丸山 絢子(まるやま じゅんこ)
プログラミングトイの専門店「ひらめきボックスcoporii(こぽり)」店長。
おもちゃコンサルタント。小学2年生の女の子と年中の男の子のママ。
ソフトバンクのエンジニアとして12年間勤務。2016年に退職し、世界中にある楽しいプログラミングトイを紹介するため「ひらめきボックス coporii」をオープンした。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
学校・まなび
年長 2017年5月23日の記事
ニュースや特集などで頻繁に目にする「プログラミング教育」。一体いつから、どんな内容でスタートされるのでしょうか。また、親として準備できることはあるのでしょうか? プログラミングトイの専門Webショップ「ひらめきボックスcoporii」を運営する丸山絢子さんに伺いました。さらに、私もプログラミングトイの体験会に、息子たち(7歳、3歳)と参加してきました。
プログラミングとは、コンピューターに指示を与えること。「この計算をしなさい」「こういうときにはこの表示をしなさい」という命令を、コンピューターにわかる言葉で記述していくのが一般的です。コンピューターを動かすあらゆるソフトは、プログラムによってできています。
お話を伺った丸山さんは、もともとエンジニア出身。子ども向けのプログラミング言語にも興味があり、iPadなどで使えるScratchJr(スクラッチジュニア)という子ども向けのプログラミングソフトを、子どもたちに教えるワークショップなども開催していたのだとか。
丸山さんは、どうして子どもにプログラミングを学んで欲しいと思っているのでしょうか。
「現代は紛れもなくコンピューター社会ですから、子どもたちにコンピューターのことを教えなくてはならないのは間違いないと思います。その際に、メールの送り方を教えるより、まず最初に『コンピューターがなぜ動くのか』がわかるプログラミング教育をしたほうが、子どもたちはコンピューター社会に馴染んで行けるのではないでしょうか。さらに、プログラミングのいいところは『面白い』ということ。頭で考えていたことが現実になったり、思い通りにできたりする楽しい体験を通して、コンピューター社会のことが自然と身についていくのだと思います」
2020年には、小学1年生からプログラミング教育が導入される見込みです。具体的には、まだ検討段階で、詳細ははっきりとは決まっていません。例えば、生活や技術といった、これまでの科目の中で使うことも検討されています。
そんな中、プログラミングを知らない親が、子どもをサポートするためにできることはあるのでしょうか。
「親子で少しずつ、遊び感覚で取り入れるのがよいと思います。なぜなら、子どもと一緒に親も自然と学べるから。また、最近はSNSなどのトラブルも問題になっていますが、小さいうちなら親の監視下でパソコンやタブレットを使わせることができます。その結果、SNSに対するリテラシーも自然と身についていくでしょう。例えば『作ったものをシェアしたい』『動画に撮って公開したい』という場合、親と一緒に考えられます」
小さいうちから取り入れるメリットは大いにありそうですね。小さい子どもと一緒に楽しめる「プログラミングトイ」も、たくさんあるそうです。
数多くあるプログラミングトイやアプリの中で、どれを選べばいいのか。子どもに合ったものを選ぶためには、体験会などで使ってみるのがおすすめなのだとか。そこで、4月末に行われた体験会の様子をレポート。子どもたちに人気のあったものを中心に紹介します。
いも虫のようなかわいい見た目。3歳から遊べるおもちゃです。矢印や音声のマークが描かれたパーツをブロックのように手でつなげると、つなげた順に右へ、左へと動いたり、音が鳴ったりします。「順番に処理する」というプログラミングの仕組みが直感的に理解できそう。iPadを利用するおもちゃが多い中、単体で遊べるのも注目ポイントです。3歳の息子をはじめ、小さな子どもが夢中になっていました。
ラジコンのように動かせるロボットは、特に男の子たちに人気。iPadのアプリで直感的に操作ができます。画面は英語ですが、プログラミングも可能。徐々にステップアップできるので、長く遊べそうです。
パソコンのソフトを使って簡単なプログラムを組むことで、ブロックを自由に動かせます。ブロックの他に、モーターやセンサーなども用意されています。当日は、センサーに手を近づけるとブロックが動く「自動ドア」が紹介されていました。プログラミングの内容はほんの数行と、子どもでも簡単に理解できます。丸山さんの説明を受け、実際にドアを動かせると、子どもたちも嬉しそう!
ソニーが開発したITガジェット「MESH」。「ボタンタグ」「LEDタグ」「動きタグ」など、さまざまな機能を持った「MESHタグ」を組み合わせ、「MESHアプリ」で簡単なプログラムを組むことで、生活に便利なさまざまな仕掛けを作れる道具です。例えば「人が通ると電気がつく」「鍵をかけ忘れると知らせてくれる」「ボタンを押すとLEDを点灯させる」といった内容を、iPadのアプリからプログラミングできます。必ずしも子ども用というわけではなく、大人でも工夫次第で実用的に使えます。
MESHアプリがわかりやすく、子どもが遊ぶのにもぴったり。「動きタグ」をひっくり返すと「LEDタグ」が点灯する、といった簡単な仕組みをつくっていた子もいました。
「ScratchJr(スクラッチジュニア)」はプログラミングトイではなく、子どもがプログラミングを楽しめるよう作られたiPadアプリ。あらかじめプログラミングを組んでおくことで、キャラクターを自動で動かしたり、簡単なゲームを作ったりできます。7歳の息子は、自宅で何度か遊んだことがあるため、体験会でもひとりで紙芝居のようなものを作っていました。iPadを持っていれば無料で使えます。
会場に来ていた方に参加した理由を聞くと「自分もよくわかっていないのに『ゲームやパソコンはダメ』と言ってしまうことに抵抗があり、体験会に来てみました」との声。また、7歳の息子は、家に帰ってからも「スクラッチやりたい」とプログラミングに夢中でした。私が簡単なインベーダーゲームのようなものを作って見せると、そこから自由にアレンジも。親自身が体験してみることで、自分が知らないゲームに熱中しているときほど心配に感じない、というのは新たな発見でした。
子ども同士で教え合ったり、母子が別の子どもに教えてもらったりして、大人も一緒に学んでいけばいい、という丸山さんの言葉が実証されたようでした。
(取材・執筆:栃尾江美)
関連記事はこちら
★「英語教育」「ICT授業」……大きく変わる小学校の授業《前編》
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
丸山 絢子(まるやま じゅんこ)
プログラミングトイの専門店「ひらめきボックスcoporii(こぽり)」店長。
おもちゃコンサルタント。小学2年生の女の子と年中の男の子のママ。
ソフトバンクのエンジニアとして12年間勤務。2016年に退職し、世界中にある楽しいプログラミングトイを紹介するため「ひらめきボックス coporii」をオープンした。
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。