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生活・しつけ

年長 2013年4月1日の記事

年長児に身につけさせたい “意欲的に学ぶ力”

《就学前に身につけたいこと4》自分を信じる力と、5感を使った生活が “学ぶ力” を育てます。

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前回は、年長の時期に身につけたい “人とかかわる力” について千葉経済大学短期大学部こども学科教授横山洋子先生にうかがいました。
 
今回は、年長の時期に身につけたい “意欲的に学ぶ力” について横山先生におうかがいします。
 
 
●子どもが伸びる鍵は、“有能感”が育っているかどうか
 
年長期の “意欲的に学ぶ力” とは、具体的にはどのようなものになりますか?
 
横山 「『年長児に身につけさせたい “自己肯定感” 』でもお話しましたが、『自分はできるんだ』という自分を信じる力、“有能感” がある子は、人(先生)の言ったことを素直に受けとめ、前向きに学ぼうとするため、グングン伸びます
 
劣等感がある子は、その反対で伸びません。
 
また、“有能感” は “優越感” とは、別のもので、“優越感” というのは、学びには弊害になります。
学ぶ姿勢に必要なのは自分の力を信じられる“有能感”であって、人に勝っているという “優越感” ではありません。
“優越感” は、弊害になりますので、ペチャンとつぶしてください」
 
 
“有能感” と “優越感”  違いを教えてください。
 
横山 「小学校に入ってから楽なように、ひらがなを書かせたり、足し算を教えたりしているご家庭もあるかもしれません。
良かれと思ってされているかと思いますが、先取り教育には注意が必要です。
 
小学校でひらがなや足し算を習うとき、『ぼく知ってる』『もうできる』と思う、これが “優越感” です。 
 
優越感を持つことで、先生の話を聞かない、授業をなめてしまうという子どもも中にはいます。
こうした姿勢を持ってしまうと、子どもは伸びていきません
 
このような先取り教育の蓄積で優越感を味わえるのは、せいぜい小学2年生くらいまでです。
小学3年生になると、それまで一生懸命授業を聞いてきた子どもたちに逆転されてしまいます」
 
 
優越感をつぶし、一生懸命学ぼうとする姿勢を養うのによい方法はありますか?
 
横山 「私が幼稚園で年長児の担任だったとき、修了式の前日に、必ず子どもたちに話していたことがあります。
それは、『みんなが、今まで園で書いてきたひらがなは、全部 “うそ” の文字です。
園で、遊びで書いてきたひらがなです。小学校で、先生が教えてくれるひらがなが “ほんもの” です』
 
こう話すと、子どもたちの目は点になります。
そして、小学校でひらがなを習うときには、先生の話を一生懸命に聞いてイチから学ぼうとします。
このように年長児から小学1年生に上がる際は気持ちの切りかえが必要です。
小学校からが本物の勉強、しっかり先生の話を聞こう!と思えることが大切です」
 
 
●生活経験が豊かにあれば、学びの素地はできています
 
それでは、幼児期のうちは、ひらがなの読み書きはしないほうがよいでしょうか?
 
横山 「小学校教育の先取りは弊害になるとお話ししましたが、ひらがなを書いたり、読んだりすることを否定しているわけではありません。 
 
幼児でも、生活していればひらがなを読み書きするチャンスは多いですし、『文字に興味関心を持つ』と幼稚園教育要綱にあります。
私が幼稚園の担任をしていたときも、目の前で子どもの名前を書いたり、子どもには自分の名前を書かせたり、遊びの中でも書けるひらがなを書く機会をつくったり、ひらがなに触れる機会は多く持ちました。
 
自分の名前が読めて、持ち物に書いてあると子どもはうれしいですし、自分の名前が書けるというのはひとつの自信になります。
まずは、大切な自分の名前が読み書きできれば就学前は十分だと、私は考えます。
そして、生活の中で他のひらがなにも触れ、必要なときにチャンスを逃さず読み書きできればよいかと思います。
50音表を貼って、わからないときに見る環境をつくるのは大事ですが、『は行は書ける?』と検査するように読み書きをさせるのでは、イヤイヤさせられている感じになります。
イヤイヤ身につけた知識は、“意欲的に学ぶ力” につながりません
 
 
幼児期は、生活経験が豊かにあれば、自然と “意欲的に学ぶ力” は育ちます。
 
・自然体験……泥、水、木、葉、氷、などに触れる
・社会体験……郵便局や銀行やお店、図書館などに一緒に行って、やりとりを見たり、実際にしたりする
・家事の手伝い……食器運び、洗濯物たたみなどを手伝う、自分の家での決まった仕事をする 
 
こうした5感を使った生活が、学ぶ素地になります。
 
3番目に挙げた “手伝い” は、お手伝いをして親に言われる『ありがとう』が、子どもにとっては最高のほめことばとなり、自分は役に立てる人だと“有能感”も育ちます」
 
 
横山先生、ありがとうございました。 
小学校で心配なことのひとつに勉強がありますが、今から何か特別にする必要はないんですね。毎日の生活で、いろいろな経験ができるように意識したいと思います。
 
次回は、年長児に身につけたい「想像力」と「ことばの力」についてお聞きします。
 
 

 

 

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