
名称…「外国語活動」
目標…外国語に慣れ親しむ・外国語学習の素地を養う
授業内容…聞くこと・話すこと(言葉のやりとり・発表)
【5・6年生】
名称…「外国語科」
目標…聞く・読む・書く・話すの素地を養う
授業内容…聞くこと・話すこと(言葉のやりとり・発表)・読むこと・書くこと
3・4年生と5・6年生で、多少違いがあるようですが、最初のうちは、動物や色の名前、簡単な動詞(生活に密着した言葉。例えばeat、drink、sing、sleepなど)に触れることなどから始まるのだそう。単語の意味を解説したり、発音を意識したりということはなく、あくまで英語に慣れ親しむための活動が重視されます。すでに行われている英語の授業では、歌やゲームなどを取り入れているケースも多いようです。
「英単語をたくさん知っているなど、あらかじめ知識がたくさんあることよりも、異文化の言語に対して、積極的に学びに向かう態度が重視されます」と舟山先生。英語の授業が始まるからと、先取りしていろいろ教え込むよりも、まずは異文化に興味を持って、楽しく学ぶマインドを育てておくことが大切なようです。
「そのためには、異文化への知識や、それと比較するための日本語や日本語文化の理解が基盤になります。日頃から家庭で『いちごは英語ではストロベリーだけれど、バナナは英語でもバナナと言うね。カタカナで書いてあるのは、外国から来た言葉が多いんだよ』『カステラは、カタカナだけど英語じゃなくて、ポルトガルから来た言葉なんだって』『ハロウィーンは、お母さんが子どものころは、今みたいにやっていなかったよ。昔からあったのは、七夕かざりを作ったり、鬼のお面を作って節分の豆まきをしたことかな…』といった話をすることでも、外国語や異文化(多文化)に興味をもつ素地を養えるのだと思います」(同)
親子で楽しく会話しながら、子どもの興味を深めていけるといいですね。
次回は、同じく必修化される「プログラミング教育」についてのお話や、これからを見据えて家庭でやっておくとよいことなどについて、引き続き舟山先生に伺います。
(取材・執筆:坂本洋子)
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