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生活・しつけ
年長 2014年1月24日の記事
緊急時の子どもの預け先どうしたらいい?
子どもの急病、学級閉鎖…、でも、仕事は何日も休めない!
子どもがインフルエンザで出席停止になったり、子どもが元気なのに学級閉鎖になったとき… 子どもの預け先をどうしたらいいでしょう?
病児保育の実態に詳しく、自身も4人のお子さんを育てながら働くワーキングマザーである帝京平成大学准教授の桜井ますみ先生に、どんな対策をすればよいかを伺いました。
●病児保育を小学生が利用できるか情報収集を
子どもが小学校に入ってから働き始めたお母さんにとって、学級閉鎖や出席停止は大ピンチです。仕事は休めない、かといって実家や親戚などの預け先が近くにないという場合、どういう選択肢がありますか?
桜井 「感染症が流行する時期には、学級閉鎖や、学校感染症にかかった後の出席停止期間など、たとえ子どもが元気であっても長期間学校を休まなければならないこともありますね。
発熱時など、病気の初期で症状が重いうちは、親がなんとか仕事を休むとしても、その後何日も仕事を休むのは大変です。
実家や親類、知人などに頼んでも、どうしても預け先が確保できないときに利用できる施設として、自治体が行なっている病児保育事業施設があります。
これはおもに小児科など医療機関や保育所に併設されていることが多く、病気の子ども(病児)も預かる病児保育は医療機関併設の施設。保育園併設施設は、病気の回復期にある子ども(病後児)のみを預かります。
費用は全国的に見ても、1日あたり2,000円前後が多いようです。比較的利用しやすい料金なので、まずは登録しておくといいと思います。
ただ、1日の受け入れ人数が少ないうえに、対象を未就学児に限定している施設も多いのが現実で、簡単に利用できないという声も聞かれます。
また就学児OKの施設であっても、利用する年齢層は乳幼児がほとんどです。幼児の頃からその施設を利用していれば、慣れ親しんだ環境ということで安心できるかもしれませんが、小学生になって初めて利用するとなると、赤ちゃんが多い環境で1日を過ごすのに抵抗を感じる子もいるかもしれません。
ですから、子どもとよく話をし、子どもの抵抗が大きいようであれば、別の方法を考えたほうがいいかもしれません」
●いざというときは、お母さん同士のネットワークが役立つ
別の方法とは、例えばどういうものがありますか?
桜井 「例えば、ファミリーサポートセンター事業では、一部の市区町村(平成24年度時点で129市区町村)で、病児・病後児を受け入れています。
ファミリーサポートセンター事業とは、子育てを援助してもらいたい人と援助したい人が会員となって、互いに支え合う組織ですが、会員登録していれば、自宅あるいはサポーター会員の家で預かってもらえます。
費用は自治体によってまちまちで、1時間あたり800~1,300円前後が多いようです。
自治体によっては、子育て支援センターとして病児保育を行なっています。これも料金はそれぞれで異なりますが、1日2,000円前後のところが多いようです。
それ以外では、ベビーシッターなど保育サービス業者で病児を預かってくれるところがあります。サービスの内容は会社によってさまざまですが、入会費などが高いのがやや難点かもしれません。
また、大都市圏では、『フローレンス』などのように、病児保育に特化した訪問型保育を行なっているNPO法人もあります。料金は月会費制の共済型なので、利用回数が多いほど高くなるしくみです。
入会費や料金は利用しやすい額とはいえませんが、当日朝までに予約すれば、ほぼ確実に預かってもらえるという点は安心といえるでしょう。
あとは、いざというときに頼めるネットワークをたくさん作っておきましょう。
例えば、クラスの働くお母さんたちでつながりを作っておけば、学級閉鎖のときなど、交代で休みを取って乗り切ることも可能です」
子どもは小学校に入ると、どんどん体が丈夫になっていくのだそう。
とはいえ、やはり病児保育に頼らない方法も考えておいたほうがよさそうですね。
桜井先生、ありがとうございました。
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プロフィール
帝京平成大学児童学科保育・幼稚園コース准教授
専門は子どもの保健、病児・病後児保育、子どもの福祉など。