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生活・しつけ
年長 2013年5月22日の記事
☆子どもが嫌いな食べ物は子どもの気持ちになって克服
《さくらしんまち保育園の偏食解消のヒント4》 苦手なものでも「食べてみようかな」と思わせる小技をご紹介します。
偏食は無理やり矯正してはいけない、子どもの意思で「食べたい」と思わせる、というお話を、前回までにお聞きしてきました。
それを踏まえて、子どもの食の世界を広げるために、親はどのような援助ができるでしょうか?
引き続き、さくらしんまち保育園・園長の伊藤里美先生にお聞きしていきます。
●細かく分からなくして苦手なものを食べさせても『克服』はできない
「偏食解消で大人気。さくらしんまち保育園の給食レシピ」(メディアファクトリー)の中では、レシピをたくさん紹介されていますね。偏食を克服するヒントを教えてください。
伊藤 「嫌いなものをごまかして食べるのでは『嫌いな食べ物が食べられるようになった』ことにはならないという考えが基本です。
細かく刻んで混ぜるなど、分からないようにして苦手なものを食べさせても、それでは『苦手なものが食べられるように』はなりません。
ピーマンなら、ピーマンと分かって、それでも『食べてみようかな』と思って食べられた。
これではじめて『食べられた』といえます。
例えば、当園では、栽培した野菜を食べるということも行っています。
ミニトマトが苦手な子は、生温かくて、グチョっとしたミニトマトのイメージから苦手だという場合があります。
それを、みんなで栽培したミニトマトを収穫して、氷を入れたボウルに浸しておきます。
その冷えたミニトマトに少しだけ粉砂糖をかけて食べる。
すると、食べられます。
食べられたという自信から、次のときにも『食べてみようかな』と思えるかもしれません。
『食べてみたらおいしかった』という思いがあれば、苦手な食べ物は克服できるものです。
生野菜が食べられないという子も、大人のドレッシングに使われている穀物酢のにおいが、子どもには臭く感じられて……ということがあります。
そこで、当園のドレッシングはリンゴ酢などの果実酢を使うようにしています。
それですと、生野菜をモリモリ食べる子がたくさんいます。
大人が食べておいしいと思えるものを子どもに食べさせるのが基本ですが、そうした、ちょっとしたテクニックで子どもが食べるようになることはありますよ。
ぜひ、お子さんのために『おいしく作る』研究をしてみてください。
おいしく作るは『楽しく作る』につながり、『楽しく食べる』にもつながります」
●食べることは人生にも通じ、どういう子に育ってほしいかが表れます
小学校給食が始まる前に、偏食を直したほうがいいのかと考えるお母さんも多いようです。
伊藤 「それほどご心配なさらなくても、今は、小学校でも嫌いなものを食べさせたり残さず食べることを強制したりということはあまりないのではないでしょうか。
それに、偏食を直すより、『これは嫌いだから食べたくありません』、『このくらいの量しか食べられません』と、先生に対してきちんといえるその力こそが、生きる力には必要だと思います。
今食べられなくても、いつか食べられるかもしれない、そうした『回り道』や『飛び越し』は食事だけではなく、人生にもあります。
好き嫌いが多少あっても元気で自分の意見を堂々といえる子のほうが生きていくには強いと思います。
小さいうちから生きる力を育む、このことこそ大事に子育てしてほしいなあと思いますね」
伊藤先生、ありがとうございました。
食事は子どもの体調に関わることなので、親がしっかりしないと……とつい親主導になっていました。
毎食ではなく、もっと長いスパンで考えて、毎日の食事を子どもとぜひ楽しみたいと思います。
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