大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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週末・その他
小学1年生 2018年11月19日の記事
サンタさんが主役の心温まるX’mas映画3選
親子の会話がはずむ、年長児とママのための映画ガイド【第15回】
もうすぐクリスマス! 子どもはサンタさんからどんなプレゼントがもらえるのかワクワク、ママはどんなクリスマスにしようかソワソワする季節ですね。毎年のことながら、サンタさんを心待ちにする我が子のキラキラした眼差しや、プレゼントを発見したときのとびきりの笑顔は、見ているこちらまでとても幸せな気持ちにしてくれます。
そこで今回は、クリスマスを題材にしたたくさんの映画の中から、“サンタクロースが主役”の作品を3本ご紹介。どの作品も、サンタさんの姿を通して、家族や大切な人を想う気持ちが描かれ、心があったかくなること請け合いです。
●サンタの息子が大活躍!「アーサー・クリスマスの大冒険」
サンタクロース一家の心優しい次男・アーサーが、配り損ねたプレゼントを届けようと奮闘する様子を描いたCGアニメーション。一晩で世界中の子どもたちにプレゼントを届けるために、ハイテクシステムを駆使していた、という設定が面白い冒険ファンタジーです。
イブの北極は大忙し! サンタクロースの基地では、長男・スティーブの指揮の元、100万人のエルフたちが高度なオペレーションシステムを操り、プレゼントの配送を完璧にサポートしていました。しかし一軒だけプレゼントを配り忘れるミスが発生。仕方ないと諦める兄を見て、手紙係の次男・アーサーは自分の力で届けることを決意します。クリスマスの夜が明けるまでたった2時間、アーサーは無事にプレゼントを届けることができるのでしょうか…?
先代サンタのおじいちゃんとラッピング担当のエルフ・ブライオニーの力を借りて、一刻も早くプレゼントを届けようとするアーサー。イギリスに行くはずがタンザニアに着いてしまったり、宇宙人と間違われて追われたり、ハプニング続きでなかなか目的地にたどりつけません。でも「たったひとりでも子どもを悲しませちゃいけない!」というアーサーのひたむきさに、家族の喜ぶ顔が見たくてあれこれ考えてしまうママの気持ちが重なります。
「サンタさんはどうやって一晩で世界中を回るの?」「世界中の子どもたちの手紙を読む時間はあるの?」冒頭で次々と登場する子どものサンタへの質問は、ママも自分の子どもに聞かれて返答に困ったことがある質問ばかり。サンタの存在に疑問を持ち始めた、また、これから持ち始めるであろうお子さんと一緒に観るのも楽しい一作です。
<データ>
■2011年/1時間40分/アメリカ・イギリス/監督:サラ・スミス/声の出演:ジェームズ・マカヴォイ ヒュー・ローリー ビル・ナイ ジム・ブロードベント/吹き替え版:ウエンツ瑛士 大塚芳忠 緒方賢一 石田圭祐
●孤児の少年がサンタになった理由「サンタクロースになった少年」
サンタクロースのふるさとと言われるフィンランドを舞台にした、サンタクロース誕生物語。フィンランドを代表する作家マルコ・レイノの原作を映画化したオリジナルストーリーですが、孤児の少年がサンタになった理由に思わずホロリとしてしまう、ハートウォーミングな作品です。
フィンランドの北極圏、ラップランドの小さな寒村。事故で両親と妹を一度に失ってしまった幼い少年・ニコラスを、村人たちは1年ごとに交代で世話することにします。毎年、クリスマスに新しい家族のもとに移動するニコラスは、イブの夜、お世話になった家の子どもたちに手作りのおもちゃをそっと贈ります。しかし6年後、村は飢饉に襲われ、ニコラスは村から離れた場所に住む偏屈者の家具職人・イーサッキに引き取られることに。厳しい職人修行の合間に、ニコラスはおもちゃを作り続け、毎年子どもたちのもとへ届けるのですが、村の子どもの数が増え続けてしまい…。
