旅行ジャーナリスト。1児の母。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、2001年に活動開始。旅を通じて子どもの生きる力を育む「旅育」を提唱し、さまざまな媒体で家族旅行の魅力やコツについて発信している。著書『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ~旅育BOOK』(日本実業出版社)は全国の書店・ネット書店で販中。
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週末・その他
年長 2018年7月24日の記事
迷子にしない三原則は? 親子海外旅行の心配事Q&A
年長で初めての親子海外旅行【第4回】
年長のうちにしてみたい子連れでの海外旅行。「安全に楽しむためには?」「子どもの学びを深めるためにできることは?」など、この年代ならではの気になるポイントを3回にわたりお伝えしてきました。
最終回となる今回は、「現地で体調を崩してしまったら」「迷子になってしまったら」など親子海外旅行をする際の心配事をピックアップ。引き続き、『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ~旅育BOOK』(日本実業出版社)の著者である、旅行ジャーナリストの村田和子さんにお話しを伺い、Q&A形式でご紹介します。
Q「現地の食べ物、飲み物が子どもの口に合うか不安」
A.その国の持ち込み可能な範囲で、食べなれたレトルト食品やふりかけ、ティーバッグなどを持っていきましょう。
「お子さんが現地の料理を食べられるか不安に感じるなら、備えとして食べ慣れた食品を持ち込むのも一つの手です。その際、何が持ち込み可能かは国ごとに異なるため、その国の観光局のホームページ等で確認をしましょう。オーストラリア、ドイツ、ニュージーランドは特に食品の持ち込みに厳しいので、注意が必要です。
飛行機の機内への持ち込みは、液体物は100ml以下の容器に入ったものと定められており、ペットボトルなどはNG。水分を含む食べ物も規制の対象となることが多いので、スーツケースに入れて預け入れ荷物としましょう。ただし、医薬品や乳幼児食品(ベビーフード、離乳食、調乳用のお湯など)は機内での利用分であれば認められるので、検査の際に申し出ましょう」(村田さん)
Q「感染症予防でできることは?」
A.予防接種を受けていない病気が流行っている国や地域には行かないこと。
「ポリオや破傷風、麻しん・風しん(MR)、日本脳炎など、予防接種により日本での流行が抑制されている病気も、国によっては発生・流行が見られたりします。予防接種を受けていない病気がある地域へは、渡航しないのが基本。どうしてもという場合も、渡航前に予防接種を済ませ、免疫をつけてからにしましょう。
第1回で紹介した外務省の『海外安全ホームページ』も参考に、旅行先でどんな病気が流行っているのかを事前に確認しておきましょう。また、蚊が媒介となってうつる病気も多いので、虫よけは必ず持っていきましょう」(同)
Q「時差が5時間以上ある場合、大人でも時差ボケを起こしがち。防止法 、解消法は?」
A.旅行の2、3日前から、現地時間に合わせて少しずつ生活をずらして。
「子どもは時差の影響を受けやすいもの。時差が気になる場合は、出発2、3日前から、食事の時間や起きる時間、寝る時間を、少しずつ現地の時間に合わせてずらしておきましょう。機内は、現地時間に合わせて消灯したり食事が出たりするので、それらにあわせて行動するのがおすすめ。現地に着いたら、朝には朝日を浴び、食事の時間には少しでも食べ物を口にするよう心がけましょう。
とはいえ、子どもの場合は時差ボケを免れないこともあるでしょう。時差が大きく負担がかかりそうなら、ホテルのアーリーチェックインを考えてもいいでしょう。無理をせず、時差が大きい場合は、初日はのんびり過ごすことを心がけましょう。事前に休む場所の目星をつけておくと安心です。
ちなみに、時差ボケはハワイ、アメリカ、カナダ方面など東回りのフライトで行く場合にきつくなる傾向にあるので、しっかり準備をしましょう」(同)
Q「現地で体調不良になってしまったら?」
A.海外旅行保険に入っておけば、日本語のサービスセンターで現地の医療機関を紹介してもらえます。
「子どもに不測の事態はつきもの。海外では医療費も日本と比較して高額なところが多いので、海外旅行保険は必ず入っておきましょう。具合が悪くなったら、まずはホテルに相談を。ホテル内にドクターがいたり提携の病院があったりする場合もあります。
海外旅行保険に入っていれば、受診の必要性を感じた際に、保険会社のサービスセンターに電話をして日本語で状況を説明し、適切な医療機関などを紹介してもらうことができます。受診料の支払いなどについても、そのときに詳細の指示があります。
また、旅行前に小児科で飲みなれた薬を処方してもらい、必ず持参を。おなかの薬、風邪や熱のときの薬、持病の薬の3種類があれば安心です。持病がある場合は、かかりつけ医に相談し、万一に備えて海外用の診断書を書いてもらうことも検討を」(同)
Q「気温差がある場所へ行くときの注意点は?」
A.洋服を重ね着して、こまめに体温調節を。
「季節や場所を問わず、旅行は重ね着が基本。日本より暑い土地、寒い土地でも、屋内では冷房や暖房がすごく効いている場所もあります。特に海外は冷房がきついことが多く、暑い場所に行く場合も、長そでの羽織物は用意していくのがベストです。
機内も暑かったり寒かったりすることがあるので、重ね着が基本。また、フライト中は気圧の関係で体が膨張するので、締め付けの少ない服を選んだほうがいいでしょう」(同)
Q「万が一、迷子になってしまったら、どうすればいい!?」
A.絶対に迷子にならないように、まずは事前にしっかり備えを!
「予防策は3つ。1つめは、目立つ服や小物を身に着けさせること。2つめは、子どもに日本とは状況が違うことを伝え、親から離れないよう言い聞かせておくこと。特に人混みでは親も必ず手をつなぐよう注意して。3つめは、万が一のために子どものリュックなどに親の携帯番号、宿泊先のホテルなどのメモを入れておくこと。
海外は言葉も通じませんし、何かあったときのリスク、大変さは日本の比ではありません。テーマパークやショッピングモールなどの迷子センターも、決してあてにしないこと!
なお、子どもが寝ているあいだに、部屋を離れるのも避けましょう。日本とは異なる環境で危険ですし、欧米では子どもを置いて出かけるだけで虐待とみなされることも。大人だけの時間を過ごしたいのなら、ホテルの託児サービスを利用しましょう」(同)
異なる文化を楽しむためにも、事前に風習や習慣について知識をつけておくことが大切。備えあれば憂いなしの精神で、安心、安全な親子海外旅行を目指しましょう!
(取材・執筆:有馬ゆえ)
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