1952年、婦人少年協会として、労働省婦人少年局(現・厚生労働省雇用均等・児童家庭局)の外郭団体として発足。1980年に財団法人となり、1999年「女性労働協会」に名称変更。
働く女性の地位向上、および女性労働者の福祉の増進を図ることを目的とした、さまざまな事業を展開しており、その一つとして、全国のファミリー・サポート・センターのネットワーク拠点として、運営に役立つような各支援を行っている。
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年長 2018年6月26日の記事
子どもが幼稚園入園・小学校入学のタイミングで復職を考えているママにとって、お迎え時間の確保や子どもの病気など、不安は多いものですよね。そんなとき心強い味方となりそうな“ファミリー・サポート・センター”略してファミサポについて、いつどのような内容をお願いできるかをお聞きした前編に引き続き、実際に利用する際のポイントについて、全国の“ファミサポ”のネットワークの拠点となっている「一般社団法人 女性労働協会」の小林恭子さんにお話を伺います。
─ 初めて“ファミサポ”を利用したい場合、どうすればよいですか?
「まずは地域のファミリー・サポート・センターに登録してください。登録後、『○月○日の何時に保育園にお迎えに行き、そのあと1時間の預かりをお願いします』などセンターに電話等で依頼をします。するとセンターのアドバイザーが、依頼内容に合いそうな提供会員さんを紹介してくれます。
活動の前には、「事前打ち合わせ」として、お子さんをお預かりする環境(提供会員さんの家など)で、顔合わせを行います。アドバイザーが同席することが多いそうです。
そこで『この方にお願いしようかな』、『このお子さんだったら預かれるかな』といった双方の合意ができれば、初めて活動が成立します。そして、活動後に直接当人同士でお支払いという形になります。」(小林さん)
2回目以降、同じ提供会員さんにお願いする場合、依頼会員と提供会員の合意がとれれば直接やりとりをして依頼していいですよというセンターもありますが、毎回センターに問い合わせて、その都度、提供会員さんを紹介してもらうセンターもあるそうです。
─ 提供会員さんには、どんな方がいらっしゃるのですか。
「子育てが一段落され、子育ての経験を生かしたい、困った親御さんの役に立ちたいという50代、60代の一般の方が中心です。また、提供会員はお子さんを預かるため、安全・事故対策も含めた、援助活動に必要な講習を必ず事前に受けます」(同)
有資格者もいらっしゃるという話を聞きますが、どうなんでしょうか。また、女性だけでなく、男性の提供会員さんもいるのでしょうか。
「そうですね、中には元保育士さんや元看護師さんもいらっしゃいます。ただ、必ずしもそういう方ばかりということはなく、一般の方がほとんどです。また提供会員さんはほぼ女性ですが、男性もときどきいらっしゃいます。定年後などに地域で熱心に活動を支えてくださる男性はありがたい存在で、あちこちのセンターで「イクジイ」として頼りにされている方もいます(笑)」(同)
─ 子どもがとても活発な子だったり、内気だったり、提供会員さんとの相性が心配になったときに、顔合わせ後に変更していただくことはできるのでしょうか。
「もちろんできます。サポート・センターによっては、あらかじめ複数の提供会員さんとの顔合わせをおすすめするところもあります。また、病児・病後の預かりを行っているセンターにおいても、必ず一度はお子さんが元気なとき、通常の預かりを一度経験してから、非常時の預かりをするようにおすすめしています」(同)
─ ファミリー・サポート事業を利用する方に向けて、注意点や、こういったことは避けてほしいというNGポイントはありますか。
「“ファミサポ”は、依頼会員と提供会員との間に良好な関係が築ける素晴らしい仕組みです。ただ、会員同士で直接やりとりをして活動をする際には、活動前に必ず、センターにご連絡をいただくことをお願いしたいのです」(同)
─ どのように連絡すれば良いのでしょうか?
「『以前お願いした○○さんに、何日の何時から1時間お願いしています、内容は〇〇です』のように、事前に連絡いただくようにしています。連絡がないと、何か事故があった場合に「本当に活動中の事故なのか」が特定できません。何より、活動内容をセンターが把握できていないと、活動の安全を確保するための対応ができません。「事前打合せ」を行うのも、会員同士の顔の見える関係での「安心」「安全」を最優先させているからなのです」(同)
─ こういう依頼は困ったなと思うことはありますか。
「『宿題をさせて』、『ピアノの練習をさせておいて』といった学習指導などは、ファミリー・サポート事業には入っていません。投薬は、病児預かりを行っているセンターに限られます。また突然のキャンセルや、多めに依頼時間をとっておいて、当日一方的に短縮するといったことが続くと提供会員さんも困ってしまいます。ファミサポの趣旨を理解して、会員相互の信頼関係を損なわないような利用をお願いできればと思います」(同)
─ よい会員さんとのマッチングのためにも、余裕をもって登録を済ませておいたほうがよさそうですね。
「転勤先で知人や親族が近隣にいない方、シングルマザーの方など、核家族化が進む中で“ファミサポ”が切実に必要とされ、果たしてきた役割もあります。あくまで“ファミサポ”は、料金は介在するものの、相互援助活動が基本です。子育てで困ったときや育児にちょっと疲れたときのために、あらかじめ登録しておいて、提供会員さんと顔合わせをしておき、いざというとき活用いただけたらと思います」(同)
実際に「“ファミサポ”のおかげで何とか仕事を続けることができた」という声も多いそう。また仕事中の育児に限らず、同じ地域に頼りになる提供会員さんがいるというのは心強いもの。実際に長く人間関係が続いて、お子さんの結婚式に、かつての提供会員さんが呼ばれるといった素敵なお話もあるそうです。
“ファミサポ”は事前登録、事前打ち合わせが必要なため、準備期間がかかります。また、会員同士の援助活動であることを理解した上で、利用することが必要です。一見、面倒にも見えますが、子どもが家族以外の地域の方々と関わるきっかけになったり、育児中のちょっと困ったときに頼りにできる利点がありそうです。まずは近隣のサポート・センターに登録してみて、自分に合った利用方法を探せればいいですね。
(取材・執筆:大和田佳世)
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1952年、婦人少年協会として、労働省婦人少年局(現・厚生労働省雇用均等・児童家庭局)の外郭団体として発足。1980年に財団法人となり、1999年「女性労働協会」に名称変更。
働く女性の地位向上、および女性労働者の福祉の増進を図ることを目的とした、さまざまな事業を展開しており、その一つとして、全国のファミリー・サポート・センターのネットワーク拠点として、運営に役立つような各支援を行っている。
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