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生活・しつけ
年長 2013年4月1日の記事
年長児に身につけさせたい “想像力” “ことばの力”
《就学前に身につけたいこと5》親子の楽しい絵本の読み聞かせが、“想像力”と“ことばの力”を伸ばし、思いやりの気持ちを育て
前回は、年長の時期に身につけたい “意欲的に学ぶ力” について千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生にうかがいました。
同じく年長の時期に身につけたい力として、横山先生は “想像力” と “ことばの力” を挙げてくださいました。
●想像力は、思いやりの気持ちを育てます
“想像力”とは、どのようなことが想像できる力になりますか?
横山 「想像力とは、『ここにごみを捨てたらどうなるかな?』、自分がこう言ったら、相手はどう思うかな?』というように、“実際に経験していないことを『こうではないか』と推し量ること” です。
『くまさんがやってきて、ビスケットをくれたの』というような、空想力とは異なります。
すでに知っていること(知識や経験)をもとにして未知のことに見当をつけられることが、想像力があるということです。
思いやりの気持ちも、この想像力から生まれるものです。
人を傷つけたり、びっくりするような行動をしたりするのは、多くは、この想像力の欠如によります。
思いやりのある人に育ってほしいと、願うのであれば幼児期に “想像力” を養いましょう。
想像力を養うのによいのが、絵本の読み聞かせです。
親子で絵本の世界に入り込み、旅をする気持ちで浸ってください。
年長児は、まだ自分で絵本は読めません。小学1年生でも、まだ難しいでしょう。
文字をひとつずつ読めることと、物語として味わうことは違います。ですから、お父さん・お母さんが隣で読んであげましょう。
この読み聞かせができるのも、せいぜいあと2,3年。読み聞かせは、親にとっても幸せな時間になるはずです。忙しい合間でも、夜寝る前などにほんの10分でも時間をつくってぜひ、親子で絵本を楽しみましょう」
●疑問形で聞いて、子どもにことばで伝える経験を
“ことばの力” を養うには、親はどのようなことをしたらよいでしょうか?
横山 「読み聞かせは、子どもの “ことばの力” も養います。
読んで、『この子、どう思ったのかな?』、『どうして泣いてるのかな?』などと、やりとりを楽しみましょう。
ただし、国語の聞き取りテストにならないように注意してくださいね。
日常生活でも、『何を見てきたの?』、『そのときどう思った?』と、親が疑問形で聞いてあげ、子どもに言葉で思いを伝える経験をたくさんさせます。
年長時期の子どもは、語彙がふえる喜びを感じています。
親が、子どもの気持ちをことばで引き出し、親もさまざまな表現の仕方を伝えましょう」
横山先生、ありがとうございました。絵本の読み聞かせは、子どもにとっても親にとってもよいものなのですね。
次回は、横山先生に「『○○ができる子』をめざす危険性」についてお話しいただきます。