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学校・まなび
小学1年生 2018年8月1日の記事
この評価、どう受け止めたらいい? 小1初めての通知表
親も子どもも待ちに待った? 初めての通知表。ただ、思っていたより項目も少ないし、いまいち見方がよく分からないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、現役小学校教諭の舟山由美子先生に、小1でもらう通知表の特徴と、評価の受け止め方ついて伺いました。
●1年生の1学期は「よい/がんばりましょう」の2段階評価
通知表の評価項目は学校ごと、あるいは自治体ごとに形式が違います。舟山先生の勤務先の通知表の場合は、以下の3つの項目があるそう。
1 学習の評価
「国語・算数・生活科・体育・図工・音楽の教科ごとに、《絶対評価※》によって、『たいへんよい/よい/がんばりましょう』のいずれかにチェックがつきます。
ただし多くの学校で、1年生の1学期だけは、各教科とも『よい/がんばりましょう』の2段階評価になります。初めて見ると、なぜうちの子には『たいへんよい』がないのだろうと、あせってしまう人もいるかもしれませんね。また、1学期は教科への評価ではなく、『関心・意欲・態度』だけを評価する学校もあります」(舟山先生)
※ 指導目標をもとに設定された基準で評価すること
2 生活の評価
「あいさつをしっかりとしているか、身の回りの整理整頓ができているか、何事にも一所懸命取り組んでいるか、忘れ物をしないか、給食やそうじなどの当番の仕事をしっかりしているか、友だちと協力して仲よく過ごしているかといった項目があり、それぞれ『できる/もうひとがんばり』の2段階で評価されるところが多いようです」(同)
3 担任からの「所見欄」
「いわゆる、先生からの言葉です。1人わずか5行から10行くらいの欄に、びっしりと今学期をまとめる言葉が入ります。文字通り、先生がわが子をどのように見ているのかを知ることができる欄であり、ほとんどの先生は、この「所見欄」に多くのエネルギーをさきます。それだけ家庭に伝えたい、見てもらいたいという思いがあるからと言っていいでしょう」(同)
このほかに出欠の欄、自治体によっては英語の評価欄などが入るところもあるそうです。
「なお、3学期制の学校の場合は夏休み前に1学期の通知表が出ますが、前・後期制(2期制)の学校では、10月に初めての通知表が出ます」(同)
●1学期をがんばった子どもをほめよう
親としては、通知表=学習成績というイメージにとらわれがちですが、1年生の1学期の場合、見るべきポイントは他にあるそう。
「1学期は学習成績よりも、学校に慣れたか、授業や学校生活にまじめに取り組んでいるかなど、学校生活のスタートがうまくいっているかを知ることが、通知表の主目的といっていいでしょう。まずは、通知表をもらってきたら、1学期を無事に終えたことについて『よくがんばったね』と、子どもをほめてあげましょう。
そのうえで、もしも学習面で『がんばりましょう』の項目にチェックがついた教科があったら、それはなぜなのか、子どものせいにするのではなく、親の仕事として理由を考えてみましょう。多くの場合、その教科の授業に集中できない理由があると考えられます」(同)
さらに、生活面で「忘れ物がある」「当番の仕事をしない」などにチェックがあったら、それについても、その評価をゴールではなくスタートととらえて、どうしたら改善できるのか、親子で考えるきっかけにするとよいそうです。
●疑問に思ったことは、遠慮せずに相談を
先生からの「所見欄」について、書かれてある内容によっては「先生はうちの子を正しく評価していない」と思う人もいるかもしれません。これについて舟山先生は、こう言います。
「教師からの評価とは、ビルの窓から中をうかがう作業の結果のようなものだと思います。この場合の『ビル』の建物は、子どものこと。その中を知りたくても入ることはできず、窓からのぞくしかありません。どんなに目をこらしても、見えない部分が必ずあり、窓から見える程度しか『評価』できないのです。つまり、『評価』とはそれぐらいのもどかしさがあるということ。ただし、たくさんの死角があるのに、そこが見えたということは、それがある意味、1つの真実であるともいえますよね」(同)
もし、通知表について疑問に思ったことがあったら、どうしたらいいのでしょう?
「その場合は遠慮せず、ぜひ先生に尋ねてください。それはクレームという形ではなく、その子についての保護者と教師、双方の意見をすりあわせるということです。夏休み前の個人面談などは、すりあわせ機会を学校が作っているということもできます。もし個人面談が設定されていなくても、学校は基本的にいつでも保護者との面談をします(ただし日程の調整は必要)。質問や疑問をそのままにせず、子どもの『次』につなげていきましょう」(同)
評価を気にするよりも、入学からがんばってきた子どもをほめるという言葉にハッとさせられました。苦手なことがあったら、夏休みに少しずつ克服できるように、子どもと目標を立てていくのもよいかもしれませんね。
(取材・執筆:坂本洋子)
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