1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
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著書多数。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年12月5日の記事
●叱ってもよくはならない
「うちの子は片付けができなくて困る」というお悩みをよく聞きますが、口で叱るだけでよくなるということは絶対にありません。
少しでも片付けやすくする工夫をしてあげるといいと思います。
私が家庭訪問したある和風の家で見た工夫を紹介します。
その家では和室の押し入れの襖が外してあり、押し入れの中には収納ボックスが整然と並んでいました。
収納ボックスにはもともと蓋がついていたのですが、その蓋も外してありました。
そして、それら全部にラベリングをしてありました。
例えば、粘土、ブロック、カード、ピカチュー、などです。
「その他」と書いてあるのもいくつかありました。
このラベリングはとても効果的で、子どもでも「粘土」と書いてあるところにブロックは入れにくいものです。
書いてないと何でもどんどん入れてしまい、訳がわからなくなってしまいます。
●襖をなくせば手間が省ける
私が「なぜ襖を取ってあるんですか?」と聞いたら、次のような回答でした。
襖があると収納ボックスが目に見えないので、片づけへの意欲が高まらない。
しかも、収納ボックスを探すために襖を開けなければならない。
襖を開けたところに収納ボックスがあるとは限らず、そこになければその襖を閉めて、また反対側の襖を開けなければならない。
収納ボックスを見つけて、その中に物を入れたら、また襖を閉めなければならない。
こういったことで、ひと手間ふた手間……、というように手間が増えて、片付けが苦手な子にとっては非常にめんどくさいことになる。
●子どもの立場に立った工夫が大切
お母さんが言うには、この工夫をしてからは子どもも片付けがしやすくなったようで、がみがみ叱る回数が減ったそうです。
もちろん、見た目から言えば襖があった方がいいのです。
でも、そちらは目をつむって、子どもの片付けやすさの方を重視するようにしたそうです。
できるだけ、手間を減らしてワンタッチ収納に近づける工夫が大事ですね。
このような、子どもの立場に立った工夫があるのとないのとではかなり違ってくると思います。
それまで10分かかっていた片づけが、ちょっとした工夫によって5分でできるようになるかも知れません。
それによって片付けがしやすくなれば、今まで片付けで叱っていたのが、反対に片付けでほめられるようになるかも知れません。
●万事において、叱る前にひと工夫を
私の経験ですと、「片付けができない」と嘆いている割には、親ができることをしていない例が多いです。
嘆いたり叱ったりしている暇があったら、少しでも合理的な工夫をして、片付けやすくしてあげてください。
片付けだけでなく、他のことについても、そのようにお願いします。
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