1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年2月13日の記事
●この子に寂しい思いをさせているのではないか?
ゆき子さんは小学1年生のひとり娘を育てているママさんです。
夫は3年間の予定で海外に単身赴任中です。
ゆき子さんも会社に勤めていて、その仕事が忙しく、子どもとの触れ合いの時間が少ないことが気がかりでした。
いつも会社の帰りに学童に迎えに行き、帰宅したら洗濯物の取り込みと夕食の仕度に追われます。
時には持ち帰りの仕事もあり、ゆっくり子どもと触れ合う時間が取れずにいました。
子どもが話しかけてきても、適当に聞き流しながらパソコンに向かうこともありました。
子どもの寝顔を見ながら、「この子に寂しい思いをさせているのではないか?」と自分を責めることもありました。
●気持ちの中に満たされないものがあるのかも知れない
あるとき、いつものように子どもを迎えに行ったとき、学童の指導員に話しかけられました。
内容は次のようなことでした。
○○ちゃん(娘さん)がしきりに『抱っこして』と言ってくる
ときどき友達ともめることがある
今日は、他の子の靴にクレヨンで落書きをした
もしかしたら、気持ちの中に満たされないものがあるのかも知れない
●一念発起してふたつのことを決意
それを聞いて、ゆき子さんは「やっぱり!」と思いました。
「恐れていたことが現実になった」とも思いました。
それから一念発起してふたつのことを決意しました。
1.自分の仕事を見つめ直す。仕事をセーブする。仕事での完璧を求めない。生産性を上げて仕事の時間を減らす。上司と同僚に話して理解と協力を求める
2.食事、お風呂、寝かしつけ、この3つを触れ合いタイムにする
●自分の仕事を見つめ直す
1についてですが、まずゆき子さんは自分の現状について、上司や同僚に腹を割って話したそうです。
すると、思っていた以上によく話をわかってくれて、それからは退社の時刻になったら上司や同僚の方から「時間ですよ」と言ってくれたり、その他にもいろいろ配慮してくれたりするようになったそうです。
ということで、どの職場もこのようにうまくいくとは限りませんが、ダメ元で言ってみるのもいいと思います。
腹を割って話せば、意外にわかってもらえたり、サポートしてくれる親切な人がいたりするかも知れません。
どんな状況でも言えることですが、コミュニケーション不足だとお互いの状況がわからないまま不信感だけがつのってしまうものです。
●長時間労働をやめて生産性を上げる
それに、今現在、日本人の仕事の生産性の低さが大問題になっています。
つまり、仕事の時間ばかりがいたずらに長く、その割に成果が上がっていないということです。
他の先進国では、もっと短い時間で同様の成果を上げているということが知れ渡ってきました。
ですから、個人のレベルにおいても、自分の仕事を見つめ直して、生産性を上げる余地が充分あるということなのです。
つまり、仕事内容の精選、選択と集中、切るところは切る、などの工夫が必要なのです。
●スキンシップしたり話をじっくり聞いたり
次に2についてです。
ゆき子さんが読んだある育児書に、子どもの気持ちを満たしてあげるためには、この3つが本当に大切だと書いてあったそうです。
私もその考えに賛成です。
一緒に食事する、一緒にお風呂に入る、寝かしつけ、この3つは、親子のコミュニケーションを深める上でとても大切です。
この3つの時間で、子どもとスキンシップしたり話をじっくり聞いてあげたりしましょう。
話を聞くときは、相づちを打ったり、驚いたり、共感したりしながら聞いてあげてください。
そうすれば子どもの気持ちが満たされ、親の愛情を実感できるようになります。
どうせ親自身もルーティーンとして食事や入浴はするのですから、何も子どもと別々にすることはありません。
子どもと一緒にすることで触れ合いの時間も確保できるわけです。
●寝かしつけで読み聞かせもいい
寝かしつけのときに、読み聞かせをしてあげるのもいいと思います。
親の愛情を実感しながら本の世界に浸る時間は、子どもにとって至福のひとときです。
さらには、本が好きになる、想像力が伸びる、文字を覚える、語彙が増える、理解力や表現力が伸びるなど、本当にたくさんの効果があります。
●そもそも親は何のためにがんばっているのか?
さて、ここまで読んだ方から、「それができれば苦労はしないよ。忙しすぎてそういう時間が取れないから困ってるんだよ」という声が聞こえてきそうな気がします。
でも、そこでもう一度考えて欲しいのは、「そもそも親は何のためにがんばっているのか?」ということです。
「そんなに忙しいのは誰のためなのか?」
「忙しがって今やっていることが、本当にそんなに大事なことなのか?」
「一番大切なはずの子どもとの貴重な時間をなおざりにしてまでも、やらなければならないことなのか?」
●「子どもとの今」を大切に
子育てが終わった人が口をそろえて言うのは、「子どもはあっという間に大きくなる」ということです。
子どもが「ママ、ママ」「パパ、パパ」と言ってきてくれる時間はこの後何年あるでしょうか?
中学生になれば、親は相手をしてもらえなくなります。
親が「今度の日曜日に○○をしよう」と誘っても「友達と○○するからダメ」と言われます。
ですから、今のうちに「子どもとの今」を大切にしてください。
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