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学校・まなび
小学1年生 2015年11月10日の記事
「交換」のトラブルが起きたときの対処法は?[11/10]
《どうする? 学校でのものの交換 後編》 トラブルが起きたら、まずは学校に報告を
前回は、子どもたちが学校で文房具などを交換していることがわかったとき、まずはどうすればよいかについて、臨床発達心理士であり、スクールカウンセラーの山崎浩一さんにうかがいました。今回は、トラブルが起きたときにどうすればよいかお聞きします。
●交換が禁止になったら、その理由を親子で話し合って
最初は友だち関係の確認でやっていたはずの「取り換えっこ」が、子どもが欲しくないものを無理に交換させられたなどのトラブルにつながってきたらどうすればいいですか?
山崎 「やはり、まずは学校に相談することが第一です。担任の先生やスクールカウンセラーなどに『ほかの子はどうでしょう』などと確認して、もしトラブルの報告があるようなら『では、学校で対応していただけますか』と伝えるとよいと思います。
その後の対応は、学校の方針によって違ってきます。すぐに交換や不要なものを学校に持ってくることを禁止する学校もあれば、子どもたちに聞き取りをしたり、ほかの学年での調査や職員会議などを経て対策を決定するところもあるでしょう。
ただ、最終的に学校で禁止になったとしても、トラブルの渦中にいなかった子どもなどは、今ひとつ納得していないこともあります。禁止が決まったらそれでおしまいにせず、どうしてそうなったのか、親子でぜひ話し合ってほしいと思います。大人にとっては『悪いことをやってはいけない』のは、当然のことなので、子どもに対しての説明を省いてしまいがちです。でも、それでは子どもはやってはいけない理由を理解しないままになってしまいます」
●親同士だけで解決せず、学校とも情報の共有を
学校で起きた交換のトラブルは学校に伝えるとして、帰宅してからの交友関係で起きた場合は親同士で解決したほうがいいですか?
山崎 「学校の友だちとの間で起きたことであれば、たとえ学校外のことであっても報告してほしいですね。ほかの学校の友だちに関わることになるかもしれませんし、学校の外でのトラブルなどの報告は、先生たちが一人ひとりの現状を把握するという意味でも、とても役立つものなのです。もし、その後学校でトラブルがあったとしても『もしかしたら、あれが伏線になっていたのかな』などと推察することができます。
また、これは交換のケースに限りませんが、子ども同士のトラブルが起きたとき、相手の子の親に直接言ったほうがいいかどうか迷う方もいると思います。この場合、まずは学校に相談することをおすすめします。親同士が直接話し合うと、『言った、言わない』ということになり、かえって問題がこじれてしまうこともあるからです。
よく、親同士が顔見知りなので、直接話して解決したということもあるようですが、そういう場合、親は『ごめんね、よく言って聞かせるから』『よくあることだから大丈夫』などと円満に解決できたとしても、実は子ども自身が納得していない可能性もあります。お母さんに『ほら、謝りなさい』なんて言われて、しぶしぶ謝ってはいても、子どもの側にも言い分があるかもしれません。
できれば親同士で解決した場合でも『うちの子たちにこういうことがありました。ほかに嫌な思いをする子がいるかもしれないので、学校で話題にしてもらえませんか』と、学校へ提案していただければと思います。話題にするというのは、子ども同士で話し合う機会を作るということで、子どもたち自身が自分で考え、納得するための方法のひとつです。
トラブルを外に出すのは、親としては気分がいいものではないでしょうが、学校側と情報を共有することで、後々のトラブル解決につながることもあります。ぜひ協力していただきたいですね」
子ども同士の問題である以上、子ども自身が納得することが大切ですね。
山崎先生、ありがとうございました。
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プロフィール
臨床発達心理士。教育相談オフィス「オフィス紫陽花」スタッフ。
「新しい学校適応支援相談員」を経て、現在、東京都スクールカウンセラーとして勤務中。
オフィス紫陽花HP
メール:office.ajisai@gmail.com