上田玲子(うえだ れいこ)
帝京科学大学こども学部幼児保育学科教授。専門は母性・小児栄養。離乳食や子どもの食生活に関する多くの著書を持つ。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
生活・しつけ
小学1年生 2016年7月4日の記事
小学生になると運動量も増え、これまで以上に食事の内容が大切になってきます。でも幼児期に比べると、何をどれだけ食べさせればいいか、意外に知らないという方も多いのでは? そこで、子どもの栄養や食行動について数多くの著書を持つ帝京科学大学の上田玲子先生に、1年生に必要な1日の栄養と食事の量をうかがいました。
●1年生に必要な食事の量は?
1年生の子どもは、どのくらい栄養が必要なのでしょう?
上田 「日本人の食事の摂取基準では、1日に摂取する必要があるエネルギー量は、身体活動レベルが「ふつう」の場合の6〜7歳の男の子で1550kcal、女の子で1450kcalです。同じ条件で30〜49歳の女性が2000 kcalですから、体の大きさから考えると、意外に多くのエネルギーが必要になるといえますね。
以下に1日に必要な食物の量と栄養、そして1日に必要な献立をご紹介します。献立例は、給食を除いているので、実際に作るときの食事の量の目安にしてください。
★6〜7歳児が1日に必要な食物の量と栄養
●主菜(たんぱく質源)
卵
卵1個
乳・乳製品
牛乳 コップ1杯
ヨーグルト 小鉢に1杯
魚介・肉・その他加工品
魚料理と肉料理 合わせて2皿
豆・豆製品
絹ごし豆腐 1/2丁弱
●主食(エネルギー源)
砂糖
砂糖 大さじ1強
油脂
油大さじ1強
穀類
ご飯 ご飯茶わんに軽く2杯
うどん(ゆで) 1玉
食パン 1枚
●副菜(ビタミン・ミネラル類)
くだもの
リンゴ 1/2個
芋
ジャガイモ 1個
野菜
緑黄色野菜120gと淡色野菜で計350g
★1日に必要な献立例(8〜9歳児の場合/昼の給食分を除く)
・朝食 ロールパン2個 スクランブルエッグ(卵、牛乳、シラス入り) 野菜サラダ(サニーレタス、トマト、赤と黄のピーマン、コーン) オレンジジュース
・昼食=給食
・間食 ホットケーキ、牛乳
・夕食 生姜焼き(豚肉、キャベツ、ミニトマト) ひじきの煮物(ひじき、油揚げ、ニンジン、こんにゃく) ダイコンとワカメのみそ汁(ダイコン、ワカメ、ネギ) 果物(リンゴ)」
食品や献立の量の目安がわかると、子どもの今の食事量が多いのか少ないのか、だいたいの見当がつきやすくなりますね。
●不足しがちな野菜とカルシウム
上田 「日本の小学生の栄養バランスはとてもよく、海外の先進国と比べてもトップクラスです。朝ご飯の欠食率は問題になっていますが、実は、世界的に見ても欠食率は低いほうで、お母さんたちはとても頑張っていると思います。
ただ、栄養素がまったく不足していないかというと、そうでもなくて、カルシウムやビタミンD、食物繊維や葉酸を多く含む野菜は不足傾向です。これは子どもに限らず、大人も同様です。
カルシウムについては、給食のある日は牛乳でかなりの量が摂れているので、帰宅後にヨーグルトやチーズを食べれば十分です。給食のない日は意識的にカルシウムが豊富な食物を取り入れるようにするといいでしょう。
野菜については、この時期特有の問題もあるので、次回にお話しします」
子どもの食については問題視されることが多かったので、褒められるとうれしいですね。
上田先生、ありがとうございました。
次回は、最近の小学生の食事や栄養の摂り方の傾向についてうかがいます。
関連記事はこちら
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
ツイッターもやっています!
上田玲子(うえだ れいこ)
帝京科学大学こども学部幼児保育学科教授。専門は母性・小児栄養。離乳食や子どもの食生活に関する多くの著書を持つ。
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。