「市民が日々遭遇する可能性の高い危機の実態把握と、その最適な問題解決策」を確かなものとするための調査・研究、それに基づく様々な提案を行う研究所です。安全なまちづくり人づくりのための環境設計・教育プログラムの開発・地域ボランティアやPTA、警察への研修等を行っています。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
週末・その他
年長 2018年11月27日の記事
来春から小学生というご家庭では、すでにランドセルを用意した方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ランドセルと一緒に揃えておきたい防犯・防災グッズをご紹介。全国で体験型安全教室などを行うステップ総合研究所・主任研究員の堤紘子さんに、グッズの選び方と使い方を聞きました。
これまで、どこに行くのも保護者や先生と一緒だった年長さんですが、小学生になると、ひとりで行動する機会が増えるようになります。保護者から離れていても安全に登下校できるように、ランドセルに付けておきたい防犯・防災グッズを教えてもらいました。
・防犯ブザー
「大きな音を出して周囲に危険を知らせ、犯罪者を退散させる防犯ブザー。近年では小学生の必須アイテムのひとつになっていて、自治体によっては入学式の日などに配られることもあります。防犯ブザーには、『紐を引っ張る』『ピンを引き抜く』『ボタンを押す』など様々なタイプがありますが、音を鳴らすのに力がいる場合や、止め方が複雑な場合もあるので、購入したら鳴らせるように必ず練習をしてみましょう。
音は大きめに越したことはないので、90dB(デシベル)以上のものがおすすめです。また、音が出るのと同時に光を放って周囲に異常を知らせるタイプもあります。ランドセルの横のフックに防犯ブザーを付けている子や、いたずらを防ぐためにひもをブザーに巻き付けている子を見かけますが、いざという時に手が届かなければ意味がありません。腕を掴まれたり、後ろから羽交い締めにされても鳴らせるように、子どもの胸の高さにある肩ベルトの金具に装着し、実際に鳴らしてみましょう」(堤さん)
・ホイッスル
「地震で建物が倒壊した時などに、ホイッスルを吹いて周囲に自分の居場所を知らせることができます。どんな体勢でも吹くことができるように、リール付きなど、口元に持って来やすいものを選びましょう。ただ、防災グッズとしては有効なアイテムですが、防犯ブザーの代わりに持たせるのはあまりおすすめできません。引っ張るだけ、押すだけで音が出る防犯ブザーと違い、犯罪者と対峙して一刻を争う緊張した状況下で、揺れるホイッスルを持ち口元まで運んで息を吹くという一連の動作をするのは難しいからです。ホイッスルを持つ場合はあくまで防災用ということを覚えておきましょう」(同)
・GPS
「どうしても心配であれば、子どもの位置情報を親のスマホで確認することができるGPSを持たせることもできます。中には、警備会社が提供するGPSで、緊急時にスタッフが駆けつけてくれるサービスなどもあります。ただ、基本的には、GPSの機能は子どもの居場所を発信するためのもの。万が一行方がわからなくなってしまった場合など、「その時」というよりは「その後」有効なものです。なので、大声を出す、走って逃げる、防犯ブザーを鳴らすなど、基本的な対処があわせてできることが重要です」(同)
・キーケース
「子どもに自宅の鍵を持たせる場合、紛失を防ぐためにもランドセルに取り付けるタイプのキーケースが便利です。よくランドセルを地面に下ろして家の鍵を出している子どもを見かけますが、家に保護者がいないことを周囲に知らせてしまうことになり危険です。ランドセルの肩ベルトに付けたままリールを伸ばして、サッと鍵の開け閉めができるタイプもいいですね。鍵を素早く出し入れできるように練習が必要です」(同)
・リフレクター
「リフレクター(反射板)は、車や自転車のライトに当たると光り、雨の日や夕暮れ時の事故防止に役立ちます。シール、マジックテープ、キーホルダー、ランドセルカバーなど、様々なタイプがあります。帰宅が遅くなることもある学童通いの子はとくに、周囲が暗くなっても目立ちやすいようにリフレクターを装着しておきたいですね」(同)
とっても便利な防犯・防災グッズですが、「ただグッズを揃えるだけでは意味がない」と堤さんは言います。
「グッズを持っていることの怖さは、親も子どもも『これさえ持っていれば安心だ』と過信してしまうことです。例えば、防犯ブザーは心強いアイテムではありますが、非常時にブザーを鳴らすためには、子ども自身の判断力も必要になってきす。また、グッズだけに頼らず、自分の力で声を出して助けを求めたり、走って逃げたりできる力も付けておく必要があります。
さらに、あまりいろいろなグッズをじゃらじゃらと付け過ぎてしまうと、いざという時にどれを使用したらいいのかわからなくなり、混乱することも。子どもの状況に合わせて本当に必要なものを選んであげてください。その上で、使いやすい箇所に付けているか、電池がなくなっていないかなど、こまめにチェックするようにしましょう」(同)
防犯・防災グッズをたくさん揃えたらそれで安心ということではないのですね。グッズを過信しすぎず、具体的な状況をシミュレーションして、ひとりでもグッズ使えるように練習しておきたいものです。
(取材・執筆:宇都宮薫)
関連記事はこちら
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
「市民が日々遭遇する可能性の高い危機の実態把握と、その最適な問題解決策」を確かなものとするための調査・研究、それに基づく様々な提案を行う研究所です。安全なまちづくり人づくりのための環境設計・教育プログラムの開発・地域ボランティアやPTA、警察への研修等を行っています。
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。