エッセイスト、マンガ家、占い師。ライターとして、企画・編集などの出版業にも携わる。ベストセラーとなった『笑う出産』をはじめ、出産・子育てにまつわる著書は多数。最近は東京・中野区に占い店舗を構え、西洋占星術やタロットなどの占いを行なっている。
まついさんのPTA経験を描いた『まさか わたしが PTA!?』(メディアファクトリー)。ドロドロした印象で語られがちなPTAの実態を軽く、鋭く、それでいてどこか温かく描いた実録コミックエッセイ。現在は電子書籍でも入手可能。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年4月27日の記事
第3回目に登場いただくのは、PTA活動の経験をつづったコミックエッセイ『まさか わたしが PTA!?』の著者・まついなつきさんです。
3人のお子さんの小学校時代から高校まで、つかず離れずの立場でPTAを「観察」してきたまついさんならではの、現実的かつ本音を交えたさまざまなご意見をうかがいます。
●全否定から始まったPTA活動
著書『まさかわたしがPTA!?』にも書かれていましたが、最初はその場の雰囲気と流れで、PTA委員をすることになったという感じですね。
まつい 「委員決めの席の沈黙に耐えられず、手を上げたんですよね。でもそうなったのも、私の場合、保育園での経験が大きかったと思います。
保育園は保護者同士のつながりや関わりが重要なんですね。だから園の行事のお手伝いなども積極的にしてきたし、そのおかげでほかの保護者の方たちとも仲よくなれて、それなりに楽しい思いをしてきたという下地があったからまあいいかなと。
でも、最初はPTA活動については全否定でした。保育園と違って、小学校は保護者の人数も多くて、しかも知らない人ばかり。そんな中で委員を割り振られて時間やエネルギーを費やさなくてはならないなんて、はっきり言って損だし、めんどうくさいなあと。
『自分だけ』役割を背負わされるのはごめん、という思いもありました。今でも同じように考える人を否定できないし、どうしてもイヤな人や向いていない人は逃げても構わないんじゃないかと思っています」
やっぱりPTA活動は嫌なものですか。
まつい 「そもそもがボランティアの上に、時間とエネルギーを取られ、人間関係も複雑となったら、誰でもできれば避けたい、逃げたいと考えるのは当然だと思います。
実際私も、PTAではいろいろあったし、つらかったこともあります。もともと観察・分析タイプなので、一歩引いて観察することでやり過ごせましたが、周囲の人間関係にはいろいろありましたよ。
グラウンドの真ん中で、お母さん同士がすごい言い合いをしていたり、本にも書いたエピソードですが、別の学校で広報委員をやっていた友だちが力を入れて広報紙を作ったら、『来年からの人が負担になる』と前年度の広報部長から苦情を言われたという話も。
とはいっても私の場合は、PTA活動をすることでいいこともそれなりにありました。たくさんの顔見知りができて、いっしょにランチを食べにいったり、マンガの貸し借りしたりの子ども抜きの交流もできましたし、何より家庭と学校以外の『地域』に子どもを知っている人が増えて、子どもの行動範囲の安全度が高まったことは大きかったなと思います」
●PTA委員・役員決めには、腹を割った話し合いが必要
委員や役員決めは、どこもなかなかすんなりとはいかないようですね。
まつい 「最近は、委員や役員決めがうまくいかないということで、ポイント制かくじ引きになってしまうことも多いようですが、それはどうなのかなと思うんです。
たしかに話し合いをすると、不幸自慢的なゴタゴタというか『仕事が』『介護が』『下の子が』と、自分がいかにPTAをできる状況にないかということを披露することになるわけで、それがイヤだという気持ちはすごくわかります。
でも自分も話したくないし、他人も聞きたくないような家庭の事情を多少出しながらも、みんなである程度腹を割って話し合うことって、わりと大切なことなんじゃないかなと思うんですよ。
みんなの前で言わなくても、『ここだけの話』ってこぼせばなんとなく伝わるし。みんな互いの事情がわからないから、『誰か自分よりふさわしい人がいるはず』と思って決まらないんですよね。
女の人は、大変さを一人でかかえ込みすぎるので、もっとぶっちゃけぐせをつけたほうがいいと思います。
一度そういうゴタゴタした話し合いを経験しておけば、ある意味みんな納得するので、次の年からも同じメンバーにはなりがちだけれど、『じゃあ、今年はこれをやるね』『すみませんが、お願いします』という感じになります。
そうすると、できないと言っていた人も『じゃあ、ここは自分がやっとくか』と思うことができるようになるんですよね。同じ人がいつもやっているのも、あながち悪いこととはいえず、やってくれる人に感謝するようになるんですよ。
みんなそれぞれ家庭の事情も考え方も、生活のしかたも違うんだから、お互いに手を貸せるところは貸しましょうというところに、子育て中の大人が集まる意義があるんじゃないかと。PTAはそういうことに利用できるよねって思っていました」
みんなでとことん話し合うのは面倒なことでもありますが、モヤモヤしたまま毎年「できる」「できない」を繰り返すよりも、ある意味建設的かもしれませんね。
まついさん、ありがとうございました。
次回も引き続き、まついさんにお話をうかがいます。
前回の記事はこちら
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