旅行ジャーナリスト。1児の母。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、2001年に活動開始。旅を通じて子どもの生きる力を育む「旅育」を提唱し、さまざまな媒体で家族旅行の魅力やコツについて発信している。著書『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ~旅育BOOK』(日本実業出版社)が全国の書店・ネット書店で販売中。
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年長 2018年7月20日の記事
日本語が通じない環境は海外旅行ならでは。親子で海外旅行に行くのをきっかけに、外国語に親しんでほしいと考える親御さんもいるかもしれません。
そこで、『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ~旅育BOOK』(日本実業出版社)の著者である旅行ジャーナリストの村田和子さんに、海外旅行での子どもの外国語体験を生かす方法を伝授していただきました。
海外旅行は、生きた外国語に触れる絶好の機会です。それをよりよい経験にするために、親子で準備しておきたいこととは何でしょうか。
「『こんにちは』『ありがとう』のよく使う2フレーズは、英語だけでなく現地の言葉でも覚えていきたいですね。子どもが自国の言葉であいさつしてくれるのは現地の人にとってもうれしいし、コミュニケーションのきっかけになります。子どもにしてみれば、自分の言葉に反応してもらうと印象に残るし、大きな成功体験になるでしょう」(村田さん)
「こんにちは」「ありがとう」の2フレーズだけなら、親もハードルが低いですね。とはいえ、知らない人ばかりの環境で、すぐに子どもに外国語を使わせるのは難しそうです。
「その場合、まずは『旅の指さし会話帳』(情報センター出版局)を親と一緒に使って、現地でのコミュニケーションを始めるのはどうでしょう。シーン別に使える単語や文章をまとめたもので、たとえば食事のシーンなら食べ物の名前や注文の仕方などが日本語と現地の言葉で書いてあります。イラストを参照したり、親がフォローしたりすれば、お子さんでも活用できるはず。
この1冊があれば、本を見せて指でさすだけで買い物などのやりとりができるので、内気なお子さん、恥ずかしがり屋のお子さんでもコミュニケーションを始めやすいと思います。スマートフォンユーザー向けに、アプリ版もあります」(同)
指さしコミュニケーションで慣らしてから、実際の会話につなげるというわけですね。
なお、飛行機の機内で飲み物や食べ物を聞かれた際に、子どもに受け答えをさせるのも◎。「キャビンアテンダントの方は、子どもであっても一人前に扱おうとしてくれます。親が先回りをするのではなく、子ども自身に対応させて自信につなげてあげましょう。もちろん海外の航空会社を使った場合は、英語で会話する練習にもなります」とのことです。
現地のホテルなどに子どもだけで参加できるプログラムがあれば、積極的に参加させるのもよいそう。
「外国語を習っていてもいなくても、ホテルにキッズプログラムがあれば、積極的に参加させてみて。言葉はわからなくても、いろいろな国から来ている子どもたちと遊んだりコミュニケーションしたりする経験が大切なんです。違う言葉があることを知り、年齢によっては外国語をより身近なものとして体感できるはず。
我が家の息子はフィジーでキッズプログラムに参加しましたが、魚のえさやりをしたり、フェイスペインティングをしてもらって虎に変身したりと、楽しそうな様子がうかがえました。ぜひ、事前に宿泊先のホテルでキッズプログラムがあるかを調べてみて」(同)
確かに、子どもって言葉が通じなくても一緒になって遊んだりできるんですよね。子どもに外国語体験をさせるとき、親が気を付けるべきことはありますか?
「うまく会話をさせようとしないことですね。海外旅行で外国語に触れる際は、子ども自身が『違う言葉を話すんだな』『イントネーションが面白いな』などと興味を持てればいい。いろいろな人がいてさまざまな言語があること、共通の言語があればより通じ合えるとわかることが大切なんです。無理にうまく会話をさせようとすると、旅行自体が楽しくなくなってしまう可能性もあります」(同)
海外旅行で外国語に触れたならば、その体験を生かしてほしいと願うのが親心。帰国後、親にできることを教えてください。
「旅行後は、子どもが関心を抱いたことについてより深く知る機会を持つと、ぐんとお子さんが伸びると思います。まず、子どもに外国語を使って話すのが楽しかったかどうかを聞いてみて。興味を持っていることがわかれば、実際に言葉を習わせてもいいですし、英語圏のアニメを英語で楽しんでもいいと思います」(同)
とはいえ、まず大切なのは、子どもがやりたいかどうか。親が勝手に決めて押し付ける形になると、その後のモチベーションにかかわってくるそうです。
「外国語を学ぶ際は、成功体験を重ねるためにも、次にその言語を使う土地へ旅行するまでの目標を立てるといいでしょう。たとえば、『次の旅ではレストランで注文できるようになろう!』『トイレの場所が聞けると安心だね』などの声掛けで身近な目標を設定すれば、モチベーションも上がります。次の予定がなくても、旅の写真を見ながら外国語を使った楽しさを思い出す機会を与えてあげましょう」(同)
海外旅行のもっとも大切な実りは、子どもの心に芽生えた興味。親は、それを大事に伸ばしてあげたいものですね。
(取材・執筆:有馬ゆえ)
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