- トップページ >
- 生活・しつけ >
- 小学校で流行することも… 夏に気をつけたい感染症とは?
生活・しつけ
小学1年生 2018年6月13日の記事
小学校で流行することも… 夏に気をつけたい感染症とは?
暑い日が続き体力を消耗しやすい夏。ウイルス性の夏風邪や皮膚炎など、様々な感染症が流行りやすいシーズンでもあります。夏に気をつけたい感染症にはどんなものがあるのでしょうか? 新宿区立花園小学校の養護教諭・玉置玲奈先生に聞きました。
●夏風邪や皮膚疾患が流行りやすい季節
夏に流行する感染症にはどんなものがありますか?
「『夏風邪』と呼ばれるウイルス感染症には、咽頭結膜熱(プール熱)、ヘルパンギーナ、手足口病などがあります。いずれも飛沫感染や接触感染するので、小学校では予防のために手洗いうがいをするよう指導しています。ただ、インフルエンザが流行る冬には手洗いうがいの習慣がしっかりついていたのに、夏になると気を抜いて、適当になってしまっている子が多い印象ですね」(玉置先生)
自宅でも、手洗いうがいを促す声かけが冬より甘くなりがちですよね。夏だからといって油断せず、年間を通して手洗いうがいをすることが大事なんですね。
「ほかには、皮膚の疾患であるとびひや、頭髪に寄生するアタマジラミもこの時期に増えると言われています。正確には、どちらも1年中発生がみられるものですが、プール開き前の検査で見つかりやすくなっているのでしょう。プールでは集団の場で直接肌が触れ合ったり、タオルを貸し借りすることでウイルス性の感染症や皮膚疾患がうつることもあるので、プール指導が始まる前の時期に保健だよりで注意喚起しています」(同)
夏に気をつけたい感染症はたくさんあるのですね。その中でも小学校の流行でよく耳にする「咽頭結膜熱・手足口病・とびひ」の3つについて、さらに詳しく聞きました。
●喉の痛みや結膜炎が特徴「咽頭結膜熱(プール熱)」
「咽頭結膜熱(通称:プール熱)は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症です。プールを介して流行することがあるため『プール熱』とも呼ばれていますが、プール以外でも飛沫感染や接触感染で広がります。年間を通して発生し、夏季はとくに流行しやすいと言われています。
主な症状は、高熱と咽頭の腫れや痛み。また結膜が充血し、目やにや涙が多く出ることもあります。アデノウイルスに対するワクチンはないため、対症療法となります。病院に行ったあとは自宅で安静に過ごしましょう、咽頭結膜熱は出席停止になりますので、主な症状がなくなって2日経過するまでは、登校を控えてください」(同)
●手足や口の中に水疱性の発疹が現れる「手足口病」
「手足口病は、コクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71などのエンテロウイルス属によって引き起こされる感染症です。感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染。5歳以下の乳幼児に多い病気ですが、小学生低学年でも見られることがあります。
手のひらや足、口の中の粘膜などに痛みを伴う小さな水疱性の発疹が現れ、熱が出ることもあります。口の中の水疱が潰れて痛むと食事を取るのが苦痛になることも。刺激のあるものは避け、脱水症状にならないように水分補給をしっかりしましょう。手足口病は出席停止扱いにはなりませんが、医師と相談して登校できるかどうかを判断してください」(同)
●皮膚を引っ掻いて広がりやすい「伝染性膿痂疹(とびひ)」
「ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)によって引き起こされる皮膚の感染症です。虫刺されやあせも、傷口などから菌が皮膚に入り、水ぶくれやかさぶたができます。火の粉が飛び火するように全身の皮膚に広がることから『とびひ』と呼ばれています。
患部を掻きむしることでどんどん体に広がってしまい、接触感染で他の人にもうつります。虫刺されやあせもができやすい夏は、特に皮膚を清潔に保つようにしましょう。とびひも出席停止扱いにはなりませんが、心配な場合は医師と相談してくださいね」(同)
飛沫感染や接触感染で子どもの間に広がっていく夏の感染症。予防の基本は手洗いとうがいです。プールが始まり、子ども同士接触する機会が増える夏は、しっかり予防対策したいですね。
(取材・執筆:宇都宮薫)
関連記事はこちら
★子どもがかかりやすい感染症の症状と出席停止期間、通学の目安
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