細部千晴
細部小児科クリニック院長。
日本小児科学会小児科専門医。子どもの心の相談医。
地域医療と子育て支援に力を入れ、乳児健診・予防接種・育児相談以外に思春期外来を設けている。
著書に『イラスト・マンガで育児の悩みをラクにするBOOK』(成美堂出版)、監修本に『この1冊で安心 はじめての育児辞典』(朝日新聞出版)がある。
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生活・しつけ
年長 2017年1月12日の記事
冬場に流行する感染症の1つに、“ノロウイルス”による感染性胃腸炎があります。
特に、小さなお子さんは大人と比べて抵抗力が弱いので注意が必要です。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状、家庭でできる予防法について、細部小児科クリニック院長 細部(ほそべ)千晴先生にお話を伺いました。
●ノロウイルスに感染したときの症状は?
細部 「ノロウイルスの潜伏期間(感染から発症までの時間)は、24~48時間といわれています。
主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱する場合もあります。これらの症状が1~2日続き、だんだん回復していきます。(ノロウイルスに感染していても、症状が出ないケースもある)
小さな子どもは、吐き気や腹痛があっても、不調をうまく言葉で説明できないことがあります。
普段から『おなかが痛いときは、ママに言ってね』『バナナみたいなのがいいウンチだよ。いつもと違うウンチが出たら言ってね』とお子さんに声をかけ、症状のサインが出たらすぐにケアできるようにしましょう。
感染性胃腸炎による嘔吐や下痢は、体内のウイルスを排出するための防御作用なので、自己判断して下痢止め薬を飲んでしまうと回復が遅れてしまう場合があります。
お子さんが嘔吐や下痢を繰り返していて心配な場合は、医師に相談をしてください」
●ノロウイルスの主な感染経路は?
細部 「ノロウイルスが口の中に入ったり、ウイルスを含む空気を吸い込んだりすることで感染します。
例えば、ノロウイルスに汚染された食べ物(二枚貝など)を生で食べたり、中心部までしっかり加熱しないで食べるたりすることです。
多くのウイルスは熱に弱いため、食材を加熱するときは中まで充分に火を通してください。
また、調理でウイルスに汚染された食材をさわったり、調理道具(まな板、包丁、はし、ふきん、食器、ボウルなど)にウイルスが付着したりして感染することもあります。
使った調理道具に熱湯をかけたり、キッチン用漂白剤を使ったりして消毒をしましょう。
そして、ノロウイルス感染者の吐物や便にはたくさんのウイルスが含まれているので、直接さわらないようにすることも大切です」
●ノロウイルス感染予防のためにできること
細部 「手にノロウイルスが付着していると、口にふれたときに感染する可能性があります。感染予防のために、冬場は家族で手洗いを習慣化しましょう。
手洗いをするタイミングは……
・帰宅後
・トイレの後
・調理の前後、食材にさわった後
・食事の前
・感染者の汚物(吐物、便)を処理した後
・赤ちゃんのオムツを交換した後 など
ウイルスを落とす手洗いのポイントは……
・石けんをしっかり泡立てる
・爪の間、指の間、手首なども洗い残しがないようにする
・流水でしっかり洗い流す
・ハンドタオルを家族で使い回さず、使い捨てのペーパータオルで手を拭く
また、手洗いの回数が多いと手がガサガサと乾燥しやすくなるので、ワセリンを含むハンドクリームなどで保湿を忘れずに。普段の手洗いは、石けんを使わずに20秒ほど、流水で洗う程度でもOKです」
次回に続きます。
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細部千晴
細部小児科クリニック院長。
日本小児科学会小児科専門医。子どもの心の相談医。
地域医療と子育て支援に力を入れ、乳児健診・予防接種・育児相談以外に思春期外来を設けている。
著書に『イラスト・マンガで育児の悩みをラクにするBOOK』(成美堂出版)、監修本に『この1冊で安心 はじめての育児辞典』(朝日新聞出版)がある。
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