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学校・まなび
小学1年生 2016年11月17日の記事
★季節を問わず気をつけたい感染症[2016/11/17]
《いま、学校は〜現役教員舟山先生の小学校最新事情 第4回》予防には、日ごろの規則正しい生活も大切です
こんにちは、現役小学校教員の舟山由美子です。
今回は感染症について取り上げます。
学校に感染症の流行はつきもの。とはいえ、年に何度も学級(学年・学校)閉鎖になるような事態になるのは避けたいものです。急に寒くなるこの時期は、インフルエンザが流行し始めるため、特に注意が必要です。
●学校での予防接種がなくなったのはなぜ?
今年は、各地でインフルエンザが例年より早く流行しているという情報を耳にします。
感染症の予防対策として、まず挙げられるのが予防接種。私が教員になった頃は、インフルエンザだけでなくBCGツベルクリン・日本脳炎・破傷風などの予防接種も学校で実施していました。今から17〜18年くらい前のことだと記憶しています。
お父さんやお母さん方の中には、学校でインフルエンザの予防接種を受けた記憶のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
接種を行わなくなった理由はいろいろあるようですが、注射器を用いた医療行為なので、学校という場所ではなく、医療機関において、保護者の任意による接種になったと聞いています。さまざまな責任の所在を明確にする意味もあったようです。
●夏場でも発症するようになったインフルエンザ
昔はインフルエンザというと「冬場」というイメージがありましたが、新型インフルエンザなどは夏場でも発症します。
ですから、秋の音楽会や学芸会・学習発表会などの大きな行事が行われる時期は、新型インフルエンザや、流行性嘔吐下痢症(ノロウイルス)が流行しませんように、と祈っています。
そうした感染症に罹患すると、たくさんの児童が練習に参加できないだけでなく、会場に大勢の人が集まるため集団感染の危険性も出てきて、行事そのものが中止になってしまうからです。
流行が広がって1クラスの欠席人数が多くなった場合は、学級閉鎖の措置がとられます。学級閉鎖になる基準は様々で明確ではありませんが、だいたい欠席の割合が全体の1/3以上になった場合としている学校が多いようです。
学級閉鎖が実施されると、特に共働きの家庭の方が困られるのではないかと思います。また、あまり多くはありませんが、学級閉鎖が何度も実施されると授業が進まなくなってしまうので、担任としても頭の痛いところです。
感染症はインフルエンザだけでなく、皆さんもよくご存知のはしかや流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風しん、水ぼうそう、咽頭結膜熱(プール熱)、百日咳、などがあります。
これらの疾患は、文部科学省が定める「学校で予防すべき感染症第2種」です。出席停止扱いになります。期間は病気によって異なりますが、例えばインフルエンザなら、「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」は学校に来てはいけないようになっています。
通知表では、「出席停止」は欠席欄には記載されず、「忌引」や「学級閉鎖」などと同様の欄に書かれます。ただし通知表には、「出席停止」扱いの日数は、それぞれの学校で1年間に決められた「出席日数」から引かれて記載されます。
もっとも、はしかや流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風しん、水ぼうそうなどは、乳幼児期に予防接種を受けている子がほとんどなので、流行することは、まずありません。
ただ、少し前に、高校生のはしか流行の記事がありましたが、これは任意接種に切り替わった時期に予防接種を受けなかった子どもたちが、成長後、感染症にかかったためにおこった流行のようです。
はしか以外にも、ある一定の年代で予防接種を受けていない人が存在する感染症もあるとのこと。その当時の子どもたちは、今、学校に通っている子の親御さんくらいの世代なのではないでしょうか。
感染症は子どもだけの問題と考えず、一度、家族全員で予防接種歴を確認されてみてはいかがでしょう。
●流行する感染症の種類も多様に
最近、児童の「感染症」としてよく耳にするようになったのが、マイコプラズマ肺炎・溶連菌感染症・伝染性紅斑(りんご病)・流行性嘔吐下痢症(ノロウイルス)・ヘルパンギーナなどです。
これらの病気は、「学校で予防すべき感染症第3種」で、「条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる」とされている感染症です。なお、感染症の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
衛生管理が進んだ現代でも、多くの子どもが集まる学校という場で、感染症の流行を完全に防ぐことは難しいものです。
手洗いやうがいはもちろん、日ごろから食事をきちんと摂り、睡眠をたっぷりとることも感染症予防には重要なことです。毎日元気に登校できるよう、規則正しい生活リズムを送ることを心がけていただければと思います。
舟山先生の連載はこちら
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