エッセイスト、マンガ家、占い師。ライターとして、企画・編集などの出版業にも携わる。ベストセラーとなった『笑う出産』をはじめ、出産・子育てにまつわる著書は多数。最近は東京・中野区に占い店舗を構え、西洋占星術やタロットなどの占いを行なっている。
まついさんのPTA経験を描いた『まさか わたしが PTA!?』(メディアファクトリー)。ドロドロした印象で語られがちなPTAの実態を軽く、鋭く、それでいてどこか温かく描いた実録コミックエッセイ。現在は電子書籍でも入手可能。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年4月28日の記事
前回は『まさか わたしが PTA!?』の著者まついなつきさんに、委員・役員の決め方に対する考えなどをお聞きしました。
今回も引き続きまついさんに、PTA活動をほかのお母さんたちとの向き合い方などについてお話をうかがいます。
●任意加入だからこそ、PTA活動をやる人とやらない人が認め合える
そもそもPTAは、任意加入なのですよね。
まつい 「うちの子の小学校のときは、入会書を自分で書いて、入会を選択するという形になっていました。今はだいぶ強制ではないということが浸透してきていますが、それでもまだ知らない人も多いですよね。入退会自由ということは、みんなが知っておかなければいけないことです。
もちろん、だからといって本当に自由かというと額面通りではありません。同調圧力がとても強い世界なので、入会しないとか、退会するということはなかなかできにくいというのが現実です。
ただ、それでも入退会自由という原則を知っておくことは大切。なぜなら、PTAが強制加入だとしたら、PTA活動をやらない人は自分勝手と責められるし、やる人はどうせ好きでやっているんでしょと言われ、不幸な対立が起こるわけです。
でもやらない人の多くは忙しくて本当にできない人、あるいはPTA活動に向いていないという人でしょうし、活動をやっている人も、できればやりたくはないと思っている人がほとんどです。
自分のしたいこともあるし、時間も限られている。でも『自分にできることがあるなら、1年間だけ』という気持ちでやっている人も多いんですよね。
入退会自由という原則があって、それをみんなが知っていれば、PTA活動をやらない人も『自分の意志で入会して会員になって、会費を払ってくれている人』として存在できるし、やっている人に対して感謝の念が出てくるんです。
だから個人的には『PTA活動をやらない人、できない人はやっている人に感謝をし、陰口などはたたかない。
そしてやる人は、やらない人への理解を持ち、やらないこと責めず、追いかけずに、逃がしてあげる』というのが、15年かかってたどりついた私の結論です。
さらに言えば、親がPTAに入っている、いないに関わらず、その学校に通っている子どもたちのために活動するというのがPTAの役割。
親が入会していないことで、その子どもがPTA主催の行事に出られないとか、記念品がもらえないということもあるのですが、これはおかしいことなんです。意外にそのことを知らない人がいるので、ぜひ知っておいてほしいと思います」
●部活動気分で参加できるPTAになってほしい
長い間PTAとつき合ってきたまついさんから見て、PTAの役割ってなんだと思いますか?
まつい 「学校という組織に対して、PTAとかそれ以外でも親の集まりは必要だと感じますね。学校は文部科学省の管轄ですが、一つの学校で言えば、校長が多くのことを決める権限を持っているわけです。
でも万が一、その判断におかしいなと思うことがあったときに、それはおかしいといえるところがないとまずい。そこで、PTA的な団体がチェック機能として存在する意味は大きいんじゃないかと思います。
私自身はPTAとひと口に言っても、上の子のときと3人目のときでは状況がすごく変化していくのを実感しました。働くお母さんが増えたり、保護者の考え方やPTAの捉え方も変わってきていています。
PTAそのものも、従来のPTAという形ではなく、クラスごとの連絡係だけにしたりするところも出てきて、まさに変化している最中ですよね。
海外では親が関わりたい人が関わりたいときに、関わりたいことしながら活動をしている組織もあるそうです。簡単には難しいでしょうけれど、PTAは本来、そういう理念の団体なので、部活動気分でのびのびやれたらいいなあと思います。もちろん誰も帰宅部を責めない形で」
お話をうかがって、PTAがどんな形に変わっても、子どものために、保護者一人ひとりが学校への携わり方を真剣に考える必要があるのだなと考えさせられました。
まついさん、ありがとうございました。
★PTA活動紹介の記事はこちら
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