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生活・しつけ
小学1年生 2013年7月7日の記事
★うちの子は、物事を決められるかしら?
《夏休み前のアドバイス2 》小さなことで構いません。子どもに物事を決めさせてみましょう。
前回は、田中博史先生に
「我が子の成長のバランスを見てみよう」
というお話をうかがいました。
我が子の成長のバランスが悪くなるというのは、
何が原因なのでしょうか?
田中 「ほとんどの場合、
親との距離が近すぎるんです。
お母さんが、子どもに手を出し過ぎてしまう。
だから、一歩引いてみましょうと言っている訳ですが。
2人目、3人目のお子さんになると
みなさん自然に子どもと適度な距離をとることができます。
けれども、長男長女の場合は、
どうしても距離が近くなってしまいます。
例えば、幼児期から親が手を出して
どんどん先取り教育させるケースがあります。
先取り教育をさせる親は、我が子の能力に自信がないんです。
我が子に、どんどん先にやって早く知識を身につけさせたい。
そして、自分の子どもを優位に立たせたいということですね。
先取り、先取りをくり返すと
子どもたちは他人との競争で、相手よりも早く情報を得ることが
優位に立つことだと学びます。
けれども、これは相手の人がその情報を得た段階で対等になります。
物事を考える(アイデア)とか、リーダーシップとかに
先取り教育は通用しません。
こうした能力や性格というものは、
大人が手を出せば出すほど育ちにくいものなのです」
確かに、1人目だとどうしても
つい手を出し過ぎてしまうものですよね。
もし、「私、手を出し過ぎかしら?」と思ったとき、
何かチェックする方法ってありますか?
田中 「子どもの成長のバランスを見る手立てとして
我が子に何かを決めさせてみてください。
単純な話ですが、
雨上がりに出かけるとき、
靴を決めさせるのでもいいでしょう。
たいていお母さんは、
『この靴はきなさい』と用意しますよね。
そこを
『今からお出かけするけど、どの靴はいていく?』
と決めさせます。
お母さんが『念のため午後から降るかもしれないから』
と長靴を用意して、晴れてしまった場合には
『えー、どうしてこんなの』と子どもは言うでしょう。
親が先に決めたことに関しては、子どもは文句が言えます。
自分で決めたのだったら、
『あなたが決めたんでしょ?』で文句は言えない。
雨が降って靴がびしょびしょになっても『別にいいもん』って
子どもは言うかもしれません。
何でもいいから子どもに自分で決めさせてみてください。
そうすることで、子どもも、
『うちの親は私に決めさせてくれる』
と信頼関係ができます」
今まで、靴ひとつでもお母さんが決めてきた場合、
「えー、お母さんが決めてよ」とか言いそうな気がしますが……。
田中 「子どもが、『お母さん決めてよ』って言ったら、
『そうか、そういう風に育ててしまったか』と
自分の子どもへの関わりを反省して、
一緒に決めてもいいですし、正反対を言ってみるのもいいですね。
すっごくいい天気なのに、
『じゃあ、この新しい長靴にしよう』
そしたら、子どももさすがに
『えー、それはだめでしょう』って言うでしょう。
『だって、お母さんに決めてって言ったでしょ?』
と言ってやってください。
それで、改めて『自分で決めなさい』でもいいですよね。
そうやって付き合っていけば、
節目節目で子どもたちに何かを決めさせるのが楽しくなると思います。
『うちの子どっちを選ぶかな?』
そのくらいの距離感がちょうどよいでしょう」
子どもがかわいいと、
つい子どもとの適正な距離のとり方が分からなくなってしまいます。
けれども、田中先生の教えてくださった
「我が子の成長のバランスはどうかしら?」や
「さて、何を選ぶかしら?」ということなら
楽しく子どもを客観視できそうですね。
次回は、夏休みの計画の立て方について
うかがいます。
書籍紹介
筑波大学附属小学校 田中先生の算数
絵解き文章題』 (学研教育出版)
田中 博史・監修
小学校低学年で学ぶ文章題を、絵でイメージ化して解く問題集。
四則演算の文章題を扱っているため、1年生から3年生まで使うことができます。
文章題の内容を絵でイメージ化することで、文章題の読み取りができ、解く力がつきます。
定価 : 1,029円(税込み)
●ご購入の際はお近くの書店でお求めください。
また、オンラインショップ「ショップ.学研」でもお求めいただけます。