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小学1年生 2018年6月20日の記事

暑い季節が到来! 子どもの熱中症を防ぐには?

 

 

日差しが強く照りつける暑い季節でも、元気いっぱいに外で遊ぶ子ども達。この時期、心配なのは熱中症ですよね。子どもの熱中症を防ぐためにはどんなことに気をつければいいのでしょうか。新宿区立花園小学校の養護教諭・玉置玲奈先生に聞きました。

 

 

●めまいや吐き気、意識障害も…。熱中症の症状って?

 

熱中症になるとどんな症状が現れるのでしょうか?

 

「熱中症とは、高温多湿な暑熱環境に身体が適応できないことで引き起こされる、様々な症状の総称です。身体は体温が上昇すると汗をかいて放熱しますが、発汗などで体内の水分や塩分のバランスが崩れると、体温調節機能が働かなくなってしまいます。すると、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、重度になると意識障害など様々な症状が現れます」(玉置先生)

 

玉置先生によると、小学校では、めまい・だるさ・顔面蒼白・体が熱いなどの初期症状を訴えて保健室に来る子どもが多いのだとか。運動会練習の際、顔面蒼白なのに、体は熱くて汗が多量という症状の子が何人かみられたこともあったそうです。

 

脳機能障害などの後遺症を残したり、死亡することもある熱中症。もしも熱中症かな?と思う症状があった場合、どうしたらいいのでしょうか?

 

「まずは日陰やクーラーが効いた室内など、涼しい場所に移動しましょう。体温を下げるために、着ている服を緩めます。保冷剤や濡れタオルなどがあれば、首や脇、足の付け根などにあて、集中的に冷やしてください。自力で水分を摂取できるようなら水やスポーツドリンクを飲ませます。自力で水分が摂れなかったり、意識がないような場合にはすぐに救急車を呼んでください」(同)

 

症状の悪化を防ぐためにも現場での応急処置が大切なのだそう。症状が良くならない場合は、医療機関を受診しましょう。

 

 

●学校にいる間も適宜水分補給が大切

 

予防のために、学校ではどんな指導をしているのですか?

 

「休み時間の外遊び中も休憩を取り、こまめに水分補給をするように指導しています。体育の授業も45分間休憩なしで行うことはなく、適宜水分補給の時間を設けています。喉が渇いたと感じた時には身体はすでに枯渇状態なので、乾く前の水分補給が理想的です。子どもは、暑い中でも休むことを忘れてノンストップで遊んでしまいがちなので、日陰で涼んだり、水分補給してクールダウンする時間を持つことを習慣づけてほしいですね」(同)

 

玉置先生によると、熱中症対策には汗で失われた電解質を補えるスポーツドリンクが最適と言われていますが、運動量が多くない子どもが常飲するには糖分が多いそうです。運動量の多い部活やスポーツをしているのでなければ、水やお茶でこまめに水分を補給しましょう。

 

「また夏休みの間などクーラーの効いた部屋で長時間過ごしていると、水分補給を忘れがちになります。涼しい環境下でも身体は乾いてしまうので水分補給をするようにしましょう。子どもが外に遊びに行くときには、水筒と帽子を忘れずに持たせてあげてくださいね」

 

 

●朝食をしっかり食べることも熱中症対策のひとつ

 

熱中症対策として他にするべきことはありますか?

 

「これからの時期はとくに、朝食をきちんと食べて、塩分、水分をしっかり摂ってから学校に来てほしいと思います。寝ている間に思った以上の汗をかいていて、朝起きた時には身体の水分はカラカラの状態です。そんな状態のままで登校すると、登校時、歩いている間に熱中症になってしまうことも。朝食も、メニューによっては水分が十分に摂れていない可能性があるので、朝はコップ1杯程度の飲み物を飲む習慣をつけるといいですね」(同)

 

朝食を食べないことで水分や栄養がしっかり摂れていないと、熱中症のリスクも上がるのだそう。でも、朝は時間のゆとりがないせいで、朝食をちゃんと食べてこない子も多いのだとか。

 

「ゆとりを持って朝食を食べるためにも、まずは生活リズムを整えることが大切です。暑い時期は食欲がなくなりがちなので、夜は早く寝て、いつもより早く起床すると、朝食の時間には頭も胃腸もすっきり目覚めて食欲もわきやすくなると思いますよ」(同)

 

夏はとくに早寝早起きに気をつけて、朝食をしっかり食べて来ることが大切なんですね。夏の暑さはこれからが本番。子どもと一緒に熱中症になりにくい生活習慣を作っていきたいですね。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)

 

 


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