田宮由美
子ども能力開花くらぶ『ちゅーりっぷ ふれんず』代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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学校・まなび
小学1年生 2016年5月10日の記事
子どもが宿題に取りかかりやすくするために、家庭ではどのような工夫ができるのでしょうか?
子育て支援士の田宮由美さんにお話をうかがいました。
●命令する声かけは避けて
田宮 「子どもがなかなか宿題に取りかからないのが気になり、
『宿題しなさい!』
『早くやりなさい!』
などと命令口調で注意してしまうことはないでしょうか。
子どもは『無理やりやらされる』気持ちになり、やる気がわかなくなってしまいます。
子どもは学校での生活で、親が思う以上に体力的にも精神的にも疲れているものです。大人でも、疲れて帰ってきてすぐに『早く○○しなさい!』と急かされたり、命令口調で指示をされたりしたらイヤな気持ちになり、やる気が低下しますよね。
次の6つの方法を参考に、子どもが宿題に取りかかりやすくなる工夫をしてみてください。
【1】ベストなタイミングを親子で相談して決める
宿題に取りかかりやすいタイミングは、その子によってさまざまです。
例えば、帰宅後一気に済ませてしまいたい子もいれば、おやつを食べてホッとひと息ついてからが取り組みやすい子もいるでしょう。友達と遊んでから、夕食の前、入浴後など子どもの性格や予定に合わせて、最も取りかかりやすいと感じるタイミングではじめれば良いと思います。習い事や見たいテレビ番組も考慮し、親子で相談して決めると良いでしょう。
【2】リビング学習? 個室学習? 宿題がはかどる学習場所を考える
子どもの性格や家族の状況によって、リビング学習、子ども部屋など個室での学習のどちらが合うかは異なります。
お母さんの目が届くリビングで宿題をした方が取りかかりやすいタイプの子や、個室で自分のペースに合わせ宿題をした方が取りかかりやすいタイプの子もいます。
リビングで弟や妹がいつも遊んで騒いでいたり、家族がテレビを観ていたりする環境だと個室の方が取りかかりやすいかもしれませんね。ただ個室でする場合、小学校の間は、ときどき親御さんが様子をのぞきに行ってあげた方が良いでしょう。
子どもの宿題への取りかかりが、なかなか定着しないと感じたら、家庭学習の場所を見直してみるのもひとつの方法です。
【3】今日の宿題セットを目のつく場所に出しておく
ベストなタイミングを決めたにも関わらず、その時間になっても宿題をしないようでしたら、リビングのテーブルなど目立つ場所に“今日の宿題セット”(ノートやプリントなど)を置いておきましょう。
そのとき、『早く終わらせておかないと、眠くなるんじゃない?』『何時から宿題する予定だった?』など、子どもが自分で取りかかるタイミングを考えられるように親はサポートしてあげられるといいですね。
【4】やり直させたり先回りして注意したりしないようにする
『もっとていねいに書きなさい』『ここ、間違ってるからやり直しなさい』など、子どもが一度した宿題をやり直させるような注意は、今後の宿題への取り組みにマイナスになります。以前、子どもの書いた文字が雑だからと、消しゴムで全て消してしまったお母さんがいました。その子は、自分のことを否定された気持ちになり、その後、親に宿題を見せないようになったそうです。
もし雑に文字を書いていたり、宿題を忘れたりして、先生に注意されるようなことがあれば、それはそれで失敗を経験させるのも学習です。
失敗させないように親が何でも先回りして手助けすることは、子どもの自立を妨げます。
先生に注意されれば、子どもは宿題への取りかかりも含め、次回からどのようにすればよいか、自ら考えるでしょう。自分で考えたことは、行動にも起こしやすいものです。
【5】「アイメッセージ」で声かけする
自分(アイ)を主語にした言い方をアイ(I)メッセージといいます。
例えば、『お母さん、○○(子どもの名前)がまだ宿題できていないのが心配だな』という言い方で気持ちを伝えることができます。
また、『お母さん、○○(子どもの名前)が宿題できたからうれしいな!』と大げさに喜んだり、ほめたりしてください。大好きなお母さんにほめてもられると子どもはうれしくなり、次もがんばろうと思えます。
【6】カレンダーでがんばりを“見える化”する
例えば、宿題ができたらマンスリーカレンダーに花マルをつけたり、ごほうびシールを貼ったりというように、達成度が見えるようにすると、子どものやる気アップになり、自ら宿題に取りかかろうとする気持ちにつながるでしょう」
わが子に合う宿題への取り組み方を見つけることが大切なのですね。
田宮さんありがとうございました。
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田宮由美
子ども能力開花くらぶ『ちゅーりっぷ ふれんず』代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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