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生活・しつけ
年長 2018年11月20日の記事
ストライダーなど、タイヤ付き遊具の交通ルールをおさらい!
ペダルなし自転車やキックスケーターなど、小さいお子さんのいる家庭に広く普及している「タイヤ付き遊具」。なかには、ヒヤッとするような危険な乗り方をしているお子さんも見かけます。そこで、タイヤ付き遊具の交通ルールについて、神奈川県警察本部交通総務課で交通安全教育に取り組む岡本和久さんと武田真由美さんにお話を伺いました。
●公道でタイヤ付き遊具に乗ることはとても危険!
道路交通法を調べてみると「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること」は禁止行為として記載があります。今人気のタイヤ付き遊具もこれに当てはまると思いますが、「交通のひんぱんな道路」でなければ乗っても良いのでしょうか?
「交通量に関わらず、公道でタイヤ付き遊具に乗ることはやめましょう。交通量の多いところで乗っていると迷惑行為にあたる場合もありますし、だからと言って交通量が少ない道路だったら乗っても良いということではありません。交通がひんぱんか否かの明確な基準はありませんが、そもそも乗って良いか・悪いかではなく、公道で乗ることには大きな危険がともないます。基本的には使用の禁止されていない公園などで乗るようにしてください」(岡本さん)
しかし現状では、ペダルなし自転車などで公道を走っているお子さんをたくさん見かけます。歩かせるよりも移動時間の短縮になるし、グズらず喜んで乗ってくれるなら…と、ついつい買い物などに行くときの移動手段として乗せてしまうママも多いのではないでしょうか。
「まず、すべてのタイヤ付き遊具が、自転車のような移動手段のための乗り物ではないということを認識してほしいと思います。自転車にはブレーキやベル、ライト、反射器など、道路で使用するための安全装備がついています。ところが、タイヤ付き遊具にはそれらの安全装備がついていないので、公道で乗っていると必然的に事故の危険性が高くなります」(岡本さん)
ペダルなし自転車に関して言うと、本来なら自転車に乗れるように練習するためのもの。まだ自転車にも乗れない子どもが移動手段として使うことは、よく考えればとても危険だとわかりますよね。
「ボール遊びを道路上でやっていたら、親御さんは注意しますよね? ボール遊びは道路でやると危険であることが“わかりやすい遊び”ですが、同じ遊びでも、タイヤ付き遊具については、まだまだ認識が甘いのかなと思います」(岡本さん)
左右にくねくね動きながら進むキャスターボードや、かかとにローラーが付いたスニーカーなども子どもに人気がありますが、これらも公道では使用させないようにしましょう。
●他人を巻き込む重大事故につながるケースも!
実際に警察には「遊具に乗った子どもにぶつかりそうになった」というドライバーや歩行者からの苦情があるとか。では、公道でタイヤ付き遊具に乗っていると、どのような事故が起こり得るのでしょうか。
「タイヤがついている遊具なので、飛び出し事故の危険があります。お母さんが常に見ていたとしても、下り坂などで突然スピードが出てしまったら、交差点などでとっさに止めることは難しいですよね。また、どれも不安定な乗り物なので、自分が予期しないところですべったり、バランスを崩して転倒し大ケガにつながることもあります」(武田さん)
打ち所が悪ければケガだけでは済まされず、実際に死亡事故も起きているそうです。また、我が子だけでなく、まわりを巻き込む重大な事故につながってしまうことも…。
「歩行者の横をタイヤ付き遊具で追い越そうと思ったら、歩行者が急に動いてぶつかってしまった、というケースもあります。公道では自転車に乗っている大人でも予測できないことは多く、ルールを守って走行していたとしても事故は起きるもの。まだ状況判断ができない小さいお子さんは、なおさら歩行者の動静を予測することは難しいですよね」(武田さん)
「歩行者とタイヤ付き遊具に乗っている子どもが衝突事故を起こした場合、やはりスピードが出る遊具を公道で乗っているほうに問題があります。もしも、ぶつかった相手が高齢者の方で亡くなってしまったり、重度の後遺症が出てしまったりすると、場合によっては何千万円という賠償をしなければいけないケースもあります」(岡本さん)
もちろん、子どもが他人を巻き込む事故を起こしてしまった場合、責任をとらなければいけないのは親。「うちの子は大丈夫」と思っていても、いつ事故が起こるかはわかりません。公道を走らせることは絶対にやめましょう。
●使用が禁止されていない公園でルールを守って遊ぼう
クリスマスやお正月を前に、タイヤ付き遊具の購入を検討されているご家庭もあるかもしれません。でも、購入する前に考えなければいけないことがありますよね。
「初めにもお話ししましたが、タイヤ付き遊具は使用が禁止されていない公園で乗りましょう。購入する前に必ず、近所にそういった公園があるのか調べてみて、あったとしても、公園に行くまでは乗らずに親御さんが持っていってあげてください。『道路で乗ってはいけないよ』と、普段からお子さんにルールを教えてあげることが大切です」(武田さん)
使用できる環境がないのに買い与えてしまうことは、親として無責任な行為。タイヤ付き遊具が禁止されていない公園かどうかは、公園のホームページを見たり、自治体に問い合わせて、必ず事前に確認しましょう。
「それから基本的なことですが、購入したらまず取扱説明書をしっかり読んでください。ヘルメットやプロテクターなどの着用はもちろん、どこで乗ってはいけないかなどルールがしっかり明記されていますよ」(武田さん)
タイヤ付き遊具は、いずれも子どもにとってとても楽しい乗り物です。まずは親がルールをしっかり理解し、お子さんが安全に乗れるようにサポートしてあげたいですね。
(取材・執筆:高野理恵)
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