地域の農業の振興や消費者への新鮮で安全な農畜産物の供給など、地域の人々の生活を豊かにするための様々な活動を展開。注目されている「食農教育」にも積極的に取り組み、地域の生産者と地域の消費者のつながりを深めるべく、楽しくてユニークな農業体験イベントを開催している。
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年長 2018年10月22日の記事
「食育」という言葉が広く浸透し、小学校や地域でも「食」にまつわる取り組みが盛んに行われるようになりました。そんな食育の一環として新たに注目されているのが、農業まで含めて食の大切さを教える「食農教育」です。では、いったいどんな教育なのでしょうか。今回は、地元の農家と子どもたちの架け橋となるべく、様々な農業体験イベントを企画・運営するJA横浜・地域ふれあい課の福島亜紀代さんと飯島美智子さんにお話を伺いました。
「食農教育」とは、どんな教育ですか?
「『食』がもつ様々な役割の大切さを教える『食育』をパワーアップして、『食』を支える根本である『農業』までを含めた教育です。食べることの重要性だけではなく、普段食べているものがどこからやってくるのか。どう育ち、食卓に並ぶまでになるのか、そういったことの大切さも体験を通して学んでもらいます」(福島さん)
「食農教育」を学ぶことは、子どもにとってどんなメリットや効果がありますか?
「『食農教育』の柱でもある農業体験では、普段食べている野菜が畑でどう育つのか、そしてどんな人が作っているのかを知ることができます。生産者の顔がわかって、その人が大切に育ててくれた野菜だと思うと美味しさも格別! 残さず食べようという気持ちにもなりますよね。それから、自分で栽培や収穫をした野菜には愛着がわくので、農業体験後に苦手だった野菜を食べられるようになったという声も聞きます」(飯島さん)
楽しく農業体験できて、さらに苦手野菜も克服できるとくれば、参加させない手はないですね。
食農教育の一環として行っているイベントなどがあれば教えてください。
「JA横浜では、小学生親子を対象とした『あぐり塾』という栽培・収穫イベントを定期的に行っています。例えば一昨年は、親子で一緒に大根やじゃがいもの栽培に挑戦しました。3か月の期間中に毎月1回ほど活動日があり、種をまいて、育つ過程を見て、収穫するという一連の農作業を体験できるのが『あぐり塾』の特徴で、最後は収穫した野菜を調理して食べるという楽しみもあります」(飯島さん)
子どもだけではなく、家族で農業体験ができるのも魅力的ですね。そして、自分で収穫したものを「食べる」時間は、子どもたちにとって最高のご褒美!
「今年の夏に開催したトマトの収穫イベントでは、採ったトマトをジャムにして、パンケーキにつけて食べました。収穫だけで終わらせるのではなくて、採ったものをどうやって食べるかというところまで体験してもらいます」(福島さん)
「あぐり塾」は毎回テーマを変えて不定期で開催しており、告知は農協のホームページや直売所で行っているそう。また、全国の農協でも同様のイベントが行われているので、気になる方は、自分が住んでいる地域の農協に問い合わせてみてください。
イベントには毎回たくさんの応募があるようですね。では、イベントの前後で、子どもたちの「食」や「農業」に対する意識の変化を感じることはありますか?
「先程もお話ししましたが、家では残してしまう苦手な野菜も、自分で収穫したものには愛着がわくようで、採った野菜で作ったごはんはみんな残さずモリモリ食べています。これには、一緒に参加した保護者の方もびっくりしているようです」(福島さん)
苦手だった野菜を克服できて、親としても嬉しい収穫ですね。さらに、普段は捨ててしまうことが多い部分も、実はおいしくいただけるという新たな発見があったり、自家栽培ならではの食材が楽しめることも。
「大根を栽培するときは、途中で葉っぱを間引きしないといけません。間引きした大根の葉っぱって、なかなか食べる機会がないですよね? 『あぐり塾』では、間引きした葉っぱを持ち帰って食べてもらいます。おひたしにしたり、お味噌汁に入れると、みんな喜んで食べてくれるみたいです。普段は食べない部分も実際に食べてみるとおいしくて、それがきっかけで野菜を好きになるお子さんも多いようです」(飯島さん)
大根の収穫イベントでは、葉っぱで作ったふりかけが大好評。そんな、楽しくておいしい農業体験ですが、実は失敗から学ぶこともたくさん。
「みんなで同じように種をまいても、自分だけ芽が出ないということがたまにあります。そこで子どもたちは初めて、種をまいたからといって必ず芽が出るとは限らないということを体験します。でも、だからこそ芽が出たときは喜びも大きく、育てることにますます興味がわくようです」(福島さん)
スーパーや八百屋さんに野菜が並ぶまでには、農家の方の計り知れない苦労があると学べることも、農業体験の大きな価値と言えそうです。
福島さんによると、全国の農協が主催する「食農教育」のイベントのほかにも、個人の農家さんや自治会が行っている農業体験イベントもたくさんあるようです。インターネットでどんな農業体験があるのか調べたり、地元のスーパーや地区センターなどでイベントの告知をしていないかチェックするなど、普段からアンテナを張っておくといいかもしれません。
(取材・執筆:高野理恵)
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