宮野孝一(みやの たかかず)
平成10年、みやのこどもクリニックを開業、院長に就任。医学博士、小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会専門医。地域の小児医療に務めながら、現在は昭和大学医学部兼任講師として後輩の指導にもあたる。『赤ちゃんと子どもの医学事典』(ナツメ社)、『てるてる天使の育児百科 ハッピー・ベビーケア』(学研)など監修書籍多数。
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小学1年生 2018年4月3日の記事
春の到来とともに、花粉の季節もやってきます。近年は花粉症の発症が低年齢化し、小学1年生で発症するケースも珍しくありません。そこで今回は、小児花粉症の原因と対策について、みやのこどもクリニック院長の宮野孝一先生にお話を伺います。
だいたい何月くらいから花粉症の症状が出だすのでしょうか。
「2月頃から始まる人が多いですね。花粉症はいろいろな花粉が作用していますが、スギの花粉が代表的です。スギ花粉は2月~4月ごろにかけて広範囲に飛散するので、この時期多くの人に花粉症の症状が出やすくなります。
また、秋口にもイネ科の植物やブタクサなどの雑草による花粉症がありますが、これらの花粉は狭い範囲に飛散するので、広範囲に影響することはありません」(宮野先生)
先生のクリニックでも、子どもの花粉症患者は増えていますか。
「かなり多いです。小さな子どもも増えていて、早い場合は、2、3歳で花粉症の症状が出ます。年々、低年齢化していると感じますね。現在6~10歳の子どもの約10%が花粉症といわれていて、その症状も昔よりひどくなってきています」(同)
花粉症が発症する理由には、どのようなことが考えられるのでしょうか。
「小さな頃からいろいろな場所に外出して、花粉を吸う機会が増えたことや、食生活、環境の変化などが背景にあるといえるでしょう。そして、大きな原因のひとつに、親御さんにアレルギーがあるケースが考えられます。両親のどちらか、もしくは2人ともが花粉症や喘息、アトピーなど何らかのアレルギー素因を持っている場合、子どもにも遺伝する可能性が濃厚だといえます」(同)
花粉症を発症しないために、何かできることがあれば教えてください。
「遺伝だからと諦めずに、小さい頃から花粉を吸わないような対策をとることをおすすめしています。
花粉の飛散が始まる2月初旬くらいからマスクをすることで、花粉を多く吸わないようにできます。ゴーグルなどを利用するのもいいですね。コンタクトをしているお子さんもいるかと思いますが、コンタクトを装着していると特殊な目薬が使えない場合もあるので、この時期はメガネの方がいいかもしれません。また、喉を湿らすこともポイントです。そうすることで、症状が出にくくなると考えられます」(同)
そのほかには、布団や洗濯物は家の中で干したり、家に入る前に上着などをよく払ったりして、できるだけ花粉を取り込まないように工夫することもおすすめだそうです。次回は、小児花粉症の症状と最新の治療法について、引き続き宮野先生に伺います。
(取材・執筆:水谷映美)
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宮野孝一(みやの たかかず)
平成10年、みやのこどもクリニックを開業、院長に就任。医学博士、小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会専門医。地域の小児医療に務めながら、現在は昭和大学医学部兼任講師として後輩の指導にもあたる。『赤ちゃんと子どもの医学事典』(ナツメ社)、『てるてる天使の育児百科 ハッピー・ベビーケア』(学研)など監修書籍多数。
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