- トップページ >
- 学校・まなび >
- 親野智可等 連載コラム「ママも小学2年生」2回
学校・まなび
小学1年生 2014年4月9日の記事
親野智可等 連載コラム「ママも小学2年生」2回
第2回 新しい教科書を見て、ほんのちょっと準備しておこう(続き)
【小学2年生】の勉強や生活などその時期のトピックスを、親野先生が皆様に一足早くお知らせします!
前回、「新しい教科書の中身を見ておいて、生活や遊びの中で楽しみながらほんのちょっと準備しておきましょう」と書きました。今回はその続きです。
●「長さ」の勉強では単位が3つも出てくる
次は「長さ」の勉強です。
1年生のときにも「ながさくらべ」という勉強がありましたが、そのときは単位を使いませんでした。
2年生では長さの単位を勉強します。
まずは「cm」が出てきて、続いて「mm」「m」という順番で出てきます。
そして、実際に物差しで物の長さを測ってこれらの単位で表します。
消しゴムの長さが3cm7mm、本の縦の長さが21cm2mm、赤いテープの長さが1m15cmなどというように、いろいろな物の長さを測ります。
これだけならけっこう楽しいのですが、難しいのが単位の換算の勉強です。
1cm=10mm
1m=100cm
この2つは基本中の基本です。
それをもとに、
2cm7mm=「 」mm
128cm=「 」m「 」cm
などの問題を考えます。
この単位の換算が子どもたちはとても苦手です。
●長さの単位の換算や計算に備えるには?
ところが、さらに難しいのが次のような計算問題です。
13cm8mm+6cm7mm
14cm2mm-11cm3mm
これらは単位をcmかmmのどちらかにそろえて計算する必要があります。
繰り上がりや繰り下がりが必要な場合は、さらにわかりにくくなります。
では、これらの勉強に備えるにはどうしたらいいでしょうか?
まずは、実際に物差しや巻き尺で物の長さを測る経験をたくさんさせてあげて欲しいと思います。
そして、「このお菓子はあのお菓子より何センチ何ミリ長い?」などのクイズを出して計算させてみるといいと思います。
●「かさ」の勉強は非常に難しい
次は「かさ」の勉強です。
この勉強ははっきり言って非常に難しいです。
というのも、「L」「dL」「mL」という3つの単位が、子どもたちには極めてわかりにくいからです。
「長さ」の勉強と同じく、「かさ」でも単位の換算を勉強するのですが、「L」「dL」「mL」という3つの単位の関係がわかりにくいのです。
1L=10dL
1L=1000mL
この2つは基本中の基本です。
これを理解していただいた上で、私から問題を出させていただきます。
では、次の「 」には何が入るでしょうか?
1dL=「 」mL
・
・
・
はい、正解は
1dL=100mL
ですね。
いかがですか?わかりにくいでしょう?
「L」「dL」「mL」という3つの単位の換算は大人にも難しいのです。2年生の子どもたちにとってはかなりの難問です。
そして、この3つをもとにして次のような問題が出されます。
4L6dL+1L5dL
5L-2L6dL
●かさの単位の換算や計算に備えるには?
では、これらの勉強に備えるにはどうしたらいいでしょうか?
私がお勧めしているのはお風呂場に様々な容器を置いて、それで遊ぶことです。
たとえば、ペットボトル、ジュースパック、ヤクルトなどの容器です。
容器には、マジックでそれぞれの容量を、2L(2000mL)、500mL、2dL(200mL)、20mLなどと書いておきます。
そして、たとえば「2リットル(2000ミリリットル)のペットボトルの中に500ミリリットルのペットボトルの水は何杯分入ると思う?」などとクイズを出して考えさせてみましょう。
予想を言わせてから実際にやらせてみます。
ほかにも、「このバケツには何リットル入るかな?」「このコップには何デシリットル入るかな?」と予想させてから入れてみるとか、いろいろと楽しみながら単位に慣れていくといいでしょう。
「かさ当てゲーム」ということでやるといいでしょう。
慣れてくるとけっこう、近い数字が言えるようになります。
もう1つお勧めしたいのは、生活の中でこれらの単位を実際に使うことです。
たとえば、「猫にミルクを1デシリットルと50ミリリットルやっておいてね」とか「薬を飲むから水を200ミリリットル持ってきて」などです。
●量の勉強では体験が大切
前回書いた「時間と時刻」も、今回の「長さ」「かさ」も量に関する勉強です。
ですから、3つとも様々な単位が出てきます。
そして、その単位の換算や計算はかなり複雑で大変です。
1年生のときにもこの3つは勉強しているのですが、そのときの内容に比べてはるかに難しくなると言えます。
普通、2年生の算数では、足し算の筆算、引き算の筆算、九九(2年生の後半に学びます)が注目されます。
でも、難しさという点では、これら3つの量に関する勉強も決して引けを取らないのです。
ですから、生活や遊びの中で楽しみながら体験して慣れていくということを大切にしてあげてください。
●この時期に「小1の算数と国語」もおさらいしてみましょう