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年長 2018年10月24日の記事

就学時健康診断、学校側は何を確認しているの?

 

 

毎年10~11月にかけて、翌年就学予定の年長児を対象に行われる「就学時健康診断」。入学予定の小学校に足を踏み入れる初めての機会ともなるこの健診で、学校側は何を確認しているのでしょうか? また、保護者のすべき準備、当日気を付けることは? 現役小学校教諭の遠藤裕美子先生にお聞きしました。

 

 

●健康診断と三者面談が行われます

 

小学校に入学する前年の10~11月に行われる就学時健康診断。まずは、当日の流れを簡単に教えていただけますか?

 

「初めに受付をして、番号が呼ばれたら最初は健康診断。各教室を回り、内科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科と、校医の先生に健康状態をチェックしてもらいます。予防接種はきちん受けているか、虫歯はないか、視力などに異常がないかなどを確認します」(遠藤先生)

 

受付を済ませた後は、親子で一緒に教室を回るケースもあれば、親子が別れて子どもは上級生のお兄さん・お姉さんに付き添ってもらうケースも。やり方は、小学校によって異なるそう。

 

「その次に、面談で子どもの様子、心身の発達などをみます。いくつか方法がありますが、私が経験したのは2パターン。1つは、子どもと一対一で行うもの。名前を確認した後、検査の用紙などを使って『丸を書いてね』『飛行機はどれかな?』と質問していきます。やり取りをしながら、はっきりと発音できているか、質問が聞き取れているか、緊張で固まったりしていないかなどを確認します」(同)

 

もう1パターンは、4~5人の小グループで行う形式。やりとりをする先生と観察の先生の2人がつき、順に名前を言わせたり、『好きな食べ物は?』などの問いに答えさせたりするのだとか。

 

「この場合は、全員に算数ブロックを配って、箱からブロックを取り出して数えたり、箱にブロックをしまったりする活動の様子を見るなどして、集団の中で過ごす際のその子の特性を見極めます」(同)

 

面談が終わると保護者のもとへ。遠藤先生の経験では、その後は子どもと保護者、先生の三者面談をして終了というパターンが多いそう。

 

「この面談は、就学後について心配事はないか、お互いに確認する機会と考えてください。小学校に入学する意思はあるか、引っ越しの予定はあるか、他校を受験しているかどうか、入学に際してのお子さんの心配事はあるか、アレルギーはあるかなどをお話しします」(同)

 

面談というと「何を聞かれるのか……」と身構えてしまいそうですが、その必要はないとのこと。「むしろ心配事、悩みごとを解消する機会にしてくださいね」(同)。

 

 

●就学時健康診断は、その子に最良の環境を用意するための準備

 

そもそも、就学時健康診断は何が目的なのでしょうか?

 

「就学時健康診断の目的は、お子さんの今の状況を、保護者の方と学校側の両方が把握すること。これは、入学後の環境をその子にとって最良のものにする準備といえます。

 

小学校は、幼稚園や保育園に比べて建物は大きいし、人数も多い。仕組みも違いますし、先生との関わり方も変わります。こうした変化に戸惑わない子どもはいません。だから、できるだけ適応しやすいように環境を整えてあげたいのです。悩みの種になりそうなことは、入学前にできるだけ少なくしておきたいですよね」(同)

 

例えば、健康状態。予防接種の接種漏れがあるまま、落ちた視力に気づかないまま、虫歯を治療しないままで新生活を迎えてしまったら、子どもの新生活に余計な負担を増やしかねません。逆に、入学前にそれらを発見していれば、4月までに解消できるものもあるはず。もしすぐに治らないことであっても、親が把握しているといないとでは大違いでしょう。

 

6年続く小学校生活、できるだけスムーズにスタートを切るためには、まず子どもを最良の状態でスタートラインに立たせてあげることが大事なんですね。

 

 

●保護者は小学校入学へのわくわく感を高めてあげて

 

最後に、就学時健康診断に来る保護者へのアドバイスをいただけますか?

 

「就学時健康診断が、入学する小学校への初訪問になる方も多いですよね。お子さんも保護者の方も緊張すると思いますが、お子さんの緊張には私たちは慣れているので、ご家庭で練習をしたり、お子さんに『しっかり答えなさい』とプレッシャーを与えたりはしなくて結構です。できれば、小学校入学に期待が高まるような声掛けをしてあげてください」(同)

 

学校を一緒に探検するような気持ちで来てほしいと遠藤先生。来る前には「春から入る小学校に行くよ、楽しみだね」、帰り道には「学校、広くて面白そうだったね」「先生が優しかったね」「校庭広かったね」「いろいろな教室がありそうだったね」などと声掛けをして、わくわく感を高めてあげてほしいと言います。

 

「もし心配性なお子さんなら、事前に当日何をするかを予告してあげると安心できるかもしれません。『お医者さんが体を診るけど、痛いのはないよ。そのあと、学校の先生とお話しして、学校を見て帰ってこようね』と話せば、受付後に親と別れるときもスムーズにいくはずです」(同)

 

服装に関しては、子どもは一人でも脱ぎ着がしやすい上下が別れたものを。内科検診でおなかを見せるため、ワンピースやつなぎの服は避けたいところです。

 

「当日は、待合室で順番を待つ時間があると思います。学校ではゲームやお菓子はもちろん、大きな声でおしゃべりをしたり、走り回ったりするのはNG。親子ともども、学校であることを意識して節度のある行動をお願いします。

 

待機の時間は、子どもの新たな一面を発見する機会にもなります。新しい大きな集団に入ったときにその子が緊張してしまうのか、意外にどっしり構えていられるのか、落ち着かなくなってしまうのか、無口になってしまうのか……。保護者の方の目で観察しておくと、入学後にその子とどう向き合うかの参考になると思います」(同)

 

就学時健康診断が終わったあとでも、心配事があればいつでも区や市、そして学校に相談をしてほしいとのこと。入学前は、だれしも不安で当たり前。学芸会、展覧会などイベントごとのほか、学校公開など見学の機会はたくさんあるそうです。保護者も子どもも4月に安心して新生活をスタートできるよう、準備しておきたいですね。

 

(取材・執筆:有馬ゆえ)

 

 

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