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学校・まなび
小学1年生 2017年8月17日の記事
小1夏休み後の授業、大きく変わるポイントは?
連載「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」 第10回
こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。
そろそろ夏休みも終盤。あと10日前後で夏休みも終わりという地域もあるでしょう。今回は夏休み明けからの学校の授業についてのお話です。
夏休み後は、授業の内容がぐんと増える
1年生の授業は、夏休み後からぐんと内容が増えます。1年生の夏休みの前後は、ある意味では小学校の勉強において一番変化が大きいと言えるかもしれません。
3学期制で例に挙げると、国語・算数の「基礎・基本」の学習内容は、おおよそ以下のようになります。
国語(言語の学習分野)
〈1学期〉
・ひらがなの読み書き
↓
〈2,3学期〉
・漢字(1年生の配当漢字は80字)
・カタカナ
算数(計算の学習分野)
〈1学期〉
・1桁の足し算と引き算(繰り上がり・繰り下がりなし)
↓
・繰り上がりのある足し算
・繰り下がりのある引き算
・20以上100までの数についての理解(主に3学期)
ここで挙げた「基礎・基本」は、今後のあらゆる学習の土台となるものです。例えば国語なら、文章を読んだり作文を書くために、まず文字を読んだり書いたりしなければなりませんし、算数なら、四則演算(+・―・×・÷)ができるようになることが必要です。
2学期は、この土台をしっかり学びながら、「国語」では、物語文・説明文の読み方(順序立てなど、1学期よりも目標とレベルが進んだ段階)や手紙文や作文、「算数」では、量(かさ)の大小や図形などについても学んでいきます。
日々の授業を理解することが次へつながる
授業内容が増えるというと、子どもが学校の授業にきちんとついていけるかどうか、ちょっぴり心配な親御さんもいらっしゃるかもしれません。
たしかに、算数であれば、1学期の足し算・引き算は簡単にできていたのに、繰り上がり・繰り下がりの計算になったとたんに、つまずくことがあります。その理由の1つは、それまで手を使って計算できていたのに、それができなくなってわからなくなるためです。また就学前に計算を教えてもらい、自分でも算数ができると思い込んでしまうこともその1つ。この場合、授業もあまり集中して聞いておらず、少し難しくなると、それまでの知識では通用しなくなってしまうのです(私は「うさぎとかめパターン」と呼んでいます)。
小学校の学習内容というのは(特に算数は)スパイラル式(らせん状)と言って、前にならったことを踏まえて新しい内容が付け加えられていくようになっています。1年生の学習は、どの内容も次の学習につながっていきますので、今習っていることをしっかりと理解させていくことが重要といえます。
子どもが授業を理解できず、つまずいているかどうかは、宿題やノートから推し量れることがあります。例えば国語なら、今習っているところの教科書をすらすら読んでいるか、算数なら、学校から持って帰ってくるプリントの出来が芳しくない、あるいはノートがしっかり書かれていない、無駄なことが書いてあるなどです。もし疑問があれば、担任の先生に尋ねるとよいでしょう。
授業でつまずいた子へのフォロー3ポイント
もしも、子どもが勉強でつまずいているかなと思われた場合は、苦手とすることに以下のようなフォローをしていくとよいでしょう。
①国語の場合は、教科書の音読を一緒にそばで聞く。もし、すらすら読めていなかったらゆっくりと何度も繰り返して読む練習をすることで自信をつけさせる。
②国語・算数を問わず、プリントで間違えたところをていねいに直させる。直したプリントをファイルしておくことで、間違いを間違ったままにしておかないし、間違ったことを乗り越えよう、という家庭の姿勢を子どもに示す。
③宿題をするときの様子を見守る、または宿題が終わったあとで必ずチェックすることで、ていねいに取り組む大切さを教える。
つまずく子は、書く字が雑になるなど、なげやりになったり無気力になったりすることが多くなります。担任の先生にも相談して、連絡を取り合い、子どもが家でがんばった翌日は、その旨を連絡帳で知らせるなどして先生に一言褒めてもらうだけでも効果があるものです。このようにして、小さなつまずきのうちに対処していくようにするとよいでしょう。
2学期を見据えて、夏休みの今からやっておきたいこと
まずは、夏休みの宿題をしっかりと「書く」ことです。そしてどの課題も手を抜かずに取り組ませましょう。なぜなら、夏休み明けすぐの評価対象だからです。
ただしそれは通知表に反映される云々…ではなく、「自分はがんばった!」と堂々と先生に提出できる心情が、そのあとによい影響を及ぼすからです。さらに先生に「がんばって書いてきましたね!」なんて言ってもらえたら、それだけで、その後のモチベーションが高くなります。絵日記や自由研究・図工作品などはしっかり作成すれば、選ばれて掲示され、長い期間友だちなどの目に留まります。こうしたことを経験する満足感が、後の学習意欲をもたらすことになります。
もう1つ、夏休みの間に「ほんの少しの予習」をしておきましょう。ただし、やり過ぎは禁物です。あまりしっかりとやってしまうと、安心して授業を聞かなくなったり、うるさく言われて勉強がいやになってしまうからです。
教科書を一度読んでみる、読めない漢字にふりがなをふってみる、挿し絵を見るといった程度で、あとはお楽しみということで終えるのです。無理やりにではなく、お母さんも一緒にちょっと見てみた、というスタンスでさりげなく取り組むのがよいと思います。
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