田中 博史(たなか ひろし)
山口県公立小学校教諭を経て、1991年から筑波大学附属小学校教諭。
全国算数授業研究会理事・日本数学教育学会出版部幹事・教科書編集委員・基幹学力研究会代表・算数ICT研究会代表。
また「課外授業 ようこそ先輩」を始め、多数のNHK教育番組に出演。
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生活・しつけ
小学1年生 2013年7月7日の記事
★夏休みは子どもの成長のバランスをみるチャンスです
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《夏休み前のアドバイス1 》トラブルにすぐ手を貸さず、「さてどうする?」と一歩引いて見てみましょう。
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もうすぐ夏休みがやってきます。
お子さんは、夏休みを楽しみにしていますか?
「家族で旅行するんだ!」
「プールでいっぱい泳ぎたい」
子どもたちのワクワクする声が聞こえてきそうです。
第一子が学校に入って初めての夏休みという親御さんは楽しみの反面、不安も少しあるのではないでしょうか。
そんなママさんたちのために、筑波大学附属小学校の田中博史先生にアドバイスをいただきました。
夏休みはどのようなことに気を付けて過ごしたらよいでしょうか?
田中 「おそらく、1年生のお母さんたちがいちばん見えていないのが、“我が子の成長のバランス” です。
我が子がどの程度バランスよく育っているかは、1対1で付き合っているとどうしても見えません。
学校で3か月生活してきて、子どもたちはちょっとずつ友だち付き合いのバランスを身につけてきました。
家では何でも思い通りになってきたのが、学校ではそうはいかない。
そのような空間を経て、子どもたちはやっと社会を知り始めたところです。
ところが、夏休みに入って家庭に返っていき、40日が過ぎるとまた元に戻ってしまいます。
そこで、お父さんお母さんには、『我が子の成長のバランスを見る』ということを意識してほしい。
そのためには、友だちと遊ばせるのがいちばんです。
友だちが家に遊びに来たときに、トラブルが起きます。
ケンカをして泣いたり泣かせたり、物をとったりとられたり…
そういったトラブルが、目の前で起こると親は必ず手を出してしまいますよね?
そこを、手を出さずに我慢して見てみるんです。
学校では、日常的に起こっていることなのですから。
『この後、うちの子どうするんだろう?』
と、観察する気持ちで見てください。
これは、家族の中にいると見えないものです。
見えないものだと知っておいて、ではどうするかをぜひ、お父さんお母さんで考えてみてください。
例えば、キャンプ場に行ってみたとします。
我が子が社会の中でどんなふうに育っているか冷静に見るチャンスです。
キャンプ場の近くのサイトに3家族くらいいますよね?
隣のおちびさんはせっせと薪を運んでいるのに、うちの子はゲームばかりやっていたとしたらどうでしょう?
『ちょっと、育て方がまずかったかしら…?』
と、そこで気づくことができますよね。
ディズニーランドの行列でも分かります。
僕が実際に見た例では、並んだら即、お母さんがナップザックからゲームを出して与えていました。
少しでも退屈な時間を作らせないということでしょう。
子どもにサービスしすぎですよね?
お母さんとお話ししながら待っている子もその場にはいるわけです。
『我が子はバランスよく育っているんだろうか?』
と考えることは、一歩引いて客観的な感覚を持つということです。
ぜひ、一歩引いて周りをちょっと見てみましょう」
なるほど、そうした客観性を取り入れるために、友だちや家族以外の人に、我が子が接しているところを見てみるといいんですね。
田中 「夏休みはお父さんお母さんと過ごす時間が長くなります。
僕たちが授業をするときに教材を選ぶように、“子育てをするための環境作り” をお父さんとお母さんでちょっと話し合ってみるといいと思います」
そうですね。夏休みに入る前に、さっそく父母会議を開きたいと思います。
次回は、“子どもがバランスよく育っているか” に関連して、「子どもに物事を決めさせてみる」ことについてお伝えします。
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