1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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学校・まなび
小学1年生 2016年9月26日の記事
●とにかく取りかかりが大変
あすかさん(仮名)は小学3年生の男の子のお母さんです。
子どもに問題集をやらせているのですが、本人は遊びに夢中でなかなかやってくれません。
取りかかってしまえばけっこうやれるのですが、とにかく取りかかるまでが大変で時間がかかります。
目の前に問題集を開いたまま取りかからず、一時間近くぼうっとしていることもあります。
それで、毎日がみがみ叱っていました。
あるとき、あすかさんは私のコラムを読んで、「簡単な問題でウォーミングアップ」という方法を試してみたそうです。
●付箋紙にウォーミングアップ問題を書いて貼る
やり方は、まず大判の付箋紙に簡単な問題を書き、それをその日やるページの一番上に貼っておくだけです。
簡単な問題とは、足し算、引き算、九九などを5問くらいです。
8×2 5×3 6×8 6×7 9×7
さすがにこの程度だと取りかかりの抵抗が少ないようで、子どももさっと取り組めるそうです。
すると、ありがたいことに、それでエンジンがかかって問題集にも取りかかりやすくなったそうです。
●リトルサクセスで脳の線条体が活性化。やる気スイッチがオンに
脳科学によると、このちょっとしたウォーミングアップがけっこう効果があるそうです。
脳の中には線条体という部位があって、ここがやる気を司っているそうです。
リトルサクセスでちょっとした達成感を味わうと、この線条体が活性化してやる気が高まると言われています。
つまり、あすかさんの子どもも、簡単な問題をやり終えることでちょっとした達成感が味わえてやる気スイッチがオンになったのです。
●なぞなぞや手づくり問題でウォーミングアップ
あすかさんは、最近は子どものリクエストで「なぞなぞ」を書いておくこともありますが、これもすぐに答えが出る簡単なものにしているそうです。
難しくて時間がかかってしまうと、勉強へのウォーミングアップという趣旨から離れてしまいますから。
また、ときには、次のような手作りの文章問題を書いておくこともあります。
ひい君は9さいです。
まいちゃんはひい君より3才年下です。
かい君はまいちゃんより2才年下です。
かい君は何才でしょう?
もちろん、これも難しすぎるのはよくないですね。
コツは、文章問題の中に自分、家族、友達の名前を入れることで、たったこれだけで子どもは喜んで取りかかります。
知っている名前が出てくるだけで、自然に興味がわき、内容もイメージしやすくなるのです。
●取りかかりのハードルを下げる工夫が大切
さて、子どもが勉強や宿題をやらないと言って嘆いている親御さんは非常に多いです。
大人の仕事でもそうですが、取りかかってしまえばエンジンがかかるのですが、とにかく一番難しいのは勉強や宿題に取りかかることです。
ですから、今回のように、取りかかりのハードルを下げる工夫が大切ですね。
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