まずは、天涯孤独になってしまった幼いニコラスの面倒を見る村の人々の優しさに心からホッとします。そんな村人に囲まれて育ったニコラスも、寂しさを抱えつつ情の深い少年に成長。ガンコじいさんで村人に煙たがられていたイーサッキの心もやわらげ、親子のような関係になっていきます。そんなニコラスが大人になり、ヒゲも伸び、増えたおもちゃを運ぶためにソリやトナカイを用意し…すっかりサンタクロースらしい姿に! 歳をとってイーサッキのようなガンコじいさん風の容貌で子どもに煙たがられても、“子どもたちが待っているから”とこっそりおもちゃを用意し続けるニコラスの姿とその想いに、胸が熱くなります。
しんしんと降り積もる雪、山や湖に囲まれたフィンランドの豊かな自然を背景に展開する、優しい優しい物語。見返りを求めず相手を想う気持ちの大切さ、大切に思う人がいる幸せに心から感謝したくなります。
<データ>
■2007年/1時間20分/フィンランド/監督・制作・脚本:ヨハ・ブオリヨキ 原作・脚本:マルコ・レイノ 出演:ハヌ・ペッカ・ピョルクマン カリ・バーナネン ミナ・ハップキラ
●サンタの存在を信じる心が起こした奇跡「34丁目の奇跡」
本物のサンタクロースだと自称する老人を巡る騒動を通して、夢を信じる心の素晴らしさを描いたハートフルなドラマです。1947年に制作された同名の名作映画のリメイク版です。
ニューヨーク西34丁目にある老舗デパート「コールズ」が主催する、クリスマス恒例のパレード開始直前。サンタ役の男がトラブルを起こし、急遽、サンタそっくりの風貌をした白ヒゲの老人・クリスが代役を務めます。クリスがサンタに扮したパレードは大好評! そのままサンタとして雇われることになったクリスは人気者になり、コールズの評判も売り上げも急上昇。しかし、それが気に入らないライバルデパートの陰謀で、クリスは“自分をサンタと信じる頭のおかしな老人”として裁判にかけられることになってしまいます。
自分は本物のサンタだと主張するクリス、コールズのイベント担当で現実主義者のシングルマザー・ドリー、“サンタはいない”と思っているドリーの娘・スーザン、ドリーの恋人で弁護士のブライアン。両親の離婚や、母であるドリーの教育のせいでちょっと冷めた子どもだったスーザンが、クリスに出会ったことでサンタを信じるようになり、どんどん無邪気な子どもらしさを取り戻していきます。そんなスーザンや、“信じる心”を曲げずにクリスを弁護するブライアン、クリスの姿を見て、頑なだったドリーの心が動かされていく様子に、見ているこちらもどんどん気持ちが温かくなってきます。
ライバル店の姑息な妨害に腹が立ちますが、裁判の最後の判決には拍手喝采! “信じること“がどれだけ人生を豊かにしてくれるのか、そしてそんな信じる心を忘れない大人でいたい、と思わせてくれます。「あなたが信じたいものを信じていい」「どんな人生でも、夢があれば救われる」など心に沁みる名言もたくさん。毎日をがんばるママの心に沁みる一作です。
<データ>
■1994年/1時間54分/アメリカ/監督:レス・メイフィールド/出演:リチャード・アッテンボロー エリザベス・パーキンス J・T・ウォルシュ
どの作品も、クリスマスとサンタクロースを題材に、相手のことを想う純粋な気持ち、信じる気持ち、子どもや家族、喜ぶ顔が見たいと思える相手がいることの幸せを感じられる、素敵な作品ばかりです。どんどん寒くなるこの季節、映画でほっこり心を温めて、いいクリスマスをお過ごしください。お子さんにもママにも、サンタさんが来ますように。ハッピー・クリスマス!
★連載「親子の会話がはずむ、年長児とママのための映画ガイド」
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