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学校・まなび
小学1年生 2014年6月16日の記事
勉強大好き&学力アップ「親野智可等のママゼミ」第10回
ホワイトボードでスケジュールを見える化する
●子どもの「後でやる」には深い理由がある
親が「勉強しなきゃダメでしょ。いつやるの?」と迫ったとき、「今でしょ」と言ってやってくれる子は少ないですね。
たいていは「後でやる」と答えます。
そして、「後っていつなの?」「後は後」と続きます。
では、なぜ子どもがこう答えるのか、その理由を考えたことがありますか?
その理由は2つあって、もちろん1つは今やる気がしないからです。
これはすぐわかりますが、実はもう1つ深い理由があるのです。
それは、つまり、子どもたちは後で勉強する時間があると、本気で思っているのです。
子どもの時間観念は大人のそれとは全く違います。
大人と子どもでは時間を扱った経験の量が違います。
過ぎ去った時間の量も人生の残り時間の量も違います。
ですから、大人と子どもではまったく違う時間意識の中で生きているのです。
●子どもの時間は長くて漠然としている
例えば、今、夕方の5時半くらいだとします。
この後、ちょっとのんびりして、夕飯を食べて、ゲームしたりテレビを見たりします。
その後、マンガを読んだりお風呂に入ったりしてから、寝ます。
長時間寝て、次の日の朝起きて、散歩して、朝食を食べて、歯を磨いて、うんちして、着替えて学校に行きます。
そこまでの時間が、子どもにとっては非常に長い時間なのです。
しかも、その長い時間の中身が漠然としています。
大人のように頭の中で区切ってスケジューリングするということが、子どもにはなかなかできないからです。
ジャングルのように混沌としていて、ただひたすら長いのです。
その長い時間の中に、宿題・勉強をする時間があると、子どもたちは本当に思っているのです。
でも、実際はそういう時間はないのです。
ですから、「そういう時間はない」ということを見える化してあげることが必要です。
●時間割で時間の流れを見える化
そのためにいいのがホワイトボードに時間割をかくことです。
学校では、教室の前面に、1時間目は何時何分から何時何分まで、2時間目は…、などということが目に見える時間割が必ず貼ってあります。
学校の場合は一年間変わらないので紙でいいのですが、家で作る場合は必要に応じてかきかえられるホワイトボードがいいでしょう。
家では3パターンくらいつくるといいでしょう。
つまり、習い事や塾がある日はAの時間割、ない日はB、土日はCというようにします。
例えば、次のような項目を入れます。
起床、朝食、登校、帰宅、遊び、ゲーム、片づけタイム、
勉強、翌日の支度、夕食、テレビ、入浴、就寝
このような時間割によって時間の流れを見える化することが大切です。
すると、後で勉強する時間などないということがわかります。
●時間を管理するスキルを上げる
慣れてきたら、自分がやりやすいように時間割をつくりかえることもできるようになります。
磁石つきプレートに先ほどの項目をかいて、自分で移動するようにするのです。
「ぼくは、ここで勉強するよりここの方がいいな」「ゲームはここに持って来て、勉強はここにしよう」「私はやっぱり朝早く起きて勉強したほうがいいな。その分お風呂も早めに入って早めに寝よう」
このようにすると、自分で決めたことだからしっかりやろうという気持ちになります。
だいたいにおいて、ほとんどの親は「いつやるの? ちゃんと計画的に考えてやらなきゃダメでしょ」などと口で叱るだけで、子どもが時間を使いこなせるようにするための工夫をしていません。
これではいつまで経っても時間を管理する力は身につきません。
ビジネスマンはビジネス手帳で時間管理をし、そうでない人も大人なら何かしら具体的な方法を工夫しているはずです。
大人ですら、それがないと時間管理はできません。
まして子どもにおいてはなおさらです。
ぜひ時間管理の具体的な方法を工夫して、それを使いこなせるようにしてあげてください。
時間管理のスキルが上がれば、子どもに大きな利益をもたらしてくれます。
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