小渕 あさこ
青葉台カウンセリングルーム 代表
臨床心理士
日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
スクールカウンセラーとして小・中・高校に勤め、横浜青葉台に女性のための心理カウンセリングルームを開業。
親子のためのアンガーマネジメントのセミナーやカウンセリングを中心に活動している。
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生活・しつけ
年長 2016年6月30日の記事
前回は、子育てで怒りがわく主な理由をお伝えしました。
今回は、イライラをしずめて問題を解決する方法について、臨床心理士の小渕あさこさんにお話を伺います。
●怒りで反射的な言動をしないために
小渕 「子育てで怒りに振り回されないようにするために、次の5つのステップを試してみてください。
【STEP1】イライラしたら6秒待つ
怒ってカーッとすると生理的反応で体が興奮し、反射的に言葉がきつくなることがあります。
6秒数え、怒りのピークが去るのを待ってください。
次のことをしてクールダウンしてもいいですね。
・子どもの近くから離れて別の部屋に行く
・大きく深呼吸をする
・飲み物を飲む
・数を数える(100から3つずつ引くなど、難しい方法で)
・ポジティブな魔法の言葉を唱える(「この子は大丈夫」「怒ることじゃない」「なんとかなる」など、1つの言葉を決めて、いつも使う)
また、子どもが激しく怒っているときは、親が何を言っても聞き入れられません。
そういうときは、
・背中を優しくトントンする
・ハグをする
・飲み物をあげる
などをして、落ち着かせてあげてください。
【STEP2】自分の一次感情、子どもの一次感情をそれぞれ考える
前回、怒りは二次感情で、前段階の一次感情(本当の気持ち)がイライラにつながるとお伝えしました。
この一次感情がわからないと、
『言うことを聞かない、悪い子だ』
『子どもを叱ってばかりで、私はダメなママだ』
などと、子どもや自分を否定してしまいます。
『甘えたいから、グズっているのかな』
『私、疲れているからイライラするのかな』
などと、自分や子どもの一次感情がわかれば、冷静に状況を判断できるようになります。
【STEP3】『すべき思考』をゆるめて言い換える
前回お伝えしたように、『すべき思考』が強すぎると、怒りっぽくなります。
これを緩めて、言い換えてみてください。
例えば……
『宿題は、帰ってすぐ済ませるべき』
→『宿題は、おやつを食べて休憩した後にすればいい』
『夕食前にオモチャを全部片付けるべき』
→『床に落ちているオモチャだけでも片付けさせよう』
などです。
【STEP4】『事実』と『思い込み』を分ける
子どもに対するイライラで、
『片付けをしないで、私を困らせようとしている』
『宿題を忘れたら、親が甘いと思われる』
というのは思い込みで、事実ではありません。
事実と思い込みを一緒にすると、怒りがどんどん増します。
『片付けをしない』『宿題をしない』という事実のみに焦点を当て、どんな工夫ができるか考えてみます。
【STEP5】ムダに怒らないための工夫をする
【STEP4】の問題になっている『事実』を解決するために、できることを考えてみます。
片付けをしないのであれば……
『大きな箱に、どんどん入れていこう』(片付けやすくする)
『ママと一緒に競争してみよう』(ゲーム感覚で楽しんで片付ける)
『床に物が落ちていないようにしよう』(どこまで片付ければいいか伝える)
宿題をしないのであれば……
『何時から宿題をはじめたい?』(子どもに考えさせる)
『宿題の道具を机に出しておこう』(取りかかりやすくする)
【STEP5】まで、すべてを実践しようと焦らなくても大丈夫です。
まずは【STEP1】の『6秒待つ』ことから試してみてください。
また、親御さんのカウンセリングでは、『何にイライラしているかわからない』という悩みも聞きます。次回は、自分の怒りのツボを知るための『アンガーログ』という方法をお伝えします」
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小渕 あさこ
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日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
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